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2022/5/29  4年目突入  お食事事情

この春で、カラス生活も4年目となる。


カラスが居るという点をのぞけば、正直、当たり前の日常なので、そうそう面白いネタはない。

それに、YouTubeとかに連投するために、ネタ作りするというのも気が乗らない。

既にネットアイドルとしては、○リピーとか、リ○くんとか、万単位のフォロワーを有するカラスが存在するし、日本のカラス界に君臨するバイブル的ブログも存在するし、今さらうちのカラスたちの地味な水浴びやら給餌やらをアップする意義は無いに等しい。

というか、自分の結婚式とか、自分の子供の写真をやたらと見せたがる人とかに愛想笑いで応じるのと同様で、他人の、ペット見せびらかし行為に対する一般的な真意は、大多数が塩だと思うのだ。


まして、カラス。


同僚に「うちの愛鳥!」と言って写真を見せたら、秒で「気持ち悪っ!」と反応されてしまった。

あまりにも瞬時だったので、心からの本心、なんなら本能からの拒否反応だったのであろう。

大抵の場合、他人のペットとなると、たいして可愛くない猫からイグアナやニシキヘビに至るまで、「可愛いね」と反応して見せるのが社交辞令な同僚が、これである。

カラス=嫌なもの、という等式が出来上がっているゆえの反射であろう。



一般的に「害ナントカ」と表される生き物は、幼少時からの刷り込みで、嫌悪すべきものとして脳ミソの深いところに記録されてしまうのだ。


虫なんかもそうだ。

両親や身近に虫をやたらと嫌う人間がいる環境に育つと、異常な虫嫌いの子供が育つ。



だがしかし。



幼少時から畑仕事が大好きで、6割方は野生児であったワタクシはたいして虫が嫌いではないが、アヒルのピー子ちゃん(♂)が美味しそうにミミズを食する図を11年間に渡って見守って来たものの、ついに自らもミミズに食欲を覚えるようには育てなかった。



そう、虫食。

今や世界的に需要が高まっている、未来の栄養源。

そういえば、宇宙での生活のタンパク源として、生ゴミや排泄物でも育ってめちゃくちゃ増える理想的昆虫として選ばれたのは、ハエとゴキブリであるらしいが……。

とりあえずワタクシは、火星定住とかそういうのは遠慮しておく。

カラスも連れてはいけなさそうだし。


というか、それならむしろ、砂漠に定住コロニーを作った方がいいんじゃないかとも思う。

少なくとも、ほぼ生存可能なベースはあるんだし。

それにだ、いずれ地球に住めなくなる時分には、人類にもたいして繁殖意欲は残っていないだろうと踏んでいる。


それは置いといて、人間にも有益な栄養源である、虫。

もしかして、カラスの健全な育成には、虫が必要なのではないか?




だがワタクシは、生き物を愛玩するために、他の生き物を食べさせるという事が苦手だ。

綺麗事かもしれないが、ワタクシは、滅多に虫も殺さない。

そりゃ刺す蚊とか、猫が布団に落としたノミとかはやむ無く退治するが、それは自己防衛である。

どうせ食わせるなら同じだ、と言われるかもしれないが、冷凍コオロギなんかも探してみた。

だが、高い。

それに、家族が冷蔵庫にインしたコオロギの塊に発狂したり、色々あって、冷凍コオロギは、ナシとなってしまった。


外の植木鉢にアゲハの幼虫はたくさんいるが、そいつらは「イモ,s」と呼んで可愛がっているのでカラスの餌にはできない。


ミルワームなら百均の飼育ケースで無限に増えるらしいが、世話して育てた生き物を生け贄にするのもなあ……。



そんな中、フクロモモンガの飼い主から、頻繁に、モモンガのごはんをもらえるようになった。



なにぶんにも1匹10万ほどする御尊体。

餌も高価だ。


高価なのに、数回で飽きたり、ちょっと古くなると食べなかったりするらしく、次々購入しては廃棄の繰り返しであるとのこと。


廃棄するなら……と、もらって来てみたら、カラス、とりわけぴーちゃんには大歓迎された。



「くう~っ、世の中にはこんな旨いもんがあったのか……」みたいな噛みしめっぷりに思うところがないでもないが、モモンガのごはんは、わりと基本が虫である。

ペレットにも虫たっぷり。

高級生物モモンガ様の生命維持を司るほどの高級食が、カラスにワルかろうはずがない。


よっぽど旨いのだろう。


普段のドッグフードを嘴でかき分け蹴散らして、美味しい粒がないかどうか、探し回る癖がついてしまった。




ペットには、旨いものをやりたい。



だがしかし。



ついには床一面に投げ捨てられたドッグフードを見るに至って、さすがのワタクシも、ぴーちゃんへの食事制裁の必要性を覚えるに至っている。

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