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2019/12/22 暴虐の果てに

ぴーちゃんの暴虐ぶりは、過去、散々ここで愚痴ってきた通りだ。


目下、巣の中を掃除できる強者は、らおぴん1人。

しかも、手にいくばくかの穴を空けての離れ業。


もし今、求人で


「休憩室に小動物(小鳥)がいます。籠のお掃除やエサやりをお願いする事もあります。動物好きな方、歓迎」


とか書いてあれば、わりと有利に人が集まるかもしれないが、モノがカラスでは、集まりこそすれ留まってはいただけまい。



※ちなみに従業員は募集中だ。



そんなワケで、社長はついに決起した。

本当は日曜日の本日が作戦決行日であったが、土曜日の社長に翌日の二日酔い確実な飲み約束が入ったため、らおぴんが午後も勤務できる木曜日、12/19に繰り上がった。

社長は元大工なので、らおぴんの出る幕はない。

だが、確実にぴーちゃんをホールドできるのはらおぴんだけだ。

巣の制作には、「住鳥の移動」という避けられない作業が伴うため、掃除のおばちゃんが作戦のキーパーソンとなっちゃったりするのである。


今回のミッション、ポイントは一点。

「だれでも糞受けの新聞紙を交換てきるようにする」だ。


現状ですら、ぴーちゃんは何とかして新聞紙を引っ張り出して、あちこちに撒き散らかしてしまっている。

その成功率は、約3割。

翌朝出勤して「それ」だと、社長とらおぴんのテンション低下は著しい。

ウチの社長から異常な元気を取ったら、ただの社長だ。

テンション下げてる場合ではない。


そんなワケで、これ。


挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)



木枠にフン切り網をセットし、トレイはスライドできるようにした。

少し新聞紙との距離は近いが、少し調整した上でコレなので、まあ大丈夫だろう。

本当はもう一段上に置くつもりであったが、トレイのサイズで採寸してしまったのが失敗で、一回り大きく出来上がってしまった。

まあ、結果オーライ。

二人して午後の仕事をサボり、他の従業員さんの目を盗んで頑張った成果だ。

途中で社長を探しに来た営業さんの視線が、じっとりと刺さりはしたが。



リフォーム後の我が家に帰還したぴーちゃんは、しばらく変化に興奮して苛立っていたものの、らおぴんが工作の後片付けを終える頃には落ち着いて、風呂に入っていた。

水浴びできるのは、警戒心を解いた証拠だ。

そもそも足場以外はたいして変化していないはずだし。


挿絵(By みてみん)


     ↑

早速、隙を突いて新聞紙を引っ張り出そうと思案中。



翌・金曜日の朝は、平和であった。

社長の勝利だ。


土曜日のらおぴんは別のバイトへ行くため、エサやりは社長。

そして日曜日、ぴーちゃんはお留守番である。

連休であればらおぴんが鍵を預かってカラス出勤するのだが、平素の日曜日、1日くらいはお留守番してもらうことにしている。



らおぴん空白の二日間。



ぴーちゃんの知恵は如何程か?




ぴーちゃんと社長、


双方の知恵比べの、真の結果が問われる、プチ・ハルマゲトン。




勝敗は、明日、月曜日の朝に決する。



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