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異国

名護屋城は官兵衛が見事に完成させ秀吉を喜ばせる。

日本中の大名が馳せ参じて外征への準備で港は騒がしく活気に溢れているその一角に私と慶次郎、信一(鈴木重秀)、勝成と小太郎で揚屋でゆっくりと酒をのみ交わしている。


「宗氏が一陣に乗せてもらう、釜山に着いてからはまあ小西の後ろを進む」

「どっち付かずの宗氏も年貢の納め時か、と言うか何故その二人が先鋒なんだ」

「太閤を謀ったのを見透かされたからな、首が飛ぶ前に敵に突撃だ」

「千人は先に朝鮮に送り込んだからな、元々和冦だからな色々入り込んでるから合図ひとつさ」


信一の部下が再集結して加わっているので異国でも問題はないので数日後に評定が開かれ秀吉からの命が出次第と言うことになっていた。


「で、今回はどうするんだ忠実」


慶次郎が聞いてくるので、敵は弱くて一方的になるので人的な陶工や文化的な者を集めていこうかと言うと皆笑い、


「昔から変わらないな、まあいい我らは楽しませてもらう」


そう言うと一週間後出港した。



「吐きそう」


かなり荒れていたので船酔いして何時ものように寝ている。


「もうそろそろ釜山が見えるぞ忠実」


手をヒラヒラさせながら始まったら起こすように言い寝続ける。

朝鮮は高官である文官が武官から入ってくる情報を軽視しており、こちらの一方的な上陸を許してしまい呆気なく陥落して退却していく、


「忠実、言ったとおり歯応えもなくつまらん」

「俺達がやりたい放題出来るくらいだからなこの土地は、部下も奥まで浸透させて合図を待ってるからな」


信一(重秀)は元部下千を集め進行する予定の先で諜報や妨害等を上陸が始まると同時に始めており情報を小太郎経由で知らせてくる。

釜山には少数だが敵がこもっており宗勢は一気に攻撃を仕掛けて陥落させてしまった。


「朝鮮の水軍はどこにいるかな信一」

「上が意気地が無いから島影に潜んでるんだろう心当たりがあるから襲うか」

和寇の頃、さんざんこの海を荒らし回っていた重秀は軽く言うので武功のためにと宗から船を借りて西へと向かう、


「中根様お止めください」

船頭が懇願するので聞いてみると見慣れない旗がたっており、

「お連れ様があの、困ります」

かなり慌てており信一に聞くと、

「和寇で使っていた旗だ、これ見れば連中面白いぞ」

「我ら海賊、暴れまわろうぞ」

慶次郎が火に油を注ぎ船頭は泣きそうな顔をしながら仕方なしに進ませた。


「前方に朝鮮水軍、数は30艘以上」

見張りが叫びいきなりの数に船頭は引き返そうとするが信一が、

「かまわん突っ込め」

そう言うのを私が頷き船頭は悲壮な顔で指示を与える。

こちらを発見しているのだが動かずに様子を見ており、何で動かないのかと皆で顔を会わせていると、

「敵逃げ出してます。混乱中」

見張りが言うと信一が人に悪そうな顔で、

「さんざんこの旗で暴れたからな水軍の10艘や20艘なら楽勝だ」

そう言うと進ませたが風向きもあり相手が逃げていく、

「相変わらずだな連中は、このまま奴等の寝倉まで向かうか」

信一と慶次郎と勝成が意気投合して小太郎が笑っており私は船頭に頷いて船を向けた。


「おい、あれ」

今度は何かと信一の指差す方を見ると朝鮮水軍の残存なのか船を集め底に穴を開けて使えないように沈めており、重秀である信一がどれだけ暴れまわり恐怖を相手に覚えさせたのかと呆れながら通り過ぎた。

