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2020/12/1  特別な日

師走、初日。


今年は思い出深いはずのイベントが軒並みポシャり、印象的な個別案件がほぼ皆無なまま1年を締め括ろうという感じ。

だが、年単位の大惨事は、ある意味一生モノの思い出とはなるだろう。



個人的に、12月1日は特別な日である。



かつて、そして今なお、人獣あやかしを問わずらおぴんにとっての永遠の最愛、アヒルのぴーこちゃん(♂)の命日なのである。



以前にも少し書いたが、らおぴんの鳥愛の原点となった鳥が、ぴーこちゃん(♂)だ。

父親が、大阪土産に買ってきてくれたのだが、おかげでかなり長い間、大阪はアヒルの名産地なのだと勘違いする経緯と相成った。

さらに言えば、「小鳥」を所望していたらおぴんにもたらされたソレは、平たいクチバシや仄温い水掻きともども、らおぴんの小鳥基準に著しい概念改革をもたらした。


幼少期から共にそだち、引っ越しを経験し、犬・猫の天寿全うすら数度見送ったぴーこちゃんは、らおぴんが成人となった年の師走初日、⚪⚪年前のこの日に旅立った。


折しも初雪。

前日まで元気に水浴びもし、たらふくドッグフードも食べて、いつも通りにおやすみの挨拶をした翌朝に、庭の鳥小屋の中で眠ったまま他界していた。


が、不思議と驚かなかった。

理由は未だに不明だが、目が覚めた時、何故からおぴんにはわかっていたのだ。


長年溺愛してきただけに、無意識に変調が見えていたのか。

はたまた、夜中に夢見心地で物音でも聞いたのか。


起きてすぐ、階段を降りながら「おかーさん、ぴーこちゃんが死んだかも」と言って驚かれたものである。



きょうは、そんな日。



永遠の愛なんて物があるとすれば、らおぴんにとっては、これがそうなのだろうと思う。



そんな日の朝、今年は、4匹の猫を腹に載せ、カラスの大合唱で目が覚めた。


すまねーな、オマエら。

おばちゃんは、ちっとばかり追悼中なもんでな。


言い訳をしつつ二度寝した、師走初日。




あと1ヶ月間の2020年に幸あれ。

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