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直政と直虎

「お江与の方、千姫からの御守りじゃ」

懐妊をしたと知らせを受け千姫の行列に入り大阪へ、そこできらびやかの婚姻を行い報告と共に安産の御守りを頼まれ江戸へと戻る。

「千姫が、優しい子じゃな、伯父上今度こそ跡継ぎを」

そう言われ頷き、

「わしの枕元に市ねえ様が出てきて元気な孫を頼むと、男の子じゃな」

そう言われお江与の方は喜びお腹をさすり、

「これで徳川も安泰と言うもの」

そう言って目に涙をため頷いていた。


「中根殿他にありますかな」

翌日に正信や関東総奉行や幕閣が集まり色々な決め後等を決めておりそこに名前を連ねているので顔を出すが眠い、

「そうだな、旅が分かりやすいように一里毎に塚を土をもって木を植えてはいかがかな」

そう言うと青山が頷きさらに、

「500石以上の船は大名に所持させず。貿易は幕府が一括で行う」

鎖国の始まりであり、自分的にはと思うが幕末を考えるとと言うことで提案をする。

「勘合貿易も行っておれば確かにその方が監視もしやすくなりますな」

それだけ言うと私は目を閉じまた船をこぎ始めた。


「そうじゃ」

師走に入った頃に思いだしあわてて親しいものに知らせると義兄が顔を出す。

「お忙しいところ」

「なになに、手紙をもらったからな、まこどのも元気で何より」

忠勝(本多)が仮住まいに顔を出し京に上がろうと準備しているところにで、

「近いうちに地震が起きると」

何時もの夢にございますがあまりにも、

「わかった九十九里の民等に注意を呼び掛けよう」

「ゆれた後の大波が危ないと」

そんな話をしていると利勝(土井)も顔を出してくる。

「兄上二人ともお揃いで、地震の件ですが」

「大騒ぎしてはだが内々に起きた場合の準備をせよ、お江与の方も大切な時期」

「わかりましたが、これは兄上をよく知らぬものにはですから難しいですね」

そう言うと3人で頷きしばらく話をして帰っていった。


京に戻り師走中頃に小さな地震がありそれが津波の地震であると自分でも思わず、

「まこ、しもうた津波の地震か」

「そのようですね地震に勝手に思い込みですね、だんなさん」

利勝からは警戒をしていたが、逆に水が引き干潟になったのに珍しく人々が出てきて波にさらわれたと手紙が来て余計なことをしたかなと悩んだ。


そして秀頼を右大臣にそして満を持して秀忠が征夷大将軍となるやめに上洛をする。

「淀が騒いでおるか」

当然であり、徳川の世が続くと宣言したので豊臣の家臣であるはずの徳川が征夷大将軍をとそれでヒステリーになってしまい私を呼んでいる。

これで何人目の使者か、来る度に老体なので病で治り次第と伝えている。

「女のヒステリーはかなわん」

「あら、私もそうですか」

まこに言われ笑いながら、

「いけばわかる。理も法もなく感情で叫ぶのはこの年ならば余計かなわん」

局たちと毎日井戸端会議を開いてる状況に男どもの声は届かず、聞くと言えば耳障りの良い言葉だけであり、

「身内の気軽さで呼びすぎじゃな、まあしばらくしたらか」

そんなことを言いながら淀川を下って大坂城に入った。


「淀殿も元気そうで秀頼様にも顔色もよく右大臣おめでとうございます」

どうでも良いが挨拶はと思いながら言うと早速捲し立てられる。

「徳川は何様じゃ秀頼を差し置いて征夷大将軍を」

そう言って周りの局にも話をふり騒がしいので静かに目を閉じて寝ようかなと思っていると、

「じい大丈夫か」

