表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/86

若殿

「おう甲斐か元気で何より」

大阪に入り奥へと顔を出す。

この頃はまだ表と裏は明確に別れておらず淀と秀頼に会うために顔を出す。

「商家のじい様お元気そうで、甲斐は元気にしております」

歴史上では表舞台から消えてしまっておりまこも私も気にしているので顔を見についでにと言うことなのだが、

「そうかそうか、長親は甲斐に会いたいともうしておるがわし以上に引きこもっておるでな」

そう言うと大笑いをして奥へとはいる。

「淀殿は秀頼さまと共に元気かな」

「健やかに育っております」

「種が違うからな、まあ人には何かしらの欠点と言うべきものがあるがサルは悔やみ切れにと言うことだ」

「じい様それは言いすぎです。性格の悪さが出ております」

甲斐は怒り私はあわてて謝りながらどうやら秀吉の子でないのは知っているらしいそれでもと言うことなのだが、

「大坂から出る気はないのか、長親の元でもまこと暮らすでも良いのだがな」

「太閤殿下にお願いをされました。最後まで見届けます」

そう言う真っ直ぐなところが好きで頷くと、

「叔父上様、毛利も退去し三成は切られたと」

「それが戦じゃな、敗軍之将は全て勝者の思うがまま、戦いを開く責任をかんじていただきたい」

そう言いながら奥座敷にはいると淀と横に育ちが良いふくよかな秀頼が座っており、

「よが豊臣秀頼である。爺にも元気でいてもり立ててくれ」

「はい、ありがたきお言葉」

そう言うと世間話を少ししたのち二人は下がり甲斐と二人になる。

「爺、この先どうなるのだろうか」

一度家が戦に破れているのを経験しているのでこの状況に不安を隠さず聞いてくる。

「ゆるりとなるようにしかならぬ、逆らえば飲み込まれる北条のように」

「秀頼様は」

「大和にでも移ればじゃが御堂様が許さぬ」

そう言うと厳しい顔で私を見る。

「最後の最後で生きることを諦めぬなら爺もひと仕事しますぞ」

そう言うと頷きおみあげの黒砂糖のお菓子を渡すと西の丸に戻った。


「30万石それで良いな」

「取り潰しをするのが戦いの原因をつくった者の責任と何度も言っております」

上杉家に好意を寄せる諸大名や徳川の家臣からも寛大なと言われているが私が頑固に首をふらず関ヶ原の功労者の意見を無視できずに榊原も含めて苦慮している。

正信は上杉の件について私がおれぬとわかっているのでこへいである家康から言って貰い私は不満であるがこへいには返しきれない恩があるが譲れないと思っている結果はわかってはいるが、

