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2020/5/2 お引っ越し

    挿絵(By みてみん)


本日、ぴーちゃんはお引っ越しをした。

GWを迎え、連休中のお世話ができなくなるのが「工場鳥」。


なおかつ、世間はアレだ。

コロナだ。


全世界的に色々と切羽詰まっている昨今だ。

夏のボーナス支給が絶望的となった零細企業的には、カラスの世話に休日手当てを支払っている場合ではないのだ。


さらに。

寄宿中のベトナム人さん達は、故郷への帰省もできないまま、ただでさえ疲弊している。


その上さらに夜中にカラスに起こされる長期休暇では、ちょっと気の毒すぎる。



というワケで、ぴーちゃんはついに我が家にやってきた。



協力的ではないウチのおっさんは、とりあえず置いとこう。

ここ1年半ばかり、生活費を賄っているのはワタクシなので、

「ねえアナタ、カラスもう1羽飼ってもい~い?」

などと媚びる筋合いは皆無である。


たが、おっさんの反対は、尤もではある。


この一年間、

自宅の風呂場にはクロちゃん、

バイト先にはぴーちゃんがいた。


双方、ものすごく手がかかる。


ほとんど猛禽類だが、猛禽類的落ち着きは皆無だ。

行動や所作は、鳩に近いちょこまかさだ。

知恵が回って、猛禽のパワーを帯びた爪と嘴を有し、全力でジャレついてくる落ち着きのない巨大な黒い鳩だと思って頂ければよろしい。


一年を経て嘴の内部もかなり真っ黒けになった今、以前より若干は落ち着いては来たが、ありふれていて、かつ賢く、人にも懐くこいつらが一般的な愛玩飼育対象化しておらず、たいてい悪人や魔女や魔物の肩に乗っかっているのは、飼ってみればわかる必然である。


正直、2羽は結構キツい。

まして2羽目がハシブトカラスとなると、さらにキツい。

ただでさえカラス同士の同居は難しい上、種別が違うので、風呂場に同居させるワケにはいかない。

というか、ハシブトが風呂場にいては、ワタシですら入浴は無理だ。

生き物としての危険性が段違いなのだ。

クロちゃんに指を噛まれても平気だが、ハシブトのぴーちゃんに噛まれれば最低でも血マメは確実。

慣れたワタシですら未だにしばしば流血する生き物がいる場所で裸になるなど、自らを生け贄に捧げるようなモノだ。


……まして、おっさんが「ハウス」させようなどとしたら……



されど、とにかく、ぴーちゃんはうちの子になった。



ワタクシは、何としてもコロナに感染するワケにはいかなくなった。

……誰にも世話できない生き物がいるんじゃ、病気になってる場合ではない。



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