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0、プロローグ

基本的に作者の書きたい事+キャラ達がその世界でどう思い、どう行動するか。を中心に展開していきます。

誤字脱字、文法のおかしな点など多々あると思いますが、生暖かい目で見守っていただけると助かります。





「どうしましょう。詰んだかも知れません」





 私は思わずそんな言葉を口にする。

 そんな事を呟いた理由は、目の前に表示された仮想ウインドウに記された表記のせいでした。



 私の名前は竜栄院りゅうえいいん 涼香すずか

 とある事情により現実世界で塞ぎ込んでいた私は、お友達の勧めによりフルダイブ型VRMMORPG「コール・オブ・アーク・オンライン」、略称COAOと呼ばれるオンラインゲームを一緒に遊ぼうと誘われたのですが……。


 何の因果が重なったのか、私はそのCOAO内でキャラクタークリエイトを済ませたあと、すぐに死んでしまったようなのです。


 VR機器によって誘導催眠状態で眠っていたはずの私が、何故自分の死を悟る事ができたのか。

 もっと言えば、何故死んだはずの私が今もなお意識を有したまま存在し続けられるのか。

 その答えは、一通のメールによって解決されしました。



『やっほー、女神様だよーん。元気に死んでるー?

 すずかんは今色々とよくわかってない状態だと思うから、軽く説明するねー。


 ……えーっと、なんだっけ。

 そうそう、最近さー地球の近くの世界の魔物がさ、原因不明の大繁殖しちゃってね。

 それに困った現地の神友(しんゆう)が、ウチにヘルプ頼んできたのよねー。

 ま、神友(しんゆう)のお願いだったら聞いてあげるのが神情(しんじょう)ってものじゃない?

 だからさ、お願い聞くついでに流行の異世界転生に乗っかっちゃおうと思ったのよ!


 ただねー、一口に異世界転生って言っても、世界と世界の間を跳ばすにはそれなりの特別な適正が必要なのよね。

 だーけどこれがさー、もう死んじゃってる奴等から探しても中々見つかんないのよー。


 そ・こ・で・ね?

 すずかんにはちょーっとばかし悪い事しちゃったなーと思ったんだけど、タイミングよーく適正持ちでネトゲ始める直前だったすずかんに、白羽の矢が立っちゃったってわけ!

 ほら、異世界転生物のラノベって、VRゲームやってたら異世界に落っこちちゃった!ってテンプレあるじゃない?

 そういった意味でもすずかんはピッタリだったのよねー!


 あ、因みに転生は死なないと出来ないから、ちょちょいっと寝てるすずかんの魂抜き取って衰弱死させちゃいましたー、てへぺろ♡


 で、転生物のお約束「転生特典」もちゃーんと用意してあるから、貧弱っ娘のすずかんにも安心安全大勝利!

 特典の中身は、今始めてたネトゲで作ったキャラそのまんまの体と力が使えるよん。

 こんなすっごいチート能力あげちゃうだなんて、ワタシってば太っ腹ー!


 ……いや、別にワタシ太ってないからね。マジで。


 そんじゃ気を取り直して、長くなっちゃったし最後に要約!


 すずかん現実世界でぶっ殺しといたから、ネトゲの力使って転生先の異世界救っといてね!


 以上、説明終わり!

 そんじゃ、あとはよろしくねー。バイバーイ!



 みんな大好き地球担当の女神様より。』




 以上が、メールの内容です。

 私の疑問はある程度解決したのはいいのですが、内容がもう……凄かったです。


 それに私、さらりと魂抜き取られて殺されているのですが、これはどう反応すればいいのでしょう?