何とかおさめたく私に破格の40万石で浜松にと打診を受けたが、

「いらぬとはいえ忠勝殿の後を継ぐ息子にそこそこの配慮を」

使いきれぬほどの貿易の利益をあげており今更土地持ちは面倒と思う。

「それと配下で希望するものがあれば他の大名に」

「もういくさは起きぬというか」

「起こさせませぬそのための正信と考えた配置がえ、あるとしてもここを落とすぐらいかと」

そう言うと皆驚き私を見るので、

「今は未だ恩顧の武将もおりますから世代が変わればと言うことです」

直ぐに幕引きも出来なくはないが秀忠の暴走を押さえるためにと言う言えぬ事情もありゆっくりと政権移譲を徳川で行うと言うことを話した。

「木下勝俊についてだが持ち場を離れてと言うこと改易」

鳥居元忠と共に伏見の守将よして守っていたが勝手に退去したと言うことで皆納得する。

「京極高次については」

正信が言うのを私が、

「それについては命を捨てるまでもなく兵の移動を遅らせよと私が申してそれを守りました。なれば」

そう言うと家康は頷き、

「謹慎を解き加増とする」

私は丁寧に頭を下げた。


「小早川秀秋は旧宇喜多領で加増と」

「宇喜多は未だに」

当主である宇喜多秀家は逃亡しており西に逃げたのはわかっており小太郎を使いゆっくりと包囲の手を伸ばしていた。

「赤座と小川は」

これについては関ヶ原直前に寝返りを家康に申し出たと言うことだが、

「赤座は記録が残っておらぬ」

家康がなくなっていたので口約束ではと改易、

「小川については六角、光秀、勝家と見る目がないのもですが領民を虐げており資質なしと改易でよろしいかと」

日頃の行いで助けるものもおらず書状はあったが黙殺された。

「織田秀信はいかがしますか」

織田の嫡男の筋であり私に聞いてくるので、

「本人に伝えてこの結果、配慮は必要なしと」

賞罰は勝者にどのくらいの繋がりと影響力、友好的な将からのとりなしでよほどでない限りは変わると言うのを思い知らされながら聞いていた。

兄上も笑っておられるかなと思いながらも次々と決められ最後に正信が、

「九鬼の事間に合わなかった」

契りを結んだ義兄弟であり正信が配慮して使者を出したが嘉隆はすでに自害しており幼き頃の思い出を少しだけ考え礼を伝えた。

「皆の者、これからは天下太平に向け戦いのなきものとする。頼むぞ」

こへいらしい言い方に笑顔で同意した。


「島津についてはかわらぬか」

部屋をうつして正信が言う、九州では未だに戦いは続いており柳川では立花宗茂がこもっており失敗を挽回しようとする鍋島と加藤が動いており黒田官兵衛こと如水が浪人を集めて暴れまわっている。

「潰すには戦が必要と」

「しかしなにもせぬとはいかぬ」

二人だと私も黙るのであえて正信も言う、

「西軍にくみしたのはそうせざるおえなかった、関ヶ原では戦いに関与せず引くために戦ったと」

「好き嫌いでするものではない」

感情ははいして静かに言われれば他の者なら顔をひきつらせるが私は気にせず笑顔で、

「あれは見事、直政も忠勝等の武将は支持しているからな戦いにならぬ限り任せる」

そう言われれば正信もと言うわけで終わった。


しばらくして伊達が上京してくる。

東軍として戦ったが裏でいつもの如く裏でさんざんしてきて御墨付きの百万石を貰う為に家康の前に神妙な顔で平伏した。

「政宗殿ようこられた、北では上杉を押さえたと言うこと感謝するぞ」

家康が機嫌良く対応しておりいくつかの話をして御墨付きの話となる。

「政宗殿、御墨付きの百万石についていくつか聞きたい」

私が進み出ると涼しい顔だが眼光は鋭くなる。

先ずは福島城を攻略して失敗2万石程しか切り取れず上杉の本庄の名をあげさせて結果失敗しており、

「そしてここからが本題、南部領内で発生した和賀忠親による一揆を煽動しなおかつ四千あまりを送ったと」

相変わらず心と顔は別で平然と、

「何の噂か和賀の訴えでしょうか」

証拠や話についても至極の言い方でかわしたので、

「和賀は自害したが白石は援軍に来たにしてはと聞いておるし、まあいずれにしろ切り取れなかったこともあるから無しでよろしいでしょうか上様」

家康がいくつか質問したが灰色から黒に近いもので反乱の件と御墨付きを相殺して話は終わった。

「爺は相変わらず、いい加減引退したらどうだ」

政宗から言われて近くで聞いていた他の者は顔を青くする。

「したいのだがな、代わりがおらぬのよ政宗殿が代わってくれればいいが真っ直ぐすぎるのがな、何れはと言うことさ」

そう言いながら政宗と大笑いしてさがった。


数日のち誰とは言わないが秀忠が島津征伐を計画していると聞いて家康と正信と話し合ったあと、

「西へ行く」

それだけ言うと朱印状を持ち船に乗り昼夜をまこと急ぐ、

「間に合うとわかっていますがドキドキします」

まこの言葉に頷きながら瀬戸内海を抜けて九州に上陸すると柳川城へと向かう、

「ひどいかっせんでした」

農民から言われ宗茂が家康に配慮して城から出ずに家臣で鍋島勢とぶつかったと、鍋島直茂は結果的に息子が西軍に与したと言うことでそれを挽回するため背水の陣で戦い単騎で突撃してくる立花勢を包囲して討ち取ったと言うことと柳川城を攻めずに降伏を促し吸収すると官兵衛率いる黒田勢と島津攻略に向かったと聞きあわてて後をおった。


