チェリーショータイム(スーパースターの力)
突然の知名度抜群のチェリーマン1世の登場に騒然とする中出川駅の現場。
「みんな、おっまたせました。スーパースターのチェリーマン1世です」
そのハスキーボイスに中出川駅が沸く。さすがはインフルエンサー。いやシモフルエンサーである。
「本日は、妄想ではなく、この希望区の皆さんに伝えたいことがあってここにきました。みんなもうわかっていると思うが、この日本はある特定の組織団体が好き放題に皆さんの税金を使いまっくているんだ。ずっと昔から当たり前のように使っていたけど、皆黙っていた。なぜか。それは自分達も恩恵を得ていたからだ。支援団体を調べれば明らかに癒着があるのにどうせ変わらないし、自分達には関係ないと諦めていたんだ。でも変えなきゃ駄目だんだ。俺はチェリーマン1世になった理由は知名度が欲しかったからだ。ある時、皆に伝えるためには自分が有名にならないといけないと気づいた。そして知名度を得た今こそ、俺は隣にいる都筑一太郎を自信をもってこの腐りきった日本のため、生活のために政治家をやってる人間や、市民や区民のためではなく、地域の祭りに参加してその写真をSNSにアップして「私、今こんなことやっています」で結局行政に丸投げするような政治家にはならないと言える。「なってから頑張ります」というような人間よりこの希望区でボランティア活動を仕事の合間にやっているような人間がふさわしいの明らかだ。でもなぜ選挙では勝てないと言われるか…それはただの既得権益が日本の至る所に存在していて組織的に支持しているからだ。こんなにSNSや革新的な時代になっているのにも関わらず、この政治の世界だけは変わらないのは一票の価値が選挙に行く組織のための一票になっているからだ。それはつまりは半分以上が選挙に行かないからだ。どんなスキャンダルがあろうと既得権益は知っている。必ず皆都合の悪いことは忘れるということ。日本人は保守だから変えることは難しいし、もしかしたら自分たちが恩恵を受けている事実も公に晒されるかもしれないということ。名前だけ貸して法人がお金を払い党員になるように従業員にお願いする会社もあること。もちろん、世界的な視点で見ればそんなことは取るに足らないことかもしれない。でもこれ以上好きなようにさせていいのか。ここから希望区から変えていきましょうよ。きっと都筑一太郎なら生活のためでもなく、自分のためでもなく、希望区のため、未来市のために命張って頑張ってくれますよ。だって一太郎はノースキャンダルですから…」
チェリーマン1世が一太郎を見ると
たぶん、さくらと思われる「チェリー」と印字されたハチマキを額に巻いて、「チェリー」と印字されたトレーナーを着ていかにもノースキャンダルである男が突然…
「ノースキャンダル。ノースキャンダル」と連呼し始めた。
それに呼応するかのようにチェリーマン1世も「ノースキャンダル」と手拍子し始め、
周囲にいたものも加わり、「ノースキャンダル。ノースキャンダル」の合唱になった。
散歩に来ていた犬達も呼応して「ワン。ワン。ワンワンワン」と吠え始めた。
それは5分ほどのことだったが、異様な光景であった。
チェリーマン1世は「皆ありがとう!どうか都筑一太郎を頼むぜ!」
と一太郎の肩を叩いてさくらと思われる男達と颯爽と去っていた。
茫然とする一太郎だが、目にはひっそりと涙が潤んでいた。
「チェリーマン1世。センキュー」と小さく呟いた。
そのチェリーマン1世の応援演説動画は瞬く間に、有名動画配信サイトのシモチューバーやsimotokに拡散された。
<次号>
ひとりぼっちの個人演説会