 本来なら勝手に異世界に転生させられて憤るべきなのでしょうけど、想像以上にフレンドリーな文章内容に毒気を抜かれてしまい、怒る気力まで一緒に抜けてしまいました。



 ……さて、これからどうしましょうか。

 異世界転生しました、転生先の世界を救ってください。と言われましても……。


 困っている人たちがいるのなら、私の力が及ぶ範囲での助力は惜しみません。

 ですが、それはあくまでも自分の身の安全が保障されている時に限ります。


 異世界という未知の領域で無償の善意を振り撒けるほど、私は平和呆けしていません。

 まずは最低限、自身の身を守る手段を確保する事を優先しましょう。


 そう思い立った私は、最初に自分自身の置かれている状態について、把握する事にしました。


 ……と言っても、転生による弊害なのでしょうか。さっきから視界がすりガラス越しのようにぼやけていてハッキリと見えません。

 自称地球担当の女神様から送られてきたメールは、COAO側の機能の一種。

 実際の視界がぼやけていても、メール自体は脳内変換によって擬似的に表示される仮想ウインドウによって問題なく読むことが出来ました。


 とりあえず視力が元に戻るのを待ち、回復したことを確認した後に周囲の様子を伺います。



 周囲は一面に広がる草原と、通行によって踏み固められただけの簡素な街道が一本。

 空は雲ひとつない快晴。遠くには雪化粧をした山脈が見えます。


 ここは北部の国なのでしょうか?

 息が白くなるほどではないですが、外気温は結構肌寒い感じです。

 

 うん、何と言うか、アルプスな少女が駆け回ってそうな雰囲気です。

 日本から出た事の無い私にとっては、これだけでも十分に現実離れしたファンタジーな雰囲気を感じます。



 では次に、自分の体も確認してみましょうか。


 実のところを言うと、私はVRゲームはおろか普通のテレビゲームさえ今まで遊んだ事がありませんでした。

 操作自体は説明書を読んでなんとなく把握はしていたのですけど、キャラ作成や職業決めなど、そういった開始直前の要素は全てランダム選択で決めました。

 なので自分自身が今、一体どんな姿をしているのかも分からないんですよね……。


 とにかく百聞は一見にしかず、ステータス画面で自分の全体像を把握して見ましょう。

 えっと、め、メニュー画面はどう開くのでしたっけ……?


 メニュー操作に苦戦すること数分。

 おぼつかない手つきで視界内に浮かぶ仮想ウインドウを指でタップし、ステータス画面を表示して自身のアバター全体像が映し出された窓を確認。


 すると、そこに表示された自身の姿は、現実世界の私とは全く違った物が映し出されていました。



「妖精……、ですか?」



 自分の転生後の姿を初めて見た私は、思わずそう呟いてしまいました。


 主な容姿自体は、生前の私そのままの赤目黒髪の長髪。

 顔も以前と同じなのですが、耳だけはまるでエルフのようにとても細長く尖ったものに変わっています。


 衣装も二の腕辺りまで肌が露出した、かなりの薄着ですね。

 まさに妖精さんっぽい衣装ではありますけど、こんな山頂に雪の残る北国っぽい場所で薄着でいれば、寒いのも当然ですよね……。

 


 そして何よりも特徴的なのは、上下左右にそろって背中に生えた、大きくも薄く透き通った綺麗な蝶の様な羽根です。


 パタパタと羽ばたかせる毎に舞う虹色に輝く光の粒のようなものは、鱗粉でしょうか?

 それが私の動作に合わせて光の軌跡となって空中を輝かせます。


 ……よく見てみたら私、宙に浮いてますね。

 体自体も20cmちょっとくらいまで縮まっていますし、もっと早くに気づくべきでした。 


 まさか自分の種族が妖精になっているだなんて思いもよりませんでした。

 ですけど、空を飛べるとゆうのはきっと何かに役立つときが来るかもしれませんし、これはこれでよしです。



 自分の体についてはここら辺でいいでしょう。

 あとはアバター欄の隣に表示されている私の能力値もしっかりと確認しましょうか。

 確か、この能力値とゆうのが高ければ高いほど戦闘などで優位に立てるのでしたよね。





名前:スズカ

性別:女性

年齢:12歳


固体:フェアリー

種族:妖精種


Lv:1

職業:召喚術士


HP:05/05

MP:05/05


筋力:01

頑強:01

体力:01

知力:01

精神:01

器用:01

抵抗:01

幸運:01


エクストラスキル

《飛翔》《人化》


パッシブスキル

《運命式召喚術:Lv.1》


アクティブスキル

《召喚》《送還》


称号

《運命に身を委ねる者》《疫病神に殺された少女》








 ……あれ?


 これって、もしかして?


 もしかしなくても、能力値が最……低?



「どうしましょう。詰んだかも知れません」



 私の新しい人生は、割と早めに終わってしまいそうです。







日常系です。

どこぞの過激な女神様がブッコロ発言してますが、ほのぼのなのです(


基本的にストックがほぼ皆無なため、更新が滞っていたら忙しいor今ちまちま書いてるんだな、と思って察してくださいorz


※2019年1月25日、誤字・脱字・加筆修正

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