ちょっと真面目な、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律の話
クロちゃんは、大阪のカラス。
野鳥なので、基本的に捕獲はできない。
飼育目的での捕獲は不可だ。
特に、巣から卵やヒナを採っての飼育は、はっきり違法だ。
2017年、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律が大幅に改定された。
それまでの野生動物の愛玩目的での捕獲と飼育許可制が廃止されたのだ。
(と言っても、最終的に指定されていた鳥類はメジロだけだった)
そして、狩猟の対象として認められる野鳥が明確に指定された。
それらは、許可を得れば狩っていいし、食っていいし、害鳥であれば駆除で殺しても良い。
捕獲も、手捕りであれば資格も不要だ。
駆除の場合は駆除生物の処分方法を報告する義務があるが、狩猟の場合は、その後獲物を譲渡や飼育したとしても、届け出の必要はない。
狩猟には期間と区域があり、駆除には申請と許可が必要なのであるが、
クロちゃんの場合、環境省の地方自治体向けガイドライン記載のフローチャートに従っての、
親に見放され、かつ自立生存不可能な傷病状態にある野鳥の保護となる。
ぴーちゃんも同様だ。
だが、ここからがややこしい。
まず、市町村に保護の連絡をすることになっているのだが、
回答は「元気になったら、保護した場所か、迷惑にならない場所に放して下さい」だ。
その先の指示はない。
ちなみに、傷病野鳥は市町村指定の獣医で治療できるのだが、
大阪でのカラスは害鳥として、公的な治療対象から除外することが明記されている。
つまり、元気になることが推奨されていない。
保護者の自己負担でしか、獣医による治療は受けられないわけだ。
公的機関に持ち込んでも、良くてボランティア里親による保護飼育の斡旋、
悪くてそのままゴミとして焼却処分されてしまう。
しかも、カラスはそこかしこかしこで駆除されている。
クロちゃんの保護現場周辺でも、最近、数羽が駆除された。
と言うか、おそらくは住民による無許可な毒餌によると思われる複数のカラス不審死であった。
だが、検疫騒ぎにもならず、うやむやのうちに生ゴミとして処理されてしまった。
そんな場所に、さらなる元気なカラスを戻して良いはずはない。
カラスを放鳥して迷惑にならない場所など、おそらくは皆無なのだ。
さらに、カラスには飼育そのものに関して届け出の必要はない。
その点は、前述の2017年の改定による所轄変更の一覧にも明記されている。
実を言えば、スズメやヒヨドリもだ。
だからむしろ、飼育許可を取ろうとしても、取れない。
営利目的での捕獲や飼育は違法なので、金銭からみの譲渡や授受はできないが、
保護施設から引き取るにしても、
責任をもって飼育する旨の誓約書は書くにしても、公的な手続きは必要ない。
地方によっては、条例により、若干の差異はある。
大阪では、カラスを含む有害認定鳥獣の保護には行政は受け入れ及び対応はしない。
その場合遺棄はできないため、安楽死、もしくは終生保護かを選択することになる。
だが、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律と、環境省の各種発行物を熟読した限り、
放置すれば死ぬ生き物を、自然とはほど遠い街中で、見殺しにしなくてはならないという法律はない。
とりわけカラスの場合、親から見離されたかどうかは明確にわかる。
なぜなら、
親が見守っているカラスなんか、親に襲われるので、危険過ぎて近寄ることすらできないからだ。
この先、細かな改定や、ガイドラインの変更はあるだろう。
なぜなら、この法律自体が、かなり広義な捉え方ができすぎるからだ。
希少生物への所有欲抑止のためには、厳しい法規制が必要なのだ。
なのに、その希少生物については保護や治療がむしろ推奨されていたりするため、この先、色々と悪用されるケースもあるだろう。
らおぴんも、それを悪用してまでカラスを飼おうとは思わない。
ただ、明らかに死に直面した小さな子供が、熱いアスファルトの上で餓えていたり、車に轢かれたりして、半死半生のまま生ゴミとして焼却されて行く事に我慢ができないだけだ。