「あそこだ、戻ってるの少ないって言うか煙があがってるぞ」

もうここまで来ると驚かず建物が紅蓮の炎で燃え上がり朝鮮水軍が必死に逃げるのを見ながら釜山に帰投した。


「結局何もせずにつまらんな、酒だ酒」

戻ってくるなり宴会を始め私は小太郎だけつれて前線へと赴いた。

蓬莱城と言う富士山を連想させる城に立て籠っており小西が降伏を勧告しており出迎えてくれる。

「中根殿、早々に撃破して進みたいが朝鮮水軍は」

「全滅したがな何もしてないがな」

「それは、助かりました。直ぐにでも漢城に向かいたいと思います」

そう言うと何重にも包囲した自軍に攻撃を命令した。


朝鮮軍は太鼓を鳴らし鉄砲用なのか木製の盾を並べており抵抗を行い3度退けた。

「こんなところで足踏みしている場合ではないのだ」

部下の将兵に小西は言うので、

「日の出と共に攻めれば敵の虚をつけましょう、見たところ盾も弾を防いでいるとは言えず早々に落とせよう」

後ろから伝えると小西は頷き、

「朝いちに攻めるぞ、その時に敵の将を生け捕れ」

早めに講和をしたい小西はそう言うと私の報告を含めて太閤秀吉に報告書をしたためて送った。


翌日、未だ空が暗いうちに小西勢は動き出して城の近くで待機する。

空の色が紫になりはじめると攻めの陣太鼓が一斉に鳴らされ蓬莱城へと攻めた。

前日に猛攻を受け疲れて寝ている中で攻められた敵は反応できずに次々と城壁に取りつかれて侵入を許す。

城門が内側から押し開かれ本隊が中へと攻めると呆気なく落城した。


「先乗りするか慶次郎」

思いきって偵察がてら向かうことにして次の梁山城へと小太郎の案内で兵を率いて向かう、梁山泊とは違うよなと思いながら進みながら道を進むと畑の真ん中の城があり敵も私達を発見したようで大騒ぎしていた。

「鉄砲隊前に」

信一が1000人の鉄砲隊を前方に並べて一斉に攻撃を行う、慶次郎と勝成が騎馬を率いて回り込んでいくと途中で止まった。


小太郎の配下がこちらへ飛ぶように走ってきて、

「敵城兵が裏門から逃げているようで、つまらんと」

そう言って見ると慶次郎と勝成はこちらへと戻ってきた。

「もしかしたら最後まで抵抗する勇将がいるかもしれないから、先ずは入城をする」

呆れた顔で慶次郎はこちらを見て頭をかいてため息を吐くと、

「相手もいない、誰かさんにそそのかされて来たが先が思いやられる」

そう言いながら先に潜入した小太郎の配下が門を開けると入城をした。


城内は今先程までいたという状態で鍋から湯気がたっており少し早いが食事となり鼻が利く慶次郎が倉からどぶろくににた酒を出してきて宴会を始める。

「この国の官は忠実が言ったように本当に使えん、海もしかり陸もだ」

慶次郎がそう言って飲み干し私がつぐ、

「漢城では歯応えがあれば良いがな」

勝成も大杯で飲み干すのをつぐ、

「まあ昔から逃げ足だけは早かったからな、おかげでやりたい放題」

信一が笑いながら飲み干してついだ。


「落とされたのですか」

小西が宗と共に梁山城へと到着して我々では食べきれない食事を昼夜を徹して来た兵に食べさせる。

「鉄砲を撃ちかけたら逃げ出したのさ、ここで休憩を入れて追撃か」

「彼らは制勝方略制というに準じているので主要の城へと集結するのでその前に機先を制したいのでこのまま進みます」

小太郎に聞くとこの先は山脈が連なり道が細くなる場所があり多分そこで迎え撃つ事を考えてるのではと言うのでそのまま任せると休憩の後出発をした。


「あれが雲門嶺の山々です」

なかなか険しい連なりで虎も出ると聞いて3人で討ち取る事を言いながら進む、しばらくすると正面に敵が伏せているといい小西は鉄砲隊を大きく回り込ませて高地に陣取ると攻撃を開始した。

