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九州統一




「ようやったようやったぞ忠実、権兵衛は逃げ帰って豊臣の面子を潰すところだった。ようふんばってくれたな」

私の顔を見ると秀吉は手を上げあとで褒美をとらすと言うので、

「今回の関白殿下の先鋒をこの者立花宗茂にお願いしたく、私も軍監として同行しますればお願いします」

そう言うと秀吉はさらに喜び、

「その方が立花宗茂か、宗麟から何度も聞いておるぞ」

秀吉は駆け寄り、

「よしよしこれを着てわしの代わりに島津を討伐してしまうがいいぞ」

陣羽織を脱いで渡すと宗茂は感動して何度も頭を下げ、

「必ずや島津を討伐し九州に安寧をもたらします」

そう言って先鋒が決まり戦いの準備を始めた。


小倉に入ると饗宴が始まり、これでもかと言う豪華な接待で九州の田舎者をしてやったりという秀吉の笑い声が響き出陣の朝となった。

「忠実、宗茂頼むぞ」

秀吉に見送られながら出陣をする。

「関白殿下の手をわずらわせないように宗茂と共に田舎侍を御前に引き立てて参ります

秀吉は手を叩いて喜び我々は出発した。


「忠実殿が一緒とは心強い」

先鋒は指揮官が秀吉の古参である森吉成が勤めており旧知の間柄である。

「しかし城井朝房と言うのはつい先程まで島津に与して立花殿を攻めていたと言うではないか節操もない」

確かに吉成の言うことは最もだが聞こえるように言わなくてもと思いながら笑う。

朝房は武功を上げなければならないと悲壮であり、さらに連れてきている兵の数も少ない。

どうやら父親が自分は仮病で出仕せず、わずかな手勢をつけられたと言うことで吉成がさらに、

「どうやら城井は島津に与したときには必死だが寝返ったのに適当と言うことか」

朝房は顔をひきつらせ他状態ですぐ近くの岩石城に到着して包囲した。


「修験者が山岳修行で使っていた山城です。強行すれば被害が」

宗茂がそう言うと朝房が、

「搦め手から攻めますので正面からお願いしたい」

決死の覚悟を吉成は頷き正面から攻め始める。

急斜面なのでとりつくにはとても無理と言える。

「中根殿、搦め手で敵を引き付けてください。その間に横の斜面を登り側背をつきます」

悲壮な顔で訴えてきたので了承して長鉄砲50を準備した。


「義父上これでは少なすぎるのでは」

最大500を動員できるのを気にする利照に、

「あくまで陽動だ、援軍を呼ばれない程度にただし絶え間なく攻撃を続けよ」

正面からの攻撃合図である陣太鼓がうちならされ喚声が上がる。

「進め」

利照の指揮でこちらの射程まで近づくと攻撃を開始した。

「分隊ごとに入れ替わり攻撃を続けよ」

裏門からは散発的に反撃はあるが射程外で竹を束にした盾で弾いており半日経過しても被害はなかった。


「裏切りが出たぞ、表門を開けようとしている」

突如城内から声が上がり搦め手からの攻撃が散発的になる。

与力として周辺の豪族千を指揮下においていたので攻撃を命令した。

「敵は混乱しているぞ、城井に遅れをとるな」

私も300を率いて後ろから向かう、搦め手はあっけなく破壊され突入していき私はその後を打ち捨てられた鉄砲などを拾いながら城内を進むと本丸付近に火の手が上がり時の声があがり戦いはあっけなく終了した。

