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2023/3/14 ホワイトデー

ホワイトデーだ。


今日の頂き物はまたもや近所のおっちゃん謹製のおでん。

ホカホカのおにぎり付きなのが地味に嬉しい、冷え込む春の宵である。


残ったおでんの練り物は、ぴーちゃんのおやつとして、有効活用できるのがありがたい。

カラスの体に良いか悪いかを問えば、たぶん悪い方なのではあるが、少なくとも猫の腎臓ほどには軟弱ではないであろうと踏んで、食べられそうなものは食べてもらう事にしている。


何しろ、よく食うのだ。


2羽で、毎月、ビックサイズのドッグフードをまるまる一袋、軽く食う。

さらに、餌入れを汚すので、結構な量を無駄にする。

しかもいちいち食べものを水に投下するので、ふやけたあれこれで水はどろどろ。

お前らホントに賢い鳥なのかと問い詰めたくなったりする毎日だ。


その点、おでんのちくわとかだと、ねぐらに引っ張りこんで隠して食うので、水が汚れないのがなんとなくありがたい。



ぴーちゃんは、最近、1階の倉庫がわりの洋間から、2階の和室に拠点を移した。

元々は猫部屋にしていた、きちんと戸締めができる、我が家においては貴重なスペックを有する部屋だ。

本来の猫3匹は、目下、主にワタクシの腹の上にひしめいているので、専用ルームはお役ご免となったのだ。

しかし重い。


ちなみに、同室で、キジバトのポッポちゃんもいる。


恐らくは猫かカラスに襲われて負傷したのであろう鳩に、やかましいカラスと相部屋なのはちょっと気の毒なのではあるが、猫とイタチをシャットアウトする方が重要なのでガマンしてもらうしかない。



鳩は、嫌いな人も多い鳥である。


それを言うならカラスなんてたいていの人には嫌われているので、今さらなのだが。


ワタクシ的には、これまで関わってきた鳩といえば軒並み土鳩だったのだが、このポッポちゃんはキジバトだ。

なんかいろいろと、思っていたのと違う。


概ねは一般的イメージの鳩ではあるが、まず、小さい。

最大の違いは、嘴の根本にコブがない。

鳩っちゃアレだろ、というあの特徴がないと気付くと、もはやこいつは鳩では無いような気になってくる。

それに、嘴に丸を2つつければ、どんなお粗末な鳥の絵でも「はと」で通用するというのに、その手が使えないのが非常に悔しい。


今後の人生において、ポッポちゃんを描画する必要性はたぶん皆無だが、なんか損した気分なのである。


あと、食が細い。

鳩と言えばパンくずに群がる姿で意地汚いイメージなのだが、キジバトはめっちゃ少食だ。

比較対象がカラスなのはやや論外な気もするが、小さな粒餌をチマチマつついて食べるのが、なんか違和感。

スズメからでっかいパンの塊を奪い取るあのクルッポーな生き物の眷族とは思えない、深窓の令嬢的な慎ましさがとことん違和感だ。


さらに、鳥といえば、あんたそんなでっかいモノをよく食えたな……と言わしめるほど、くちばしの根元が想定外にパックリと開くケースが多いが、ポッポちゃんは違った。

標準的な鳩の餌を与えたら、トウモロコシの粒だけ全部残していた。

……お口に入らなかったらしい。

ペットショップでよくよく見比べてみると、「鳩の餌」と「キジバトの餌」には、トウモロコシの有無という、決定的な相違があった。


かつて神社境内での模擬店で、うっかりポップコーン素材のトウモロコシ粒を容器ごとぶちまけてしまった時は、ものの数分で鳩たちがお掃除していったモノだが……、ポッポちゃん、あんた、あいつらとはちゃうねんな……。


そして、鳴かない。

土鳩達は、なんか貧乏揺すりの一種かなと思うレベルで絶えずクッククック喉を鳴らし続けているが、ポッポちゃんは名前倒れで、ポッポはおろか、クックともクーともピーとも言わない。

なんか、沈黙の鳥である。


もしかしてYouTubeとかなら、検索すればキジバトの鳴き声を聞けたりするのかもしれないが、微妙に敗北感が湧きそうなので実行には至っていない。



ちなみに、全然懐いてくれていない。


元々群れないタイプの鳥らしいので孤独さについては心配しなくてよさそうなのだが、ちょっとくらい懐いてくれないとワタクシが寂しい。



とりあえず、今はまた、鳥達の恋の季節だ。

さすがにそろそろ定員超過なので、今年は何も落っこちていない春であるよう心より願う。



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