馬上から眺めていると一方的に鉄砲の斉射を受けて総崩れとなり追撃をかけており呆気ない決着にゆっくりと馬を進めて密陽城へと入る。

「これが楼観門か、見事だな慶次郎」

火をかけられたがこの美しい門は焼け残り我々を出迎えてくれ休みをとった。


翌日、小西勢は大邸に向け出発していき我々は自軍を小太郎の配下に任せて道を外れて進んだ。

「こちらにございます」

山深いある村に小太郎の案内で入った。

「我らの繋がりのある村にございます」

村長に引き合わされて挨拶をして焚き火の回りに座ると歓迎と共に話を色々していく、

「向こうの同朋を気にかけていただきありがとうございます。頼まれた物人も準備をしておりますれば指示があればただちに」

「ありがとうございます。色々と助けていただき助かっておりますが今回の事は」

「台風と思うしかないでしょう、元々我々の伽耶国も大昔に滅ぼされいらい人里離れたこの村で一族暮らしておったのです」

そう言いながら昔のなのか琴をとって奏で始め慶次郎が興味があるのか受けとると器用に演奏を始める。


ゆっくりと飲んでいると1人の女性が飛び込んできてなにか騒いでおり小太郎に聞くと、

「この先で虎が3匹でたそうで弟が木の上で助けを求めている」

そう言うと男3人嬉々とした顔で立ち上がると女性に案内を頼んで松明をかかげながら奥へと進むと広い広場の木の上に少年がしがみつきそのまわりを3匹の虎がゆっくりと歩いていた。


1匹が気がつきこちらへ来る。

「俺に任せろ」

いつの間にか火をつけた火縄を構え信一がかまえると虎も気づいたがすでに近距離で逃げ出すこともできない距離なので大きく吠えると飛びかかってくる。

一気に距離が縮み虎の息がかかるのではと言う距離で信一は引き金を絞り発砲した。

そのまま横を通りすぎると数歩歩いて倒れ音とその姿を見た残りの2匹は怒りから吼えてこちらに飛びかかってきた。


「1頭ずつだ、嬉しいね」

勝成もだが慶次郎も槍も太刀も持たずに飛びかかっていった。

飛びかかる虎は前足の鋭い爪で凪ぎ払うが2人とも軽く避けて更に踏み込む、慶次郎は拳を振り上げ虎の顔面に拳を叩きつけ怯ませる。

あがくように前足を振り回してはいるが怯んだ攻撃は空を切り慶次郎の拳が次々と虎の顔面に命中して耐えきれなくなった虎は逃げ出そうとしたところ後ろから首に腕を回して絞めて落とした。


勝成は脇差しを抜いて虎と戦っている。

お互い皮一枚で傷つき血を流しておりお互い吼えており村人は怯んでいて顔を青くしていた。

勝成が大きく踏み込むと虎の一撃が肩に当たり血吹雪がまう、村人からは圧し殺した悲鳴があがるが虎はそれ以上動かずゆっくりと横に倒れた。

「楽しかったぞ、お前の勇気はおれの体に刻まれた」

勝成がそう言って倒れた虎を見下ろし小太郎が近づくと大きな爪痕に止血を施し、その間も痛がるそぶりもなく慶次郎と信一と楽しそうに話していた。

「何と言う人達ですか、素晴らしい」

村長の誉めることばに皆照れながら酒を飲み干し小太郎が、

「皮をはいで都に送っておきます」

そう言うと村人に手配してくれた。


翌朝、小西を追うために小道を進み尚州城手前で合流を果たした。

「その傷は」

勝成の姿を見て聞くので、

「脇差しで虎退治、全部で3匹」

そう言うと驚き感心した様子で見ていたが接敵したのか発砲した音が聞こえ敵が見えたので小西は味方を鶴翼で半包囲して宗が退路を絶つために大きく回り込み始める。

それを見た朝鮮軍は退路を絶たれるのを恐れて退却を始め小西勢は追撃を行い、簡単に尚州城を占領してしまった。


「鳥嶺はあのとおり鳥が飛び越えるのも難しいと言われる所で守備をしていれば抜くには難しいかもしれません」

小西が言うのを頷きながらも小太郎が足元に来て、

「この先の村を焼き払っております」

そう言われて小西が将に沈下と将がいれば捕らえるようにと命令して進むと大半焼き払われた村に到着して命令をした官を捕らえて降伏をすすめたが良しとせず斬られた。


「ここで休息をとり周辺を偵察させましょう」

小西は兵を送り込んだが結果はどこも、

「敵将退却して放棄しました」

と、拍子抜けして翌朝朝早く抜けた。


すでに3人は延戦気分で景色や人や文化を見聞きしながら後方からゆっくりと進んでおり小西勢は漢江を背に背水の陣をしいている朝鮮軍を見つけるとそちらに進路を変えた。

目の前に忠州城が見えてきて進み続けると小西勢が向かった方向で鉄砲の一斉射の轟音が繰り返し響き断崖絶壁から逃げ場のない敵兵が次々と漢江へと飛び込んでおり敵であるが愚将の愚かしさに怒りを感じながら逃げてもぬけの殻になった忠州城に入城をした。


