2019/6/20 お留守番 それぞれ
クロちゃんは、まだ、固いものは食べられない。
だが、柔らかいものであれば、ふやけていなくても食べられるようになった。
その結果、今までのように喉の奥ではなく嘴の中程、
すなわち、舌の上で食べ物を一旦受け止める仕様になった。
そう、
飲み込む前に味わう余裕ができたのだ。
気に入らないと、舌で押し出して、ポイっと捨てる。
……この野郎……、
いや、女の子かもしれないが。
腹立つなー
だが、今日はいつも日中ゴハンをくれるねーさんが留守だったので、
1日相手をしてもらえなかった。
実はゴハンも、ほとんど自力で食べられるとバレてるしね。
きっと、明日の朝はべったり甘えてくるだろう。
そして、こちらは「ぴーちゃん」だ。
前日の時点では、ダイナミックな給餌への抵抗をみせていた。
ひっくり返って蹴りを食わせてくるその姿は、ちょっと、鳥としてどうかと思う様相を呈していた。
件の社長ですら、飛びのくレベル。
まあ、ハシブトガラスだしね。
昨夜は、威嚇して口を開けたところにエサを突っ込んでしっかり食わせて、
翌日のインジェクション用に割り箸を用意して帰ったのであった。
本日出社すると、社長が歓喜していた。
朝、
社長の顔を見るなり、エサのおねだりをしてきたらしい。
そうなるとは思っていた。
社長は結構朝早い方なのだが、それでもカラスには負ける。
夜明けから数時間、
めっちゃ腹を空かせた頃に、昨日ゴハンをくれようとしていた人間が……
そうなると、賢いカラスの選択は、「あ~ん」、の一択だ。
「箸で餌やりできた!」と、有頂天の社長。
そののち、社員の休憩用リビングにあらわれるなり、
「ここに鳥小屋を作ろうと思うんですよ!」
はあ……、でも暑いんじゃないかなあ……
「でね、エアコンを省エネの新しいのに買い換えて、つけっぱなしにしようかと……」
ちょっと待て、カラスにそこまでするのか社長?