「城井殿見事だったぞ、関白殿下もお喜びになろう」

吉成は幸先良い状況に朝房をほめると朝房はほっとした顔で礼を言い次の島津方の城に向かった。


「流石は関白殿下の御威光ですな、次々と諸侯がこうべをたれる」

官兵衛の事前の工作により進むと次々と降伏しており、威光を高めるのに十分な状態であり秀吉からも誉める書状と金を送ってくる。

「秋月を早々に降伏させよと言う関白殿下の指示であります」

吉成がそう言うので宗茂と策を考える。

「豪勢に宣伝になるように勝てと仰せか」

私は秀吉の命令に笑うと豪勢とはと宗茂がいうので益富城を落としてくれるように頼むと秋月氏が籠城する古処山城周辺の村々に使者を向かわせる。


「和紙を二千枚明後日中にですと」

秀吉の本陣にいる補給を司る代官の一人長束に伝えると怪訝な顔をしたが秀吉が、

「正家(長束)よ忠実の希望道理にしろ、この顔はなんか考えておるからな、何かあれば頼るが良い何を考えているかわからないのは官兵衛に肩を並べるからな」

そう言って指定日までに正家は集め終わり中々の処理能力と感心しながら益富城が落ちるのを待った。


昼過ぎには落城する。なるべく焼かないように指示を出していたので建物は残っておりすぐに和紙と糊を運び込み命令した。

「古処山城から見える壁という壁に和紙を張り付けよ、関白殿下の岐阜一夜城の再現である急げ」

知らないものは皆何をいっているのかと言う顔をしているので利照にすぐに始めろと伝えると壁や建物に和紙を張る。

他の者も疑問に思いながら作業を始めたので村に再度使者を送った。


「これはすごいですな」

宗茂でさえ呆れる状態が目の前に広がる。

「古処山城から見れば周りを大軍に囲まれていると錯覚しましょう。そして吉成殿これを見て気がつかぬか」

吉成は嬉しそうに何度も頷き、

「懐かしいですな信照いや忠実殿、夜が明ければ城が目の前にと関白殿下は大喜びになるでしょう」

そう言って作業に熱が入り吉成は朝まで指示を出して完成させた。


「降伏するとの使者が参りました」

秋月氏からの使者を吉成は直ぐに秀吉の元へ送る。秀吉は直ぐにこちらにやって来ると、

「正家どうじゃこのペテンを忠実指示通り見事であるぞ」

そう言うと褒美として小判を何枚も渡され秀吉は遠目には白く美しい城を何度も見上げながら頷いていた。


「これが楢柴肩衝か、どうじゃ忠実よ信長公も欲した名器がわしの物になったぞ」

秋月氏が博多の豪商から無理矢理奪ったとされるこの茶器は千利休の弟子で私の兄弟分でもある山上宗二が天下の三名器と言った逸品であり私も始めてみる。

「素晴らしいですな、褒美に頂けませぬか」

冗談半分に言うと大笑いして、

「その方が持てば大事にしまってしまうであろう、せっかくの品じゃわしが活用するぞ」

上機嫌で何度も頷き秋月種実に、

「本来ならここが飛ぼうはずだが、これと国俊の刀と娘を差し出すと言うことで赦す」

秀吉は自分の首に手刀をあてて伝えさらに、

「転封を申し付ける日向にそう島津から取り上げた所に三万石で良いな」

そう言うと種実は泣きそうな顔になりながら、

「お願いにございます。微禄でもいいのでここにいとうございます」

そう言うと少しだけ機嫌を損ねた秀吉は、

「ならぬぞ種実、いやと言うなら首をじゃ」

そう言われ肩を落として退出した。


皆が退出して秀吉と私だけになり、

「九州の田舎者共は関白であるわしを嘲笑い抵抗を続けておるわ」

普段は絶対見せぬ冷酷な顔をして私を見るので、

「それは今に始まった事ではありますまい、権六に始まり光秀も侮り古いものに固執する田舎者ならなおさらにございます。官兵衛が今回手を回したように関白の威光を使い高めれば宜しいかと思います」

