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チェリーエレクション  作者: 今できる犬
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来客者

「お電話ありがとうございます。ふれあい法律事務所でございます」


「あの、法律相談を無料だと知って…」


「弁護士との法律相談の予約ということですね。初めてのご利用ですか」


「はい…」


「どのような相談ですか」


「借金をなんとかしたいんです…」


「かしこまりました。では債務整理の枠で相談予約のご案内いたしますが、ご都合の良い日程は、教えていただけますか」


一太郎が勤めるふれあい法律事務所では、毎日のように借金を中心に法的トラブルに関する相談希望の電話がくる。事務員は一太郎含む5人体制で、一太郎は主に電話と来客対応をしているので、相談者や依頼人の最初のコンタクターとなっていた。


法律事務所の事務員として約2年ぐらい経つと、いかに世の中にトラブルを抱えている人々がいるかを実感するものである。中には法律問題ではないようなただ世間話がしたいだけの電話もあるのが現実だが。まぁ、その線引きをして弁護士につなぐのが、事務員の醍醐味であると感じるようになった気がしないでもない。


「ピンポーン」


チャイムがなる。一太郎が玄関に向かうと一人の女性が不安そうな様子で立っていた。


30代中盤ぐらいだろうか。長い黒髪で身長は150センチあるかというところだろう。


「こんにちは」


一太郎が、挨拶をすると女性は一瞬ビクついた表情をしたが、すぐに鋭い目つきで一太郎の目をじっと睨んだ。


「助けてください、娘が殺されたんです」


女性の甲高い声を聞いた途端、一太郎はさすが焦りの表情を隠せなかったがすぐに冷静を取り繕った。


「とにかく中にご案内しますので、少しお話を聴かせて下さい」


一太郎は女性を事務所の応接間にご案内した後、お茶を用意して担当弁護士を呼びに行った。


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