2019/9/3 止まり木
どうも薄毛が治らない、クロちゃん。
棲み家がお風呂場なので、湿気水気が多いというのもある。
さらには、あらゆる器をひっくり返してしまうため、いたずら防止に特化した「咥えられないエサ皿」を使っているのだが、環境と形体の都合上、ベタ置きにせざるを得ない。
ちなみに、特化云々すると大層に聞こえるが、実際には100均の猫皿である。
本来、なにかと中空で諸用をこなす鳥類の端くれ。
アヒルや鶏ならともかく、通常はケージの格子などに色々設置したり、止まり木とセットで環境を設えてやるのが理想的である。
だが飼い主にも所々事情というモノがあるし、風呂場の壁というモノは、安易に棚やらフックやらを追装備できるようにはなっていない。
人間用なら、でっかい吸盤でなんとかなる。
だが、お察しいただけることと思うが、カラスと吸盤の相性を慮れば、残念な結果しか見えてはこない。
というか、
すでに風呂場の石鹸受けやら小道具入れなど、もとより張り付いていたモノ達は、とうに全滅。
給湯器のスイッチをむしり始めないかが心配なレベルでとんでもない実情だ。
というわけで、クロちゃんは風呂の蓋の上でごはんを食べるのだが、尻尾が湿った床に触れてしまう機会が多いため、朽ちやすい。
で、ヤンバルクイナ化してしまうのだ。
しかも、今は不安定な巣箱の縁に止まって生活している。
ちゃんと握れる止まり木を世話してやりたいが、いまいち、ちょうど良いモノが見つからない。
無いなら、作ればよろしい。
ちょうど、仕事でボツになったステンレスの厚板もあるし。
できた。
だが。
カラスにしては、好奇心よりビビりの比率が高いらしいクロちゃんは、ひたすら怖がって、止まるどころか近寄ってもこない。
クロちゃん……、
止まってみようよ?
 