慶次郎が気に入ったのか昔の滅んだ国の琴を弾きながらそれを聞いてゆっくりとする。

この国に渡ってきた目的はこれからであり数日後には戦端が開かれるのを思いながら月夜に酒を飲む、

「忠実、何か悪さを考えておるな顔に出てるぞ」

弾いていた慶次郎に言われて更に悪役顔にして少しだけ笑いながら、

「お前さん達が活躍出来る場所をつくるのさ」

「あのサルがいるから反乱起こしても無理だろ」

勝成は秀吉に命を狙われて嫌っているので吐き捨てるように言う、

「後数年で命脈も尽き天下取りをする準備だ、勝成はその時は戻れ必要になる」

「へえ、面白いじゃねえか」

「その悪巧みで顔が更に悪人になると言うわけさ、小者だ」

慶次郎から言われて口をとんがらし私は、

「その小物がきっかけをつくるのさ、まあ既定路線だけどな」

これから起こる文官と武官の争いをいかにと言うことで清正(加藤)の到着を待った。



「日向」

役の名前を感情を込め言いながら清正が入室してくる。

「加藤殿か、ご苦労」

清正とは対照的に小西は冷静に返答すると裏目に出る。

「我等の上陸を待たずに先発するとはどういう了見だ」

「敵が体勢を整えぬうちに進んだだけにございます」

「機を見ると言うか商人風情が、太閤殿下に先鋒は1日ずつ交代と命令を受けたはずだ」

狙っていたことがどんどん目の前で起きており私も油を注ぐ、

「清正殿、それについては私が半数は攻め落としてしまったからな、その様な事になり結果と言うことだ、知らなかったとはいえすまぬ」

私はわざと大きく頭をさげると、

「忠実殿は知らなかったので謝らないでいただきたい、日向が原因であり」

そう言われて頭をあげると清正は小西へ向きなおし、

「だいたいここまでこれたのも宗に道案内をしてもらったからであろう、実力もないくせに」

さすがにそこまで言われて小西も静かに怒りながら、

「嫉妬での言いがかりいい加減にしてもらおうか、見苦しいぞ加藤」

そう言って太刀に手をかけたので勝茂(鍋島)が加藤をなだめて冷静にさせる。


「当然これから漢城に向かう道は二番隊である我々に任せてもらう」

「それはできぬ、苦労もなく来て今さら何を言われるか」

「命令を破るか、きさま何様だ商人が」

お互い顔を真っ赤にさせており内心は笑いながら止めてほしいと勝茂に言われてしばらく考え、

「漢城に向かう道は真っ直ぐだが道は悪い、道はいいが大きく回り込み到達する2つだ」

そう言うと清正は直ぐに真っ直ぐな道を選び小西は障害が少ない道をそれぞれ選んで出発した。


「忠実殿助かりました。武官とはああも愚かなのですか」

本来ならいさめるはずなのだが、

「柴田といい昔から文官を馬鹿にするのも多いからな、小西殿の戦果に嫉妬しているのだろう何かの時に法にのっとり職責を全うすればよいこと案ずるな」

そう言うと後方の仕事を馬鹿にしている武官に不満が爆発して私に吐き出すのを頷いて聞きながら何かあれば対応をしていけばいいと慰めた。



「悪人ここにありだな忠実、楽しそうで何よりだ」

慶次郎に皮肉を言われ笑いながら、

「秀吉が慢心した結果だ、自分が居なくなっても磐石だと過信している」

「おれが清正に教えたらどうする」

「かわらんだろ、感情で動いているからわかってはいても」

呆れた様子で小さいなと言いながら出発の準備をした。


小西がこちらへ来て礼を言いながら、

「我等は漢城へ急ぐのでよろしくお願いします」

そう言うと早々に清正と争うように忠州城から出陣していく、

