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2019/12/18 わかってらっしゃる……

ここ数日、らおぴんには、新しい穴が空いていない。


ふつう、それが当たり前なのではあるが、Wカラス生活下においては奇跡に近い事なのだ。


先日、2日連続で同じ場所に食いつかれた結果、暫く指が麻痺するレベルのダメージを受けたため、以来とにかく厳重にガードしていた。

あれこれ若干の手抜きにはなってしまったが、うっかりで3度目に遭っては、冗談抜きで後遺症が生じかねない。


いや、ほんと、肉に楔を打ち込むがごとき、悪鬼の所業。

その昔、切れない槍で執行された磔刑は、例えようのない残酷なものであったと言われる。


今なら、わかる。


鋭利ではない鈍器を肉に打ち込まれる痛さは……、ちょっともう勘弁してほしい。

まして、同じところに2度である。

2度目の瞬間、脳の血管の1つくらいは切れたんじゃなかろうか?



ぴーちゃん。


奴は、こちらがもっとも大ダメージを受けるポイントを理解しているに違いない。

ガードの僅かな隙を突いて繰り出してくる攻撃が、あまりにも的確すぎる。


作業ズボンが裏フリースの厚手に変わり、思った程のダメージを与えられないと見切るや、攻撃箇所を、ふくらはぎから足首に変えてきた


革手袋の指をひっばっていたかわいい時期は去り、手袋の切れ目の生身を狙う悪魔の所業。


そのため、ここしばらくは社長の超ロング防御グローブを使用していたのだが、これもまたしっかり見切られていた。



挿絵(By みてみん)



どうやってか、嘴の届かない位置にあったはずのグローブを巣に引っ張りこんで、ズタズタに。

しかも、表の革が手強いと見るや、内張りに集中攻撃。

右手側は、もはや内張りを全て剥がさねば手も入れられないところまで、破壊されてしまった。


色々観察&推測してみたが、おそらく、嘴が届かないと気付いてからは、天井ネットに張り付いて脚を目一杯出し、爪の先で引っかけて手繰り寄せたようである。



挿絵(By みてみん)



敗北感著しい本日。


それでも、喜ぶ様子を見たくて、おいしいおやつをあげてしまった、ぴーちゃんの下僕・らおぴんだ。






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