2021/5/20 決戦、そして……
イタチ襲撃から二晩、ぴーちゃんはトイレの住人、いや、住鳥であった。
どこにも抜け穴は無いことを目視できる唯一の場所ではあったが、相手はイタチ。
安心はできない。
あのあと、午前の仕事を終えて直ぐにホームセンターに突撃し、金網を480センチと結束バンド300本を購入。
あと、100均のバーベキュー用焼網を数枚と。
結構なサイズまで100円なのがありがたい。
昔、父親とともにアヒルのぴーこちゃん(MY LOVE)の屋外鳥小屋を何度も作った経験が、数十年を経てまた活きる。
人生とは素晴らしきかな。
そういえば近隣で軒並み鶏や小動物がイタチに殲滅されて行く中、ぴーこちゃんの牙城は鉄壁だった。
今頃何だが、オヤジ、さすがだ。
元々のケージが無茶こいて2段重ねにしていたり、色々やりにくい状態ではあったが、平日の二連徹で何とか隙間のないケージへとリフォーム完了。
すっかりやさぐれて態度の悪くなったぴーちゃんを戻してやったが、外装の変わりっぷりは半端なく、それに伴い内装も若干変えざるを得ず、変化の嫌いなカラスのガラスなハートには堪えたようだ。
人間の姿が消えると大騒ぎする上に、イタチはしつこくまたしてもケージを狙い続けるし。
ケージの仕上がりは上々だが、イタチは金網を破る事がある。
というか、ぴーちゃんにも、破格パワーで破壊に興じる趣味があるので、保護対象自体もその点では敵なのだ。
結局、そのまま晩も眠れず三連徹。
だが、ケージの防御力は一応合格。
翌日は仕事がほぼオフだったので、ぴーちゃんに水浴びさせてやったりと世話を焼いて機嫌を取った。
ぴーちゃんも落ち着き、イタチはウロついているものの、やっと眠れる夜がやってきた。
めちゃくちゃ眠い。
超しんどい。
絶対寝る。
だが、カラスも慣れて落ち着いたが、イタチも慣れた。
もはや、人間を恐れる気配はゼロ。
平気でチョロチョロと、あちこちをウロつき始めた。
しかし、これ、よくぞ今まで襲撃されずに済んでいたよなあ。
あの時気付けて、本当にラッキーだった。
小さいはずのイタチが、ヘビのようにぴーちゃんに巻き付いていた光景は、衝撃的だった。
あまりにも慣れ過ぎたイタチは、襲えないカラスに見切りを付けたのか、行動範囲がどんどん広がって行く。
だがしかし。
ウチに居るのはカラス達だけではない
つい先ほど、ウトウトし始めていたワタクシは、カラスのものではない絶叫に、飛び起きる運びとなったのだった。
なんと、厚かましくなったイタチを、猫たちが敵認定したのである。
通り路で待ち伏せ、逃げたイタチを追い詰め、追い込み……
そして、ワタクシが見つけたのは、洗面所の窓の外、防虫ネットと窓ガラスの狭間で、標本よろしく丸見えとなったイタチの姿であった。
めっちゃ良いシャッターチャンスではあったが、ここは、目先の事実に集中だ。
慎重に窓をキッチリと閉め、室内への逆戻りを防止。
しばし見守る内に、イタチはキーキー騒いだ末に、ネットの一角に開けてあった電気コード用の穴を見つけて外へと出ていった。
……勝った……
どうせまた侵入してくるとは思うが、貴重な勝利だ。
とりあえずまたしても徹夜とならないように、眠ることにする午前5時であった。