「小太郎案内を頼む、それと漢江を渡る船ってもう準備しているんだ、かんしゃするよ」

そう言って先陣を急ぐ2隊の後ろから出発した。

しばらくすると大雨が降り始めて億劫な気持ちになりながら進むと小太郎が止まり、

「どうやら小西隊は道を間違えたようですが、知らせますか」

「先に進んだのは向こうだからこちらは漢城へ急ごう」

そう言うと信一と慶次郎が、

「真っ先に乗り込んでかっさらうつもりだな」

「ああいうときだけは生き生きしているからな」

余計なことをいってくれたので、

「この出兵で減った私財の元を取るだけだし、多分略奪しないでもかな」

半分以上言い訳を言いながら小太郎の案内で漢江を望む岸についた。


「幅広いね、漢城が雨で霞んで見える」

渡河を開始して船で次々と対岸へ到着して向かおうとしていると知らせが来て、朝鮮国王はすでに逃げ出しており守備隊も私達が渡ってきたのを見て逃げ出したと報告してくれたので小太郎の配下が開けてくれた通用門から入城した。

「略奪はなし、先ずは王宮に行くよ」

混乱の漢城内を抜け王宮に到着すると民衆なのか略奪が行われていて一部王宮も火をかけられて煙が上っていた。

「奴隷に落とされた人々の様です」

私達を見ると最初は驚くが直ぐに歓迎され略奪した品物を積み上げて歓迎してくれる。

「我等は不当に奴隷に落とされた子孫で今回来ていただけたおかげで解放された。感謝の言葉もない」

代表が言ってくれるので、

「これ以上犯罪を犯さなければ私は特に言う事はない」

そう言うと感謝を言われ私の配下になりたいと数百人が申し出てきたので財宝を持ってあの村に向かうように案内人をつけて出発させた。


慶次郎が財宝と食料を背負って行く彼等を見ながら、

「みろ、何もかも思い通りにいった極悪非道な人の面を」

「被害も出さずにこれだけの財宝を手に入れて堺や京の商人にどれだけ高値で売ろうか考えないといけないし」

「彼等を日本に送るのはいいがどうするんだ」

勝成が言うので、

「手に技術を持っているのがほとんどだからね、大名に召し抱えてもらって仲介料をふんだくる」

「それなら俺が国持になったら雇うぞ」

勝成が言うのを頷き、

「焼き物、機織り反物や履き物なんか優先的にまわすよ」

後日福山藩初代となる勝成のお祝いとした。


「両隊とも南北から漢城へとせまっております」

そう言われて西門から密かに出て郊外に陣をかまえることにした。

「おいおいせっかくの一番槍が勿体無くないか」

信一が聞いてくるので、

「名より実をとったと言うことだ、あの二人を争わせたいからな」

「解説ありがとう慶次郎、と言うことで撤収」

王宮をふりかえり主がいなくなった王宮はくすぶりながら燃え続けておりこれからが本当の民との戦だなと思いながら門へと向かった。



「何もしてないけどどんどん仲が悪くなるよな全く」

漢城に到着した清正と小西は連日色々な事でもめており今回も、

「城外に出て治安の回復と民が戻ってくるようにふれを出せばよい」

「同意しますが王宮でかまえていた方が治安をしやすい」

清正の言うことに一理あるがあえて言わずに周りでもめている武将を見ながら今晩は美味しい暖かい物が食べたいと小太郎に呟き見つめる。

良い悪いではなくすでに嫌悪感が前提で話し合いがおこなわれお互いの提案を否定して小馬鹿にしており強敵が出てくればまとまるのかなと不謹慎に考えながら、周りに促されてようやく同意した小西が城外へと陣を張った。


