2021/8/26 夏の終わりとカラスの仔
どうなる事かと思うレベルの暑さと、もはや熱帯のスコールでしかないゲリラ豪雨の日々も、お盆を境に、夏の終わりを匂わせる空気を感じるようになってきている。
あと2ヶ月もすれば肌寒さを訴えるようになるワケで、毎度の事ながら季節の移ろいというものは、物凄い。
秋は、動物、とりわけ鳥たちにとって、食べ物の豊富な季節。
繁殖期である春程には縄張り争いも苛酷ではなく、若干ユルい。
だが、暮らし易くなるが故に、この時期、様々な動物の仔らが親と別れて独り立ちして行く。
カラス達も同じくである。
ほんの少し前まで、餌鳴きしながら甘える仔カラスがあちこちに見受けられたものだが、お盆明け辺りから様子が一変。
そこかしこで、不安げに嘴を半開きにした若いカラスが、ぼんやりと佇むようになってきている。
普段、あまりカラスを見かけないような、人間に近い位置で呆けていたりもする。
そういうカラスをよくよく観察すると、嘴の様子や羽根の貧相さで、仔カラスであることがよくわかる。
虫が増え、草木に実が生り、彼らと同じく親離れした不馴れな小動物が溢れる餌多き季節、カラスの親は仔を突き放す。
子供らは、独り立ちして自力で餌を漁り、これからおそらくは1年半ばかりの間に数多の縄張り争いを経て、生き延びることが出来たなら、自らもまた親となるのだ。
野生のカラスが、何やら、いとおしくて仕方がない昨今だが、はっきり言って、もうこれ以上のカラスはとてもじゃないが飼えないので、傷病案件に出会わないよう真剣に祈っていたりする。
昨年の今頃、ウチのカラスたちは結構貧相だった。
換羽に失敗したためだ。
今年は夏の対策に工夫を凝らした甲斐あって、クロちゃんにも未だ、ちゃんと尻尾がある。
ぴーちゃんの住環境は、イタチ被害と当鳥のイタズラに翻弄された結果、ポイント的にはかなり下落した。
とはいえ、春には2階建てに改装もしており、それなりの努力は認めて欲しい。
築百年の庭無し木造モルタル民家(ちなみに窓枠はサッシですらない)でカラス2羽を養育するのは、そもそもからして、わりかし無謀なのである。
さらに言えば、イタチの脅威が生じた以上、ほぼ安全と言えるお部屋はトイレとお風呂場しか存在しない。
ベランダに鳥小屋を作る算段もしているのだが、どうも、イタチを防ぎ切れる気がしない。
唯一、放し飼いに応用できそうな部屋は、ねーさんの部屋だ。
だが。
言える?
義姉に向かって「カラス飼うから部屋空けて」って?
てか、空けたとして、何処に移ってもらうのか……。
ウチに風呂場がもう1つあればなあ……。
いや、それもそれでどうかとは思うが。
日々悩みは尽きない。