「いや、参った素早いことなかなかどうして」

水俣でようやく追い付き軍を引くようにと伝えて皆を呼ぶ、

「名を馳せましたが時勢が悪かったと言うことですな宗茂殿」

家康からの朱印状を持って来た私に平伏する。

「すまぬが家は潰す事になる。そこでだ京に来ぬか闇千代殿と共に」

いきなり言われて戸惑う宗茂とちがい闇千代は、

「私は離れる気はありませぬ」

何時ものようにはっきりと言い私は頷き、

「わしから捨扶持を暮らしに困らぬようにしよう、宗茂殿も家臣の仕える先を見つけられたら上がってくれば良い、ジジイは先を急いでしまって困る」

まこからお尻をつねられ謝りながら城の明け渡しなどを含め話して次に直茂と話す。


「殿もわかっておる。兵糧を細やかな気遣い息子は運がなかったと言うことも」

「希望しなかったとはいえ結果敵対してしまった不祥の息子に代わり謝罪いたします」

直茂は厳しい顔で頭を下げる。

「徳川に協力して平和の世の手助けを頼むぞ鍋島殿」

鍋島は元々龍造寺の家臣であり秀吉の頃に不甲斐ない当主よりも直茂を買っており当主と変わったが、まだまだ磐石とは言えず今回の件でもと言うことでできる配慮はしており好感を持てるのは大阪で話し合っており正式な使者でと言うことで如水と話す。


