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将来!?
次に目が覚めたとき、俺はまた宇宙を放浪していた。
水素に転生してからあれほどキツかったことはないだろう。
しかし、あのような状況でも原子は壊れない。
となると、原子にとっての死とは何かという疑問が生じる。
真っ先に思い付くのは崩壊だ。
元素が元素でなくなる場合は、プラズマになること。
原子核が陽子1個だけなのは果たして生きていると言えるのだろうか。
もう一つ思い浮かぶのが、ブラックホールの存在だ。
ブラックホールはその強力な重力によってあらゆる物質を押し潰してしまう。
もしブラックホールに落ちてしまったら、俺は無限大に小さく潰される。
しかもその場所は、既存の物理法則が破綻する完全に未知の世界である。
そんなことを思いながら、俺は原始惑星に引き寄せられていく。
『って何度目だよ!?』