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2021/12/2  カラス、世話の限界

走馬灯事件から一週間と経たない11/23。


祝日でもあり、やりたいことは色々あったが、最も片付ける必要のあるカラス部屋は目下、鬼門だ。

ぴーちゃんには申し訳ないが、ごちゃごちゃになったまま、しばらくは保留することにした。


だがしかし。


鬼門の守備範囲が思ったより広かったのか、はたまた、視界の混沌にイラついたぴーちゃんの怨念なのか、カラス部屋を横切った先の玄関でコケたワタクシは、この度めでたく、左足骨折と相成った。


実のところ「ただの捻挫かも」という希望的観測で、翌日は、湿布を貼って出勤した。

が、足首から下が特殊メイクのゾンビっぽくなってきたため、諦念を以て「病院行こう」と決意し、今に至る。


がっちりギプスを巻かれて、かつ、松葉杖を2本使いする羽目になってしまっているのだが、これが実に厄介であった。


カラスの世話が、できないのだ。


まず、松葉杖の存在に、カラスが怯える。

そんでもって、トレイをはじめとした荷物が持てないため、餌皿の交換すらままならない。


まだクロちゃんなら、ワタクシ以外の家族でも何とかなるが、ぴーちゃんは咬むので、おっさんすら、おやつをあげる以上の接触はしようとしない。

おかげで、整理途中のカオスな部屋を、松葉杖で散乱する諸物をかき分けつつカラスケージにたどり着き、かろうじて最低限のお世話をするに止まっている。

汚れた水を棄てたバケツはおっさんが運んでくれるが、松葉杖ビギナーのワタクシには、この小遠征だけでも結構な苦難の行軍だ。


すまん、ぴーちゃん。

しばらくがまんしてくれ。


コロナ最盛期にも思ったが、扱いにくい生き物を飼育する場合、飼主の健康は本当に重要である。

というか、足が治ったら、ぴーちゃんに関してはもう少し人間慣れさせたほうがいいかもしれない。




そんな折、人間の弱味を察したのか、ネズミが出没しはじめた。

それはそれで厄介なのだが、問題はその次だ。

ネズミが居付くと、次にはアレが現れるのだ。


そう、イタチである。


先日、工場の事務室で居眠りから醒めたおっさんの眼前にイタチがいた、という情報を得ていたので、ますます嫌な予感はしていた。



そして、11/28の深夜。

イタチの絶叫で目が覚めた。


あろうことか、すぐ耳元での大音響だ。

ベッドの周囲をカーテンで囲んであるのだが、どうも、この布1枚の向こうで何かが起きている。

かつてイタチの攻撃にビビったトラウマがあるワタクシには、たかが布、されど布、頼りないながらもこの防御シールドを解除して外を覗く勇気が出ない。

幸い、ぴーちゃんは普通にガサガサ動いている気配があるので無事らしい。

躊躇していると、猫の威嚇声が響いた。


どうやら、よんこさんとしまーが、イタチを攻撃したらしい。

さらに、ワタクシの布団に潜っていたチャリさんが、追加出撃。


イタチ氏は、越冬期の縄張りに敏感な時期の猫3匹に襲われるという想定外の事態に見舞われ、大パニック。

叫びながら逃げ惑うところを、さらにチャリさんが執拗に追走し、約30分後にようやく脱出していった。




……ワタクシの枕元に、最期っ屁と、最期っ糞と、最期っ尿を残して……





深夜、松葉杖をつきつつ興奮する猫を捕まえて拭き、わめくカラスをなだめ、床の汚物を清拭し、あちこち消毒して回り、疲労困憊する内に夜が明けた。


ちなみにイタチの激臭は、空気清浄機や換気扇をフル回転させても消えず、数日経った今でも臭っている。




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