「さすがは官兵衛、あの頃と変わらぬな烏合の衆を率いてここまでとは獅子の率いた羊の軍よ」

懐かしさに思わず声をあげると、

「しかしせがれももう少し戦いを伸ばせば切り取れたものを不祥の息子ですな」

私は頷き顔を会わせると高らかにわらい感謝の礼を言う、

「そうだな後1ヶ月あれば毛利の領地に上陸して切り取りし放題だったな」

「確かに」

「そうすれば天下を望むことも見えてくるはずだったがな」

そう言うと笑い清正を見た。


「清正よ伊集院の件もようやく帳消しと言うことだがな」

「ありがたき幸せ、徳川殿の配慮誠に痛み入ります」

収めようとした反乱を助長した件で家康は激怒して謹慎を命じているが亡くなったのでそう伝えた。

「島津はしばらく臨戦態勢で対外的な行動でいよう、任せる」

「確かに島津義弘は戻ったと言うことですが、いつもの如く頑なに外と拒否しましょう」

「薩摩に入るつもりだがな前とかわらんだろうな」

九州征伐のときも命を狙われるほどの排他的であり今回も狙われるかと思いながら出発をした。


「忠元、久しいのう」

「忠実殿こんな時に無茶をしなさる」

大口城にいる新納忠元に面会を求め島津討伐の軍勢がおり臨戦態勢で守についていた。

「まあ豊久殿に頼まれましたからな、見事な敵中突破を見せていただきましたそのお礼です」

「相変わらずなお方だな、それで徳川は」

「もうしばらくほとぼりを、サルのときと同じ」

そう言うと笑いながら頷き義弘の元へ連れていってくれた。

「相変わらず殺気だって守っているな」

今にも斬りかかりそうな護衛に忠元は静かに進み出て面会を求めると返答があり通してもらえる。

「あのときは感謝する」

「無事の帰国何より、豊久殿の約束をはたせて安堵している」

お互い顔をあわせて頷く、

「結論から言うが国から出ることならん、そうすれば時が解決する」

「中央から遠い事を利用せよと言うことか、、しかし兄上はそうもいかぬ」

「義弘殿が勝手にと、わからなくもないが島津の中で殺し会うか」

調べると義久と義弘とその息子忠恒で権力争いと言うか家臣同士で斬り合いになっていることもありこの状態で和平もなにもない、

「さすがは知っておられる。下の者が収まりつかぬと言うこと、わかりましたしばらく兄弟でこもりましょう」

義弘と別れて南下し内城に元忠の案内で向かう、

「桜島の噴火は相変わらずか」

実際に歩くと貧しい土地に元忠も頷く、

「それと忠恒殿は執念深いな、伊集院の倅を狙っておるし今までの島津とは違うようだな」

「元々当主として教育を受けていたわけではなく、それに最近は何処も似たようなものですかな」

武一辺倒から文に移り行く時期ともいえ鍋島直茂は未だに用心で寝床に刀をと言うことがありその息子はそんな父を疎ましく思っているらしい、

「豊臣が滅びれば大きな戦いも早々起きぬさ」

簡単に言う私に元忠は笑いながら内城に入った。


「徳川殿に大意はござらん、弟が勝手に兵を進めただけ」

義久と会うとそう言いきり上洛するつもりも無いと言う、

「しかし関ヶ原で見事としか言い良いのない敵中突破をはかり赤備えの井伊を負傷させた事実はある」

「我らは動いておらぬと申しておろう」

同席していた忠恒が同じように言い義久がたしなめるが止まらない、

「だいたい大老である徳川が同じ大老を征伐したのには筋が通らん」

「豊臣家には了承を得ており負ければ勝者の思うがまま、今そこで止めている兵を差し向けても」

「島津は今回兵を出しておらん精鋭で受けてたつ」

「それでは前回のように数十万でいくつもの道から海路から、そして後顧之憂無く五条河原で三成と首を並べますかな」

「そのような脅しに島津が言うこと聞くと思うか」

忠恒は激昂しており話は明日へと持ち越された。


「小太郎、首もとに菊の鉢植えを、そう持ってきてもらったのをあの小僧へのだ」

「相変わらずいたずらですな」

小太郎は笑いまこも頷いて笑う、

「それでは直ぐに戻ってきます」

そう言うと同じ城内だが警戒を軽く潜り抜け涼しい顔で戻ってきた小太郎に感謝の酒をついで翌日を迎えた。

「知らぬですまされぬであろう」

忠恒の声に城内は緊張が走り慌ただしい、

「何かあったのかな」

庭に出て持って来た菊を愛でながら走り回る島津の家臣に声をかけるとそれどころではないと慌てており、

「気がついてくれませぬね」

まこが思惑が外れた私に笑いながら、

「島津の侍様は豊久殿の様に気持ちいいお方かと期待してきたのだが肝の小さいごじんばかり、菊も華やかさに悲しみがあります」

まこが言うと菊に反応した家臣が慌てて知らせに行き小太郎は私に小さな馬上筒を渡して炮烙玉をまこと持って背中を向けて見えぬようにする。


「貴様か寝床に忍び込んだのは」

声を荒らげこちらへ来る忠恒をチラ見して馬上筒を脇に挟み見えぬようにする構える。

私が少し見て呆れて反対を見たのを激昂して刀を抜くと降りて走りよってきた。

「さて」

その合図と共に引き金を引く、辺りに硝煙がたちこめ忠恒の悲鳴があがり私は振り返りながらもう一丁で狙いをつける。

「ほらよ」

小太郎の掛け声と共に炮烙玉が投げられとっさに忠恒が受け取り悲鳴がかすれていく、

「細かいこと言わぬが花ぞ」

「信照殿」

「義久殿、あまりにもうるさいんで消えてもらおうかと思いましてな」

そう言っている間も火縄は燃えていき炮烙玉に近付いていき忠恒もだが周りの家臣も動けずにいる。

「忠恒、世の中には家や肩書きを気にせず直接来るこんなお方もいると言うことを忘れぬなわかったか」

忠恒は義久の方に顔だけ向け何度も頷いていく、

「その辺で」

義久に言われたので小太郎に頷くと速攻忠恒の中から炮烙玉を取り火縄を指で消した。

「もう少しで消すに困難でしたな」

「その時はこの小僧が消し飛ぶだけよ」

自分達も消し飛んだはずだがそう思わせない口ぶりで言うと菊をまこに持たせ義久に渡すと、

「花を見て心落ち着かせる時代になりつつありましょう島津殿」

「全くそうですな」

そう言うとお互い笑いそれを自分が笑われたと思った忠恒が憎しみの顔を向けるので、

「お前の首なんぞ何時でも取れる。家臣を大事にしないかぎりは防ぐこともできぬ、まあ狙ってきても良いぞ成功すればそれもまた、その代わりお返しはこれだ」

小太郎の手から炮烙玉を取って投げ悲鳴をあげさせ会見は終わった。

「わざわざあの様なことまで」

「義久殿も苦労される、あれは執念深いな」

そう言うと時間が解決と言うことで如水のもとへ戻った。


「相変わらず人の食えぬお方だ」

官兵衛は笑いながら話を聞いて笑っており他の大名も頷く、

「島津は徳川殿と同じ我慢し続け最後に勝ちを拾うだろう」

維新で幕府を倒した力は溜まりにたまった力であり歴史を知っている分考えさせられるがそれはおいおいと思いながら、

「立花殿の家臣達をよろしく頼む、行き先が決まらんと宗茂殿がなかなか来てくださらぬでな」

そう言うと皆が笑い宗茂にそれぞれの大名が召し抱える事を約束して国へと戻った。

「闇千代殿、健やかに」

数年後静かに亡くなることを知っている私とまこは別れを惜しみ闇千代に怪訝な顔をされながら大阪へ乗船した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