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2022/8/30  まゆげ

最近のクロちゃんには、まゆげがある。


ある、と言うか、正確には「ない」。

まゆげに相当する部分が禿げているのだ。


ハシボソカラスの場合、表面を被う真っ黒の羽毛をめくると、その下は結構明るめの灰色である。

地肌はピンク。


しばらく飼っていると、カラスは真っ黒、という概念が薄らいでくる。



クロちゃんは保護した当初から、我が家の風呂場で生活している。


以前にも度々言及したが、築百年庭なし木造モルタルの路地裏住宅である我が家の場合、正直、大型の鳥類を飼育できるだけの余地はない。

とはいえ保護せねば死ぬ雛鳥を見て

「万全の環境ちゃうし」とスルーできるかと言えば、それは無理。

これがイノシシとかだったら、保護する能力自体がないので致し方ないが、草むらにうずくまってワタクシを見上げるつぶらな瞳の雛鳥を見捨てて通りすぎるなんて、マジで無理だった。


その結果が、風呂場飼い。


当時、猫5匹も保護していたので、ケージに入れたとしても室内に置く環境にはなかった。


しかもイタチの出没もある古民家だ。

歩行すら困難なちびカラスなんて、ひとたまりもない。


その点風呂場は、窓や扉がサッシで丈夫、タイルとパネル張りでネズミやイタチの侵入路がない、東向の窓がある、床を水洗いできる、等々の利があった。


それに、カラスは水浴びが好きだし。


湿気やカビを心配する声や、もっと広い部屋で自由に飛ばせてあげてほしいというご意見もいただいたりしたが、色々考えた結果の我が家での最善がこの状態だったのだ。



誤算は、クロちゃんの異常な水浴び好きであった。



とにかく、水浴びが好きすぎる。

ただし、何故か大きいタライでは無理で、洗面器サイズでなければならない。

しかも水道掛け流しが好きで、洗面器に水を入れている段階からせっついてくる。


因みに、餌トレーと一緒に置いている水盤の水はすぐに汚してしまうが、洗面器の水は比較的きれいに保たれるので、飲み水の予備として置きっぱなしにしている。


だから、水浴びはしたい放題。


水鳥か、と思うレベルの頻度で洗面器の住人(鳥)なので、羽根の先や脚の羽毛が傷んでしまうのが難だ。



そんなワケで、クロちゃんはハゲ率が高い。


年中、換羽期の様相を呈しているので、頭部もモフモフ感に乏しい。


その結果が、まゆげ紋様の爆誕であった。




一般的に、イラストやマンガでデフォルメされたカラスは、半眼である。

鋭い眼光で、凶悪かつ禍々しい。

もしくはやけにリアル。

あるいは、眼とか描かず、真っ黒塗りか。



だが、ワタクシの脳内イメージでのカラスは、何かこう、ビーグル犬っぽい感じで、真ん丸のつぶらな瞳の上におとぼけまゆげが鎮座している、ややマヌケな顔の鳥なのである。



最近、何とかカラスのいとおしさを4コマで描けないかと思って色々やってみているが、どうも巧くいかない。

誰かかわりに描いてくれないかと探してみているが、基本的にカラスを可愛くは見られない人がほとんどなので、たいていの場合、描いたカラスに愛がない。


とはいえ自分で描くと、愛以前の問題で生き物にすら見えなかったりするのが悲しい。



いつの日か、カラス漫画が陽の目を見る日はくるのだろうか?


それは誰にもわからない。




というか、多分、無理。


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