2022/7/5 閑話 猫
カラスたちには、先輩猫が3匹いる。
野良の保護猫なので、元々やや体が弱かった。
今残っているのは、母猫と、その子である兄妹だ。
年齢は、母が14、子が13。
このところ、ちょっとこいつらに手がかかりすぎてしまっていた。
遊んでやれない分、カラスには毎日、よく冷えたスイカを支給している。
幸い、小玉の楕円スイカが安くなってきた。
この手の小玉は皮が薄いので、2羽とも、毎度皮まできれいに食べ尽くしている。
母猫は気管支炎なところに脱走癖アリ、保護当初から歯周病で、たまにはぐきを腫れさせたうえ、排膿して血まみれになっている。
その状態ですり寄って来るので、人間もまた血まみれ。
ここしばらく、はぐきの腫れと口内炎でほとんどご飯が食べられなかった。
餌場には寄って来るので、食べたくないわけではなさそうだ。
元々、歯が悪い癖にカリカリが好きな子なので、缶詰には無関心だったが……このままにはしておけない。
食べやすそうな缶詰やパウチ食をあるだけ買ってきて、半流動食チャレンジを開始した。
見込みがありそうだった「にゃんにゃんカロリー 流動食」は、美味しくないらしい。
「金だし ペースト」と混ぜて、やっと少し食べてもらえた。
高かった「モンプチ スープ仕立て パウチ」は、結構喜んで食べた。
だが、量が少ない上に高いので、経済的に難がありすぎる。
そりゃ家族だが、何でもしてあげるにも限度はあるのだ。
最近値下がり傾向にある「モンプチ テリーヌ 缶詰」は、食べやすいらしい。
だが、何故か最近、店頭から姿を消しつつある。
というか、やたらと増えたパウチ商品に圧されて、缶詰全般が減っているので困る。
他の缶詰では、相当細かいフレークでないと食べられない。
しかも、「とろみ」「ゼリー」「スープ」「テリーヌorペースト」いずれかの要素がないとダメだった。
いずれにしても、フレークが引っかかってうまく食べられないため、スプーンの背で潰して解しまくってやらねばならない。
牛乳は好きなので、猫には良くないと知りつつ、餓死するよりは……と思って、少しずつ与えてやった。
それでも、びっくりするほど軽くなり、毛皮の上から見てもはっきりわかるレベルで痩せ細り、ちょっともうダメかなと思いながら見守っていた。
ダメなら、お腹を空かせたままより、好きなものをあげよう……と、牛乳を出してきてから、ふと思い付いた。
高かったけど不評だった、「にゃんにゃんカロリー」
これに「ミルク味」があるではないか!
せっかく楽しみにしている牛乳なので、あまり味を損なわないよう、にゃんにゃんカロリーを2割ばかり混ぜてやってみた。
これが、当たりであった。
少ししか食べられない固形食にプラスして、そもそもの流動食である「にゃんにゃんカロリー」を摂取できるようになってからわずか数日で、見るからに元気そうになり、腰のあたりのげっそり感と、毛並みのじっとり感が改善されてきたのだ。
最近、調子にのってまたカリカリを食べているようだが……。
正直、はぐきに良くないからやめてほしい。
でも、他の猫も居るからなあ……。
そう言えば、カラスが2羽もヒナ状態だった時は、ホント、大変だった。
日中は仕事なので、照明で昼夜の時間を少しずらしながら、自分で餌をついばめるようになるまで、鳥母になりきったものである。
賢い生き物は、自立するまでが長い場合が多い。
カラスも、ホントに賢いのか疑問に感じるほど親への依存が激しく、一旦は巣立していたっぽいぴーちゃんですら、長らく、自力で水を飲むことができなかった。
カラスを飼ってみたい方には、ものすごく手がかかるよ、とだけは言っておきたい。
猫もそうだが、生き物を飼うには、かなり自分の人生を削られるというデメリットがある。
しかも、ほとんどの場合、先立って行く姿を見送る羽目になる。
とりわけカラスの場合、わけてもハシブトカラスとなると、「かわいい」という要素は極小なので、例え毎日タッパー一杯のウンコを処理する必要があっても、モフモフ触れさえできなくても、餌と一緒に指の肉まで食いちぎられても、キレずに下僕と化せる忍耐力は必須だ。
もちろん、賢い生き物の常で、個体差は激しい。
ぴーちゃんの凶暴さに関して、愛情の不足を指摘される事も多々あるが、私としては、ぴーちゃんは凶暴であって良いと思っている。
なぜなら、それは、曲がりなりにも放鳥を目指したからであり、放鳥するに当たって最も大切なことは、人間に慣れさせないという点に尽きるからだ。
とりわけ、害鳥の中の害鳥、カラス。
大阪では、駆除のための罠も多々ある。
餌に釣られて人間に気を許したりしたら、たいていの場合、かなり悲惨な目に遭うだろう。
現に、クロちゃんの家族であったと思われるカラスの一家は、撒かれたパンくずを食べて、鳩や雀とともに死んでいた。
害鳥といえど毒殺は犯罪のはずだが、さっさと片付けられて、なったことになっている。
それはさておき。
カラスの老後ってどうなんだろう……。
小さなヒヨドリでもそこそこ大変だったんだけど……。
ぴーちゃんの最近のお気に入りは、モモンガのペレット。
クロちゃんはフレッシュなブドウとメロンです