秀頼から言われて周りは静になり目を開けて、

「雀が少々うるさく朝のうたた寝と思うておったところです」

「信照」

淀殿は雀と言われてヒステリーに言うのを秀頼が止める。

「母上、じいとゆっくり話をしたい」

そう言うと珍しく意見を言った秀頼に驚きお局達と出ていった。

私は話そうとする秀頼に手をあげ立ち上がると後ろの廊下の襖を開け盗み聞きしている近習に鉄扇でおでこを思いきり叩き、

「しつけのなってない猫よの、大野かまあ良いわ」

そう言って戻り、

「猫が騒がしく追い払いました。失礼しました秀頼様」

「そうか、ところで秀忠殿が征夷大将軍となって母上は騒いでいるが一方的な考えで良くわからぬところがある」

誰ににたのかそういう冷静なところはと思いながら、

「秀頼様は豊臣家をどう思っておられますかな」

未だ幼いが聞く機会は早々無いと思い聞いてみる。

「父上である太閤の後をついで日の本を治め民に戦いの無い世にし続ける事が大事だと思っておる」

立派な考えをお持ちだと思いながら、

「それでは実際に豊臣家は行っているでしょうか」

そう聞くと何がと言う顔をするので、

「実際に秀頼様がこの場におられ何かなされていますか」

幼いのにこくと言うがそういう家に産まれた責任であり有無を言わさず敗れれば赤子でも殺される戦国の世についてあえて聞く、

「大野などがあよくこの件はお任せくださいと言っている」

それは当然であり秀頼も普通と思っている。

「何も知らずに任せることは結果を受け入れよと言うことです。その結果が徳川が幕府を代々受け継ぐことになっておると言うだけです」

「豊臣家として民になにもしてやっておらぬと言うのか、じい」

そう言って驚き私は頷き、

「なにもしない家に民の支持は集まりませぬ」

「それでは今からでも遅くはないな」

私は少し考え、

「母上殿が承知しますかな、大野等がさせてくれますか、させぬでしょう秀頼様を守るためにと彼らは思うて」

「そうだな、私がしたいことを許してはくれぬ千姫との事にも」

「何度かお伝えしていますが豊臣家を残したいのならば大坂から出ることを考えても良いでしょう」

そう言うと母上はここを動くなんてと言っているのを思いだしたらしく、

「わかった。母上の好きなようにさせる。それで豊臣家が消え去るときに笑いながら母上を見送る」

こんな決断を思いをさせている淀殿に殺意を覚えながらも決断した秀頼に深々と頭を下げ下がった。


「治長が会いたいと」

大坂から京に戻ろうとして大手門の前で呼び止められる。

「それならあそこのお堀のたもとで待つ」

そう言って来ないならと思いながらしばらく待つと大野治長がやって来た。

「盗み聞き出来ずに焦っておるのか」

鉄扇で気絶するほどに叩いたのを言うと、

「いえ、私はそのような」

そう言いながら家臣が折り畳みの椅子を置くと私も座る。

「端的に徳川は豊臣をどうされるおつもりですか」

そう聞かれ、

「未だどうするはあるまい、豊臣家次第と言うことだな」

「それでは豊臣恩顧の大名が黙っておりますまい」

党首を息子に譲りすでに表だって徳川に反旗をひるがえすものは少なくなっていると言うのをこの男は未だかと思いながら、

「そう思うならそうされればよろしい、今なら覆せるかもしれぬぞ」

私はそう言うがこの男にはそんな力は持っていない、力と言っても精神力であり三成が賞賛されるのは家康相手にあそこまで持ち込めた精神力であり、天下を動かすものに生半可な精神では出来ず私もそんな気力もないので織田の権力争いからおりたのだが、