「その方は昔から変わらぬからな、身分も関係なくと言うか身分はどうでも良いと言うことでな、これからもよろしく頼むぞ」

そう言って手をふられたので退出をした。


翌日から朝房の息子元種が加わり進み肥後に入り高迫城を包囲した。

「川沿いの丘陵に造られた城かどうするかな」

吉成が評定で聞くと宗茂が、

「敵の士気はかなり低いと見受けられます。朝夜と攻めれば早々に決着がつきましょう」

吉成は頷き配下の大名に命令を下した。


「城に火の手が上がりました。退却しているようです」

島津勢は城に火をつけて退却しはじめており元種が追撃をするがうまく逃げられてしまう。

次の城と言うことで隈本城を経由して向かうと早くから降伏していた鍋島直茂が秀吉の到着を待っていた。


「兄上」

不意に声があがり宗茂が走り出して娘と母親と再会を喜んでいる。

「龍造寺家家臣鍋島直茂にございます。島津に人質にされていた立花家の母親と娘を救出して参りました」

吉成が何度も頷き褒め称える。

「貴公が鍋島直茂か、色々噂は聞いていたが見事である。関白殿下の命で先鋒を宗茂と共につとめてくれ」

私が言うと頭を下げ、

「中根右近衛少将忠実殿でしょうか、九州のいなか侍である私の名前を知っておられるとは有りがたいことです。先鋒を承り島津を見事に討伐しましょう」

そう言って秀吉の到着を待ち拝謁した。


「忠実よ直茂は天下を取るには知恵も勇気もあるが、大気(覇気)が足りないな」

私に言うので頷き、

「忠実な番犬として良いでしょう、覇気があれば官兵衛並みに厄介となりますからな」

こうして主家である龍造寺の政を行わせると秀吉は決め戦いの後にそのような処置をすると佐吉(三成)に伝えた。


翌日さらに南下を始め有馬の裏切りにより撤退した島津勢が籠る出水城に到着した。

宗茂が直茂と共に攻城を行う。

「降伏するとの事です」

始まってたいしてたたずに島津勢は白旗をあげ吉成は呆れたように、

「島津とは名ばかりで大したことないな、関白殿下に使者を送れ」

そう言って休憩をとらせた。


出水城に海路から秀吉が入り数日のち、

「尾藤め何を考えておるのか」

日向の秀長からの書状を読むと激怒して私に投げつけてくる。

拾って読むと、島津勢との決戦のおり秀長に援軍を出すことに消極的になり、さらに敗れて撤退を開始した島津勢の追撃を止めたとかいてあり千載一遇の勝機を逃したと言うことだった。


「古参だからとて容赦はせんぞ忠実どうする」

怒りが収まらない秀吉に皆は小さくなっており顔をあげている私に聞いてくる。

「これで島津を殲滅する事はかなりの犠牲が出ると思われます。再度使者を送れば降伏をするとは思いますが」

「いまいましい、佐吉よ尾藤をの所領を没収しろ、権兵衛(仙石)といい何をしておるのか」

尾藤は古参も古参であり秀吉の軍事面についての主力で今回の権兵衛の後に軍監として入ったが、権兵衛に続いて負けるのを恐れて消極的になっていたと言うことであった。

翌日には当主島津義久降伏の使者を送り込み会談を行うと知らせてきた。


宗茂とさらに南下をする。

要所である大口に到着すると降伏の知らせが伝わっていないのか新納忠元が大口城に籠っており包囲をした。

「さて当主は降伏の意思は示しているか頑固なのか何なのか聞くしかないか」

「自ら行かれますか、新納殿は豪胆な人物と聞き及んでおります」

私は平服に着替えると馬に乗り大口城の正門に到着して中へと通される。

「徳川家家臣豊臣右近衛少将忠実と申します。使者として参りました」

奥に忠元らしい古強者がおり左右にもふてぶてしく座っている。

「百姓が関白を名乗り陪臣がくるとは島津も侮られたものだ」

家臣が言ってくるのを機嫌が悪い私は、

「九州の田舎侍は状況が読めんと見える。さっさとこうべを垂れれば良いものを取ったと思った庭が取られ自分の庭に入られて慌てて主がハゲ頭でくる。それを恥とも思わず陪臣は口だけでいう」