「これからどうするんだ」

慶次郎から言われて悩む、

「元々戦いに来たと言うわけではないからね」

自分でも呆れながら、

「太閤に現状不衛生で食糧の補給もままならないのでこっち来るなと丁寧に手紙を書いたけど、大名同士の争いが収まったら意味ないし」

「しばらくは動かんと言うことか、しばらくは周辺を散策する」

そう言うと慶次郎は出掛けていき諸侯を見送った。



「朝鮮軍が水原から脇坂が守る城へと進攻していると」

報告があり駐屯している脇坂に会いに行く、

「我等の城へ、ただちに向かいます」

本隊はここにいるので城には数百のみで脇坂も千程なので私も2000で援軍に向かう、

慶次郎達に知らせると嬉しそうに戻ってきて漢城から南へ向かった城へと行軍する。

「中根殿、敵は50000でこちらはあわせて3000どういう風に戦われますか」

私は先頭のやる気満々の慶次郎達を指差し、

「切り開くのを斬り込めば大軍と言っても烏合の衆ですから」

脇坂には城内の味方に斬り込んだら門を開け放ち攻撃をせよと書状を書き小太郎に届けさせる。


城は幾重にも包囲されており脇坂が直ぐにも動こうとするのを止める。

「敵の士気は低い、慌てずとも主力を叩けば簡単に崩壊しよう」

そう言いながら小太郎の情報から一点に集結している敵の部隊に目標を定める。

「慶次郎と勝成は信一が鉄砲を撃ち込んだ後敵を切り崩せ、脇坂殿は我等と切り開いた場所から左右に別れて分断して敵を壊滅させよう」

数万の敵にこちらは4000に満たない兵で将以外は緊張している。

「名のある将に会えればわざわざ海を渡ったかいもある」

「そうだな、しみったれた猿もたまには良いことをするわ」

慶次郎と勝成の言葉に脇坂は青いかおをして信一は笑いながら騎馬鉄砲と共に前に進みようやくこちらに気がついた敵に一斉に放った。


「あーうっさいな二人は耳が痛い」

思わず言ってしまうほど腹から響く怒号を発し槍を構えて突撃する。

敵はすでに逃げ出し始め悲鳴をあげたが、それ以上の声にかきけされて逃げ惑う。

「脇坂殿まいるぞ」

そう言い信一と共に突撃を開始して十倍以上の敵に向かった。

先頭の二人は逃げ惑う兵に目もくれず敵将がいる本陣へと真っ直ぐ突撃して切り込む、指示をしていた相手は二人に気がつくと6人ほどで打ちかかり穂先を交えるが、

「全然だな、一撃で倒されてるぞ」

信一に言いながら逃げる兵に槍を突き刺しながら敵の本隊へと突入して通りすぎその向こうで逃げ惑う他の敵兵を蹴散らしていると城からも討って出てきて敵は収拾がつかないまま逃げ惑った。


数時間後集結するように太鼓をならして城へ入ると慶次郎が、

「つまらん戻るぞ」

良い年したおっさんがふて腐れた顔で椅子に座り戦利品であるこちらの国の酒を飲み私の悪巧みに騙されたと言うのを笑いながら酒をついだ。

翌日遺棄された敵の戦利品を集め漢城へと戻ると秀吉から報告に戻れと命令があり勝成と信一に任せると慶次郎と二人で釜山へと馬を走らせる。

「そうだ、例の村に行くからな」

それだけ言うと途中で別れ案内もないまま慶次郎は隠れ里へと向かい私は小太郎と共に船にのって名護屋城へと帰還した。


「よう帰ってきた忠実、漢城も速攻で落としたと見事じゃ」

秀吉は上機嫌で出迎えてくれる。

「先日も脇坂と共に敵10万を4千で蹴散らし帰還したところです」

「そうかそうか、さすがわ忠実じゃな、皆も渡る準備をしておけよ」

秀吉は大名達に声をかけて直ぐにもという考えなので、

「それにつきましては、朝鮮は一方的ですが向こうの国からの援軍は数十万と、それも北方の騎馬の蛮族を押し返した兵と聞いておりますれば太閤殿下が渡られるのもそれを見極めてからでも十分問題ないと考えます」

武官と文官の仲違いを納めさせるわけもいかず、ましてや秀吉が出征すれば家康も出ざる終えなかった。

「相変わらず変なところで慎重じゃな、これが褒美じゃ、後戦勝祝いをするからな夜まで待っておれ」

そう言うと大判の小判を5枚ほど渡され感謝した。


下がった後に家康に報告をする。

「そうか小西と加藤がな」

「すでに修復は不可能と思いますが正信はまだ足らんと言う顔だが」

「お互いの文官武官同士が憎み事実をお互いねじ曲げ陥れるようになるように仕向けよ、具体的には敵に相手の場所を知らせるぐらいに」

正信の言葉に大きく息を吐きながら、

「わかったが今回だけではきついし三成が朝鮮へ出向けばだな」

「こちらもこちらでしておく」

二人で話すのを家康は黙って聞いており打ち合わせを済ますと太閤主催の戦勝祝いの席に出席した。

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