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2020/11/30  猛禽の矜持

ぴーちゃんのクチバシは、凶器だ。


かつては噛まれればもれなく流血の惨事と相成っていた。



過去形ではあるが、今も凶器であることに変わりはない。

変わりはないはずだ。



だが先日、手の甲の柔らかいところを思い切り噛まれてしまい、これは久々にエラい事に……と思ったら、無傷であった。


噛まれ歴はダントツ長いらおぴんである、ヤツがマジ噛みであった事は保証して憚りはない。

なんせ、かなりしみじみじっくり噛まれたし。


これが指先とかなら、わりと角化して指紋が消えたりしているので説明がつく。

だが、今回は手の甲だ。

静脈が浮いたりしている、見るからに皮膚の弱そうな場所だ。

正直、静脈をやられたと思った。


だが、まさかの無傷。


直後は多少赤くはなっていたが、内出血すらなく跡形は消えた。




もしかするとレベルアップして、身体強化の秘術か何かのスキルを会得したんじゃないかとも思ったが。

普通に考えてみると、いくつか理由に思い当たる事がないでもない。


まず、ぴーちゃんは最近、ドッグフードを噛み砕く事にハマっている。

普段は丸飲み。

かなり大きい塊でも、わりと平気だ。

だが、どうやら噛み砕くとより味わえると気付いたらしく、好きなドッグフードを噛み潰すようになった。

当然、クチバシの縁や先端を使うので、程好く磨り減ったのかもしれない。


あとは……糞切りネットを齧って遊んでいるせいもあるかな。

他にも色々噛み砕いて壊してるし。


なんせ普段は、先端は鈎状に尖って曲がり、噛んだモノにブッすりと穴を空けるし。

クチバシの縁は、ちょっとした刃物レベルで、わりとスパっと圧し切られるくらい鋭い。


本来なららおぴんの手の甲には、軽くても深刻な穴を頂点とした鋭角の切傷ができていたはずで、どちらかと言えば、お肉ごと三角形に抉り取られて大出血コースが当たり前。


無傷は普通にあり得ない。



いや、無傷で良かったんだけど。




ただ、何だろう。

何となくぴーちゃんには、亜猛禽類であって欲しいような。


なんか、こう、「カラス」っつーと舐められてる観があるので。



カッコよく猛禽であってほしいが、お肉ごっそりカットも嫌だ。



その点、クロちゃんはプリチー。

ただし先日、入浴中に足の親指をつつかれたら血豆ができた。


噛む力はやや低いが、ツツキの破壊力を失念していると、たまにエラい目に遭う。



カラス相手に謎のジレンマを覚える、11月の最終日である。


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