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2021/6/10  復活の日

今朝、微かな足音でめが覚めた。



……これは……


恐る恐る寝床を囲むカーテンの隙間から覗いてみると、キツネ色の尻尾が視界を過っていった。

まだいたのか、イタチ……。

もう、泣きたい。

そいつは猫の皿とねぐらを忙しなく往復。

おいおい、子育て中とか云わないよな?

チョウセンイタチは、番で子育てするしなあ。


とりあえず、駆け込みスポットには再び罠をセットしてある。

とは言え、仲間と同じ轍を踏むとは思えないけど。


そう思って二度寝をキメた30分後、おっさんの足音が聞こえたと同時に物凄いキーキー声がした。


「おい、またかかっとるぞ、イタチ」


なんとまあ、数日と空けずに再度の捕獲。

どうも、こいつらの知能はネズミと大差は無いようだ。


すぐに外れそうなかかり具合だったので、自作の罠用ケージ内に振り落として身柄を確保した。

とは言え粘着剤は結構しっかりくっついているし、本日は快晴だ。

放してやっても、どこかにくっついて最期を迎える可能性が高い。


なので、ケージ内に乾いた土を投入。

土まみれになったイタチは当然大激怒だが、これで、くっつき防止と粘着剤剥離には役にたつはずだ。


かなり広範囲に渡って民家のない緑地に解放してやったところ、草に絡まる事もなく、めっちゃ必死で逃げて行った。

まあ、虫でも食って生き延びていけるだろう。



やっと脱イタチ生活が訪れた我が家。



カラス達の危機も一段落だ。

ケージが厳重防備過ぎてロクに遊んでもやれなかったが、金網の再構築でもしてみるかな?

ちなみにイタチの可侵入域は、約3cm四方以上。

100均の組み合わせインテリアネットではアウトな感じだ。

まあ、またバーベキューネットをフル活用かな?



そんな感じでリラックスしていた半日後。

仕事からかえると、またしても妙な感じで砕けた猫のカリカリと、おとし切れなかった粘着剤の上に敷いてあったキッチンペーパーに残された小さな足跡……。



おいおい、3匹目かよ?


一体、何匹居るんだよ?

20年ここに住んでいて、ここまでイタチに入り込まれた事なんかなかった。

天井裏に気配はあっても、ネズミがいなくなったらイタチもすぐに居なくなっていたというのに。


普段は商店街の飲食店なんかのゴミ箱に器用に入り込んでいたりするのをよく見かけていたのだが……、そうか……、思い当たる店は軒並み長らく休業中だ。

ゴミ箱なんか、とっくの昔に空っぽだろう。

その辺のネズミも食い尽くし、民家屋内の食料を狙い始めたワケか……。



こんなところにコロナ禍の影響が!



意外なところに帰結してしまった。



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