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2022/11/5  パニック

最近、ちょっと神経質になっていたぴーちゃん。


トヤでハゲてるし、イライラしがちなシーズンなので、あまり気にしてはいなかった。


だが、土曜日の昨日深夜、数度、大騒ぎ。


見に行くと、小屋の床で暴れている。

だが、すぐ復調。

特に異常もみられない。


暗い中で床に降り、金網に爪でも引っ掛けたかな?

それ防止にトレーを置いたりもしてたんだけど……。


そんなこんなで一夜明け、日曜日の未明。

またしても大騒ぎで起こされた。


即行で見に行った。



え……?!



小屋の床で、ぴーちゃんが転げ回っている?!



昨年のイタチ事件の時に、こんな感じでイタチを巻き付けて転がっていたが、今回は、茶色の襟巻きは見えない。

だがよく見ると、翼の折り返し部分(なんというのか、知ってる人、オシエテ!)に傷があり、そこを自噛しながら、マジで転げ回っているのだ。

しかも金網にしがみついたままなので、足指がヤバい。


さすがに、これはアカン。

興奮しきったぴーちゃんを、犬が噛んでも大丈夫な革のロンググローブをはめて確保しようとするが、金網から引き剥がせない。


しかもちょっと目を離すと、自分の翼を食い千切る勢いでまた噛む。



……とりあえず、落ち着かせなければどうにもならない。


すぐ目についたバスタオルを犠牲にしてカラスを包み、おくるみにしてから、そっと爪を放させて、しばらく抱っこ。

本当は顔までくるんでやらねばならないが、暴れ過ぎで、すぐに頭を出されてしまったが、仕方がない。


……カラスを赤ちゃん抱っこしてあやす謎オバサン……。


ちょっとアレなビジュアルながら、自宅内なので、ヨシ!



やや落ち着いてきたところで、おっさん召喚。

この頃には一般的な朝時間になっていたので、まだ寝るつもりでトイレに降りてきたおっさんを捕獲したのである。


予備のペットゲージを2階の猫部屋に搬入し、組み立ててもらった。

やや大型の猫ケージ。

飛板を嵌め込んで、簡易3階になるタイプだ。


この猫部屋は、築100年木造のウチとしてはやや気密性の高い部屋である。

というか、猫達の脱走ないしは侵入を阻める、数少ない部屋なのだ。

因みに猫たちはと言えば最近、階下の、ベッドだけカーテンで仕切ったワタクシのパーソナルスペースにみっちり詰まっているので、猫不在の猫部屋と化していた。


床には厚めのビニールシートなどを敷き詰めてあるので、とりあえずぴーちゃんを放鳥。

かつて社長の愛鳥だった頃、しばしばリビングで飛び回っていたので室内放鳥には慣れているのだ。

しばらく落ち着かせてやろうとして……、観察して気がついた。


右足中指の爪が妙な方向に曲がり、めっちゃ出血している。


痛そうなのと、床やら何やらが血まみれになって行くのが、もう、ホント、見ちゃいられない。

だが、しばし静観。


こちらからの手出しは逆効果になりがちだし、大阪の場合、基本的にカラスは病院で診てはもらえないのだ。


プラプラしていて引っ張れば取れてしまいそうだが、自分の身の体験上、ちょっと触るだけでもめちゃくちゃ痛いとわかっている。

そこに他者が触れれば、攻撃とみなされてしまうのだ。

ただ、動物の場合、許容を越えた痛みの場合、その部分を体から引き剥がそうとする本能があるようで、例えば、歯周病で歯が揺れてごはんを食べにくくなったウチの猫など、爪で歯茎ごと引っ掛けて牙を抜いてしまったりした。

……ふと見ると猫が半身血まみれの血みどろ……

その記憶はちょっとしたトラウマである。


この場合もおそらく、自分で処理するだろう。


幸い、先程まで自傷していた翼には食い付かなくなっている。

恐らくだが、

大型のネズミかイタチが侵入し、眠っていたぴーちゃんに食いついたのだろう。

かつて、イタチは軒並み、まず翼を狙ってきていたし。


原因不明の痛みに驚いて、翼に食い付いていた外敵が逃げた後にも、その部分にいるはずのモノを攻撃するつもりで自分自身に噛みついていたのだと思われる。

抱っこによるインターバルと、爪の痛みで気が逸れたのだろう。


そうこうする内に、爪はポロリと抜け落ちた。

幸い、骨折では無さそうだ。

いわゆる、生爪が剥げた状態。

めっちゃ痛そうだし、ぽとぽと出血が続いている。



普段、人と見れば噛みついてくるぴーちゃんではあるが、いざ苦境に陥ると雛還りして甘えてくる。

すり寄って来たり、抱っこされたり。


こっちまで血まみれになりつつ、ぴーちゃんにお付き合いすることしばし。

環境の変化に強いぴーちゃんは、自ら、新居に入って行った。



新居は概ね気に入ったようだ。

こちらとしても、痛い足先に負担がかからないよう、あれこれ工夫はした。

半日ばかりは意気消沈してうずくまっていたぴーちゃんだったが、昼過ぎになって、おやつをあげるとめちゃくちゃ雛還りして甘えながら食べるようになった。


ごはんさえ食べられれば、概ね安心して良い、というのが過去の鳥達から得た経験知識だ。




元のケージを分解清掃してみると、後付けした金網の分かりにくいところが小さく食い破られていた。

ここから、イタチないしは大きなネズミが侵入したのであろう。


室内にネズミどころかイタチまで出入りできてしまう家というのもかなりアレだが、築100年ともなると、もはやどこに穴があるやらさっぱり……というか、家具の後ろやそこここに、あっという間に穴を開けられてしまったりして、防ぎきれない。


これを何とかするには、カラスと共にYouTuberになってバズるしかないが、だいたいものぐさなワタクシには到底無理と思われる。



仕方がない、戦おう……。






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