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あけよんのプチユーモアエピ

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作者: あけよん

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昔先生が話していた。例え学校の生徒みんながしっかりとしていて立派であったとしても、たった一人反社会的な行動をとる生徒がいたとしたら、世間からは学校の生徒全員が反社会的な目て見られる事になると。つまり99%が正しくても、1%でも不具合があれば、その不具合が99%より目立ち、強い印象を植え付けるのである。


私の祖父はとても男らしかった。正しいと思った事はどんな状況であれ突き通すし、物事は相手が誰であろうとはっきりと言う、そして気難しい、さらには胸板がやたらと厚い、心身ともにとても凛々しかった。そんな岩みたいな祖父が少し怖くて苦手だった記憶がある。極力話さない様にしていた。


そんなある日、祖父と散歩をしていた。横に並び、話しながら歩く訳ではなく、祖父の後をついて歩くのだ。会話は殆どない。これが祖父との散歩だった。

歩いていていつも思う。祖父の背中は大きい。やっぱり祖父はものすごく男らしい。少し怖いけれど、カッコいいと。


歩いていくと踏み切りに差し掛かった。そこも普通に渡る。

ただ渡っている途中、急に踏み切りがカンカンと鳴り出した。電車が来る合図だ。その時私はしっかり見た。音がなった瞬間、前を歩いているあの男らしい祖父がビクッとなったのを。


あの怖くて苦手だった祖父にも、人間らしい一面がある事を知った。

何故か心のどこかでほっとした。

それ以来、人間らしい祖父を見る機会は全くなく、以前同様、岩みたいな祖父だった。しかし踏み切りの一件、たったのそれだけで祖父のイメージが変わり、気楽に祖父と話せるようになった。


今思い出しても微笑んでしまう。あの祖父のビクッとした後ろ姿を。


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