2019/10/2 新しいアイテム
秋とはいえ、世間ではまだまだウザい蒸し暑さが続いている。
だが、暑さに弱いながらも野生生物の端くれであるカラスたちは、ずいぶんと楽になった様子で、とにかく元気いっぱいだ。
元気=凶暴。
今朝もぴーちゃんは暴虐の限りを尽くして、掃除人を待ちわびていた。
世間では子カラスの独り立ちが始まっている様子の今日この頃。
あちこちから、戸惑う子カラス達が親を呼ぶ声が聞こえてくる。
ウチの子達はニート確定、独り立ちの必要はないわけではあるが、2羽とも、とりわけぴーちゃんは体力的にも立派な若鳥に成長を遂げている。
(ちなみに、クロちゃんはやはり若干、貧相だ。)
カラスの成鳥。
それは、うっかり外で襲われたりするとかなり凶悪だったりする、あの連中と同じ生物である。
もし、この連載を読んでカラス飼育に目覚めた方がいらしたら、もう少し考えてみてからになさったほうがよろしい。
なぜなら、カラスの凶暴さはなかなかハードだからだ。
ハシボソのクロちゃんは、なんだかんだ言っても華奢だ。
(*らおぴん基準)
だが、それでも、土鍋のフタを素手で開けても平気な程度の肉体的ステータスは必要だ。
ぴーちゃんに至っては、
鷹には劣るが、小動物や小鳥くらいの息の根程度は止めうる強靭な握力とツメを有し、
かつ、
アルミ缶くらいはズタズタにできる、無敵の嘴を装備している生物なのだ。
こと鳥に関する基準が一般比怪しいらおぴんですら、いまや無数の傷で一杯。
うかつに触ろうとして大流血の惨事と相成った人々は数多。
社長には食いつきもせずに甘えるが、たとえ好意あっての歩み寄りだったとしても、腕に止まられた時の爪&握力には耐えがたいものがある。
普段、ぴーちゃんのお気に召さない掃除やら捕獲やらを請け負うらおぴんに至っては、
何と言うか、
そう……、
「殺しにかかってくる」感じ?
手など、食いちぎる気満々で、もはや「つつく」などと言う可愛らしい表現では収まらない。
その上、子猫くらいは仕留めるレベルの握力で掴みかかってくるので、素手で掃除なんかしようモノなら、さしものらおぴんも流血することしきり。
革手袋でガードしてはいるものの、あいつらは、どこからがダメージを与えやすい生身かを、バッチリ観察&理解している。
そこで、
↑
下方に、すでにらおぴんを狙うヤツの視線が。
犬が食いついても多少なら大丈夫と言われる、防護グローブをゲットした。
作業はしにくいし、お値段がやや高めなので、基本的には社長用だ。
らおぴんには鳥耐性があるので、なんだかんだ言いつつ、攻防を楽しんでいたりもするのだが、社長には無理だ。
なまじ普段はゲロ甘え状態なだけに、愛が高じた刹那の馬鹿力でしがみつかれたりすると、なんか、気の毒なほどの惨事と相成る。
このグローブがあれば、ちょっと鷹匠気分でぴーちゃんを腕に乗せても痛くない!
らおぴんは、あたらしいアイテムをてにいれた。
たたかう?
にげる?
……いや、まあ、強いて選択するなら、「そだてる」かなあ?
 