そう言われてまわりの武将は怒り刀をぬこうとする。

「やめんか、使者を切り捨てて功と思うものは我が家臣には居ないはずだが」

忠元が周囲をにらむと静になり、

「使者のご用件は」

鋭い目で見てくるので、

「降伏をしろそれだけだ」

「確かに当主は義久殿だが私は義弘を主君と仰いでおる、その義弘殿が降っておらぬでなそういうことだ」

そう言って忠元は笑い、

「ところで関白は島津をどうされるおつもりかな」

きになるのだろう聞いてくるので、

「出来れば潰したかったが時を逃してと言うことかな、まだわからんが」

そう言うと忠元は家臣達に下がるように言って二人になる。

「もしおとり潰しにすると言うなら最後までですがどうすれば宜しいでしょうか」

率直に聞いてくる忠元に私は少しだけ好意をいだき、

「島津との交渉は石田三成殿が行うと聞いている。かのものは私情をはさまず公平な判断ができる奉行と言うことだ」

「石田三成とな了解したがやはり義弘殿からの指示がなければ開城はできぬ」

実直なこの者の言うことに最初とは違い同意しながら、

「それでは待ちましょう、湯にでもつかりながら」

そう言うと笑って忠元は頷き私は城を後にした。


「開城せぬと言うことですかな」

三成は向かったときと違う私の様子にいぶかしげながら確認をしてくる。

「島津の当主は義久だが忠元の主は義弘と言うことだ、私も家康殿の命により豊臣家で働いてはいるがそれがなければとうに帰国している」

少し鋭い目になる三成に、

「忠元も私も他意はないお主世同じ忠義者だ、金柑頭のようにお上に言われたからとて主を裏切らん」

本能寺の事を言うと三成はようやく頷いた。


義弘もようやく降伏をして忠元に書状が届き開城する。

義久は頭を丸め関白の元へ向かうと伝えてきた。


「忠実よ島津をどう思うか」

秀吉が海上を経由して入城してきており挨拶にうかがうとおもむろに聞かれる。

「どうとは関白殿下の思うがままでよろしいかと」

秀吉は立ち上がり茶室にこいと言う、後についていき中に入ると二人だけになり、

「島津を潰してしまおうかと思うていたがお主の行動は何だか」

不満ぞうにしながら茶を立て始める秀吉に、

「後顧の憂い無くすならばそうが言いと思いますが、尾藤の件が有りましょう。まだまだ命脈は切れておらぬと言うことでしょう殿下は気がつかれお怒りになられているのは臣下なら知っておるでしょう」

茶碗を差し出しながら秀吉はため息をつき、

「官兵衛等は気がついているが残りは権兵衛の後で失敗できぬと消極的なことを怒っていると思うておるわ」

茶をいただき、

「奢りが出ておりますからな関白の家臣として」

「そうだがわしの威光を分けてやりたいと言うのも親心だが、示しもつかない」

「良いではないですか、それが木下藤吉郎からの良い点人たらしなのですから」

そう言って茶器を返そうとすると茶を立てると仕草をするので場所を代わり茶を立てると、

「全く昔のわしの事を良く見て何かと気をまわしてくれていた信照殿が変わらずおると言うことだな」

私が立てたお茶をいただいた秀吉は孝行爺のような顔つきで、

「まあ良い、島津の兄弟にそれぞれ領地を渡す。無論占領地は取り上げるがな、これで弱体化をとまあ良い言うな言うなそんなことで島津は崩れぬと言いたげだが色々試してみるわ」

そう言って笑う秀吉に平伏して広間へと戻り義久を迎えた。


「義久よ本来ならばその方の首と対面しているはずじゃったが頭を丸めてきたと言うことで納得しておこう」

そう言うと義久は平伏する。

秀吉はおもむろに立ち上がり義久の周りをゆっくりと歩きながら、

「領地はそう日向も含め全てを取り上げる」

そう言われ頭を伏せたままの義久は苦渋の顔をする。

「じゃがしかしそこの爺がその方の命脈が尽きておらぬと言うのでな元々あった本領のみを残そうと思うておる」

そう言いながら坊主頭の義久にたたんだ扇子でトントンと叩き、

「水飲み百姓のこせがれに頭を下げたくないと広言していたがどうじゃ」

そう言われ義久は、

「我が身の不徳のいたすところ、田舎侍の戯れ言は関白殿下の御威光の前にひれ伏すしかありませぬ」

そう言うと軽く2回頭を叩き上座に戻ると三成に、

「鎌倉以来の名家を潰すのももったいない、関白として許そうぞ」

そう言って降伏を受け入れ九州討伐は終わった。


私はそのまま内城に三成と入城したがすぐに島津の領地を案内役を島津に頼み歩き回る。

他のどの領地よりも排他的であり案内役の忠元がいなければ襲われてもおかしくない状態であり、島津からすれば私が傷つけ死ぬようなことになれば関白がどんな事を言ってくるかわからず緊張しながら護衛をしている。