「いえ、そんなつもりはありませぬがもしもの時には大坂に集まってくれると言うことです」

「それならば清正(加藤)の娘が家康殿の息子(信照の直系の孫)に嫁ぐとかはあるまい、もしどちらかにつくと言うならば」

そう言うと驚きまさかと言いながら、

「なれば中根様は豊臣家を潰したいということでしょうか」

率直に言われたので、

「秀吉には世話になったからな、血が続くならば手助けをしよう」

そう言いながら立ち上がり待たせていた船に乗りながら、

「そう言えば九州からの戻った後に奥の女房達を秀吉が処罰したが、あの理由は本当かな」

そう言うと呆然とした治長を残して京へと帰った。



「それで良いか、寝ているのか」

退屈なものだと思いながら家康と秀忠の前で、

「いまさら、ここまで生き残ってきたのです罪首よりは流刑でも良いと」

島津が上洛したときにかくまっていた宇喜多秀家を引き渡しており最終的にどうすると言うことの確認が行われ、秀家嫌いの私が何がなんでもと言ってくると思ったが拍子抜けしたらしく正信が聞いてきたので答える。

「それでは大御所、秀家は八丈に流刑といたします」

そう決まって私はあくびをすると厠にと言い苦笑させながら下がる。


久しぶりに江戸にと言う途中で直政の領地である彦根の城が完成し呼ばれたので顔を出した。

「中根様、直政様もお喜びになっておられるでしょう」

直政の家老に言われて頷きながらもあの時を思い出す。


関ヶ原が終わり2年、もうそろそろよかろうと直政を京の家に呼び出し二俣から二人を呼ぶ、

「直政の幼き頃を思い出します。頑固で甘えん坊なところが」

直虎とのちに井伊を継ぐ直孝であり直政の体調も悪いと言うことで労いをかねて招待した。

「じい、来たぞ」

大きな声で呼ばれて笑いながら玄関に出迎える。

「直政ようきたな、体調を崩していると聞いて栄養のあるものをと呼んだまでよ」

正室の花も呼んでおり家臣は外で待たせて中へと通した。


「直継も元気にしているようだな」

直政の嫡男であり継ぐはずだが意思弱く継いだ後に赤備えと呼ばれる家臣を統制できるか多いに疑問であり家康とも話をしている。

「はい、本人は頑張っているつもりですが我らは赤備えであり何かあれば先鋒として外敵と戦わなければならぬので」

それは当主である直政も感じているようだが、

「何を言います。直継は今も頑張っているではありませぬか、それを認めになってもよろしいのでは殿」

花は鼻っ柱が昔から強く私が直孝を引き取らざる終えない状況にした人物である。

「そう言うな、もし井伊に値する当主でなければ徳川の四天王と言われても取り潰されると言うことがわからぬのか」

ここまで来て夫婦喧嘩かと思いながら、

「お花殿、この際申し上げます。直政殿亡くなった後にお家騒動が起きれば井伊家お取り潰しになることになります」

そう言って驚きながらももう少しすればと言い訳をするので、

「私にとっても井伊家を潰すことあってはならぬとはいえ大御所様も考えておられる」

そう言うと驚き父上にと言うのを、

「大御所様に意見を言うか」

そう言って黙らせ直政を見て、

「それでもしものためにわしが独断で行ったのじゃ、怒るならわしおな」

「じいには昔からさんざん世話になっています。今更ですよ」

そう言ってくれ二人を呼んだ。


「直政殿、そくさいか」

直虎が尼姿で現れ直孝と前に座るとわかっていたのだろうが直政は嬉し涙をこらえながら、

「生きておられたか、どんなに会いたかったか」

「良い大人が泣くもんではない、息子の前なのだ余計にな」

そう言われ幼き頃の直政のような直孝を見て、

「あのときの子か」

「わしが頼まれたのでな、養育は直虎殿に任せたのだ」

そう言うと何度も礼を言われ、

「そうですか、その方があのときの赤子か」

花は苦々しいかおで私を見ているので、