「しかし忠実殿は何を思うてわが領地を歩き回るか」

忠元はある意味押し付けられてしまっている私のお守りに苦笑しながらもきっちり案内役をしてくれる。

あちらこちらと見て回り宿に戻ると義弘が待っていた。


「中根忠実殿ですか島津義弘にございます」

丁寧な挨拶を受け私も丁寧に、

「忠元殿の案内役助かっております。義弘殿には気を使っていただきありがとうございます。それと家久殿の事残念に思います。先の戦いの事色々お聞きしたかった」

家久は少し前に秀長に降伏をした後で病死しており権兵衛が大敗した戦いを色々聞いておきたかった。

「あの戦い、確か野伏せりを破られかけ焦ったと家久がもうしておったわ」

義弘は嬉しそうに言い私は、

「猪武者が釣られて結局は餌食となりましたが、一度会ってみたかった」

「そう言えば忠実殿は信長公の弟とお聞きになりましたが」

「信照と呼ばれていたが何か」

義弘は嬉しそうに、

「家久は伊勢詣りで上洛して明智殿の歓迎を受け、さらに行軍中に寝ておられる信長公を見たと」

「そう言えば光秀から島津の子を坂本に招いたと言っていたが、たしか武田を撃ち破った年だった、そうか思い出した茶の席を用意したが断られたと」

義弘は嬉しそうに頷きながら、

「あの頃の家久は茶のしきたりも知らずの田舎者でしたからな」

私は残念そうに、

「居れば迎えたのだがな、あの頃は武田を破りようやく一息ついていた頃で残念」

「そう言っていただくと家久も喜んでおりましょう」

そう言っていると一人の美男子が入ってくる。


「又七郎きたな」

義弘は嬉しそうに言うと、

「豊久ただいま戻りましてございます」

家久の息子であり関ヶ原での義弘を逃すために徳川に突撃を繰り返した勇将が目の前にいると言うことに興奮を押さえながら話を聞く、

「でどうだったかな」

「おじきは降伏するつもりはなく」

こちらをちらりと見ながら、

「関白を害するつもりです」

そう言うと義弘がこちらに向いて、

「弟の歳久にございます。元々は講和を支持しておりましたが我ら他の兄弟が主戦を指示したため戦いを始めましたが、我らが降伏した後も続けており豊久に説得にむかわでせましたが関白と刺し違えてでもと言うことでしょう」

そう言われ豊久をつれ関白に元に向かった。


移動中に合流をして長束に関白への面会を求め通される。

「わしを狙っているだと、三男の歳久がか」

怒ると思ったが特に気にするわけもなく代わりの空駕籠を準備させ進ませた。

「しかし島津は頑固者は頑固者じゃな、島津は潰さんで正解ということか」

秀吉は呆れながら横を進む私に話しかける。

「ある意味一度降れば信に足りると言うことでしょうし、歳久は関白殿下を農民から上り詰めた者で只者でないと島津四兄弟の中では講和を支持してきました」

秀吉は頷きながら、

「時勢を良く見れるが頑固者だな三成では足らんだろう島津兄弟には、後ろのも家久の息子か後を継がす事許そうぞ」

そう上機嫌で言うと秀吉は出発して空駕籠は後日歳久の手の者に誘導され矢を射かけられた。


歳久のところに向かうこととなり忠元とも合流して歳久に降伏を進めに向かった。

「この時勢に降伏をして何とするか、言いなりになるだけではないか」

忠元を見るなり静かに歳久はいう、

「そうでしょうが当主はお二人とも降伏を受け入れましてございます。歳久殿も意地を通したと言うことでお納め願えませんか」

そう言うが黙りこむ、

「中根忠実にございます。お初にお目にかかるが薩摩隼人の意地十分関白殿下にも届いております。家臣のおさまりもつかぬと思いますが引き際を心得ている歳久どのならこれ以上は無駄と存じますが」

「中根殿ともうしたか、おだてるのがうまい。再度確認をしたい島津はとりつぶされぬか」

慎重な歳久でありもっともなことで、いつなんどき反故にされても文句はいえない状態なので聞いてくる。

「これ以上はここで足踏みするわけにもいきませぬから、天下統一を目前にしておられますから」

「わかった、ただしここから動くわけにいかぬ」

「不満分子を歳久どの元に繋ぎ止めておくと言うことですか、苦労なさいますな」

将は道理で納得をしても下はそういうわけでなく、薩摩隼人は特にということでありすべてをひっかぶる覚悟があるということであり好意を持てる。

「御前にでない理由をどうするか」

ここで関白に直接頭を下げさせてしまえば今までやって来たことが無駄になると言うことなので、

「痛風でかごにも乗れないと言えば、その代わり領地を安堵する朱印状は諦めてください」

「その程度ならいくらでも、よろしくお願いする」

そう言い秀吉の元へ戻った。


「歳久はこんといっておる。どうにかせい」

秀吉は私の報告を聞き機嫌が悪くなると兄である義久に声をかける。

「我が弟ながら一度言ったらテコでも動きませぬ、申し訳ございません」

「忠実、痛風とはどんなだ」

頑固な島津に苛つきこちらにふる、

「大酒のみですからな晩年の権六(柴田)のようでしたからな、それよりもひどいかもしれませぬ」

思わぬ名前を出され苦笑いをした秀吉は、

「よかろう、ただし公には認めぬ前に出てこない限りはな」

義久に言うと出ていってしまった。


「弟の事と言い礼を申し上げる」

義久が襟をただして礼を言う。

「歳久殿も苦労いたそう不平不満を一身に集めている。手伝わないわけにいかないでしょうからな」

「しかし九州統一目前までいったはずが次の瞬間にこの様なこと、難しいと言う他ありませぬな」

「それはここに限った話ではないし、何れにしてもこれ以上何かあるならここは日ノ本の端、状況が変わるまでこもっていれば相手も根をあげましょう」

意味深な言葉を伝えて九州征伐が終わった。

 

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