「何かあれば井伊と実家の松平を潰すからな」

そう言って静かにさせると親子3代の対面を終え色々な料理でおもてなしをして過ごし、翌年直政は42才と言う若さで亡くなった。

その後は度々井伊の重臣達を統率できない直継に力を貸したりしたが本人があれではと思いながらも彦根城の完成を祝った。


「忠輝か」

江戸に到着して秀忠に呼ばれ弟の忠輝と伊達政宗の娘との結婚の事で、

「全く弟とはいえ訳がわからぬぞ信照」

「確かに、話は聞いておりますが」

その名を思いだし苦笑しながら、

「自らが野心を持たぬようで地位も関係なく驚かされます」

「それがわからん、徳川に生を受け手ぞ」

秀忠にとっても一生かかっても理解できない弟は恐怖の対象に変わるのは普通であり私に聞いてくるのもわかる。

「しばらくはほっておかれれば、何かあれば老中等が知らせてきましょ」

そう言うと納得しない顔でようやく落ち着き私は道灌の館に入った。


「阿国さんをようやく江戸で見れますね」

まこが言うのを思いだす。

いつ頃かわからぬがある時小太郎が珍しく一座を見に行きませんかと誘われ行った先で男役の阿国と女形のその夫の舞台を見て酒を吹き出す。

「そうです吉原のお話です。誰とは言いませんが歌舞伎者の」

色っぽいと思ったが自分を含め慶次郎やまこの絡んだ話であり小太郎が、

「良ければ京で見せたいのですが」

そう言われ笑いながら、

「駄目も何もあるまい、好きなようにしろ慶次郎のところあんなに歌舞いてないぞ」

そう言って歌舞伎の始まりであり京では御所でもお願いをお上(天皇)の女房からお願いされ開催したぐらいの人気であり、今回江戸でと言うことなのだが、

「これが最後と言うことだ、なあ小太郎」

何故かではなく江戸に吉原を開くのだがそのからみで色々あって最後にと江戸で花を咲かせると言うことだった。


改修工事中の江戸城に上がり秀忠と老中達の話を聞いており、

「じい、何かあるか」

秀忠に言われ、

「鉄砲ですが、もうそろそろ幕府の管理に置いてもよろしいかと、大名の様子もわかります」

織田に生を受けて堺で真っ先に鉄砲を手に入れ一番恩恵を受けてきた私だが、もうそろそろ戦国の世も終焉と言うのに鉄砲を無造作に生産できることを指摘する。

「確かに言われる通りじゃ、利勝任せる」

弟は秀忠から言われ評定が終わると久しぶりに話をする。

「兄上、まだまだ元気そうで何よりです」

「利勝がいればだ、好き勝手させてもらっているからな」

「それと阿国の件は吉原の件と共に」

「ありがたい、しかし江戸の町が大きくなればもう少し郊外にだろう、そのことも考えておいてくれ」

そんなことを言いながら兄弟で久しぶりに話をしていると秀忠の嫡男である竹千代の乳母の後年春日局と呼ばれた福が面会を求めてきた。


春日局は美濃の頃から父のことは知ってはいたが福とは初めてである。

「お初にお目にかかります。斎藤福にございます」

「中根信照だ、父とは知り合いだが何ようかな」

そう言うと顔をあげ、

「大御所様からも何かあれば頼るようにと申されまして」

こへいらしいと思いながら、

「何かあれば言ってくれ、生母も気難しいのでな誰に似たのか、竹千代は少し神経質だと思う、太陽の下で体を元気にすることも大切だ」

「ご配慮ありがたき幸せにございます」

そう言って下がっていき利勝が、

「弟ぎみが生まれて直接育てられていることで色々問題が出てくるでしょう」

「そうだな、わがまま一杯で兄弟で争うなど兄上と信行で十分だ」

信長と寵愛を受けた信行の事を思いだし歴史は繰り返すかと思いながら阿国の舞台を見て笑って過ごしたりとすごし、こへいである家康が少しでも二俣に近い駿府でとゆいに押しきられ移り住んだりした。

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