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結婚

小牧山へ戻り一ヶ月後の大安吉日。


私、織田小十郎信照と本多日和の結婚式が行われた。


織田家と松平家の同盟が強化にも繋がるため、出席者はまず兄上、今度犬山城城主となる池田恒興、小牧山城を築いた丹羽長秀、権六こと柴田勝家、馬廻になった、佐々、原田、少し前に復帰が許された前田利家、養子となり前田に変わった慶次郎、新参で頭角を表した滝川一益、木下藤吉郎。

そして松平家からは家康の名代で家老の酒井忠次、義兄の本多平八郎忠勝、本多正信、大久保忠佐、平岩親吉、伊奈忠次が岡崎から祝いの使者として色々な品と共にやって来た。


華やいだ雰囲気のなか、元台所奉行の藤吉郎が頑張ってくれたお陰でかなり豪華と言える食事が出されており、兄上は今日は飲んで祝うだけと言いながら珍しく無言を貫く。そして仲人である酒井忠次がまずは、


「信照殿、日和殿結婚おめでとうございます。仲人として殿の名代として嬉しく、織田家との同盟がさらに強固になるように願っております。」


次は義兄の本多忠勝だが、こんなに泣くのかと思うほど泣き、周りを慌てさせると今度はお酒を涙で流れた分を補おうとするほど飲みほし


「日和の幸せを私の分もお願いします。」


そう言うと、また飲み始めた。

横の本多正信は淡々と静かに酒をのみ楽しんでいるようで、他の忠佐、親吉、も同様に静かに飲み、若輩の伊奈忠次がそれに酒をついでまわっていた。


そして、兄上とは乳兄弟の池田恒興が、


「この度はおめでとうございます。小さい頃から知っている小十郎殿が結婚するのはすごく嬉しい、幸せになってください。」


そう優しく私に言うと、今度は丹羽長秀が、


「おめでとうございます。信照殿には色々教えられることも多い、これからもよしなにそして幸せに。」


それが終わるか終わらぬかで大声で権六が


「おめでとうございます、過去色々ありましたがこれからもよろしくお願いします。」

そうぶっきらぼうに祝いの言葉を言い、

その横の馬廻の成政が、


「馬廻衆を代表しお祝いを申し上げる。今までも鉄砲のことを教えていただき、強い直属の兵が育ち嬉しく思います。これからもどうかよろしくお願いします。お幸せに。」


武骨な印象だが礼節はしっかりしている成政である。


「おめでとうございます、桶狭間では隊にいれていただきさらに武功をとらせていただき感謝しています。ようやく復帰でき、信照殿の目出度い席に出席でき幸せにございます。」


と、犬千代こと利家の言葉であった。


そして慶次郎は高砂を舞い、皆が惚れ惚れするほどの能であり、


滝川一益は、


「おめでとうございまする、与力として働けたこと今のような気がします。お幸せに」


そして、登場とばかりに藤吉郎が進み出て、


「信照殿と日和殿全くもってめでたいことです。藤吉郎自分のことのようにうれしいでございます。お祝いにさるおどりでも」


と、踊りながらかんにさわったらしい権六の攻撃を避けながらさる踊りを続け披露る。


「サル、めでたい祝いの席に何でお前の真っ赤な尻を見ねばならん、そこになおれ首叩ききってやるわ」

酒を樽ごと飲み干し赤い顔で藤吉郎を捕まえようとする。

「キキッ、柴田さまめでたい席なので平にご容赦を」

悪びれもせずおちょくりながら避けており、その姿が滑稽で皆大笑いしている。


大騒ぎをしていると兄上が立ち上がりサルは慌てて後ろに下がり、佐々が無理矢理権六を押さえつけて下がらせた。


兄上は無言で立ち上がり進み出てくると、敦盛を舞う。上機嫌で美しい兄上に見とれてしまっている私に扇を渡すと城へと戻っていった。


お開きになり織田家家臣それぞれが上機嫌に帰宅しはじめ見送ると、まず本多正信と伊奈忠次を茶室に呼び出す。


「お二方に申し上げたきことがある。いま三河で一向一揆が起こりそうな気配がしているが、たぶんそうなれば、一向衆である貴殿たちも参加することになると思いますが、もしそのあと帰参が難しければ私を頼ってくだされ、帰参の道も作れると思います。」


本多正信は青い顔をしてうなずき、伊奈忠次は父上がかなとうめいた。



次に酒井忠次と本多忠勝を呼び出し、


「私の草によると一向一揆が三河で起こりそうな気配がしている、押さえられればこしたことはないが腐れ坊主がおこすだろうし、当然門徒が決起してかなりきつくなりましょう。私も角屋経由での支援と、兄上の許しが得れば援軍としたいが美濃があるゆえなかなか難しいと思います。」


忠次は青い顔をして、

「そのような情報ありがとうございます、もともと一向衆が不穏なのはわかっていて鎮圧しようかと殿と相談してました。支援はありがたくお受け致します。そのうち返せればと思いますが。」

私は笑顔で、

「いえいえ、松平家あっての私でもあります、たぶん同じ家臣同士が戦うことにもなりますが、義兄もご武運を」

義兄となった忠勝は厳しい顔で頷くと、

「わかった、酒井と注意深く監視をする、信照殿の配慮感謝します。」

そう言うと岡崎へ帰っていった。


婚姻が無事終わり数日後、兄上は清洲から小牧山へ移らない家臣に怒り、残っている家臣の家をすべて灰にしろと言われて馬廻りの佐々と原田を連れて清洲へ向かう。

二人はつれてきた部下に火をかける準備をすると、

「ここに残っている者よ主命により焼き討ちする。死にたくなければすぐに出てこい」

そう言うと残っていた家臣やその家族が顔を出し驚く、


「かかれ」

原田が言うと家臣が周囲の家を崩して延焼を押さえたあと火をかける。

「お待ちくだされ、無法にございます」

家の者が私の前に来て訴える。

「何度も小牧へ移るようにとふれをだしてきたのを無視した自分を呪うがよい、危険なので家族共々下がらせい」

私が言うのを聞くと慌てて家に戻っていく、


「この火付けを行う不届き者は誰だ、重罪だぞ」

後ろから声がかかり振り向くと清洲城代である佐渡が馬に乗って叫んでいる。

「佐渡うるさい、兄上からの命だ、邪魔だてすると容赦はせんぞ」

私はわざと大きく声を出して気づかせると、

「信照様なぜこの様なことを」

「だから言ったであろう兄上の命だと、これ以上言うなら反意有りと見るぞ」

「いやそんなことは、しかし家臣の家を燃やすとは」

佐渡は横に来て私に頭を下げる。

「小牧にうつれと言うことは佐渡も知っておろう、それを無視しているような家臣はいらんと兄がもうしておる。佐渡も城代のくせに兄上が言ったことを実行しないとは怠慢だと言われても仕方がない、手伝う気がなければ後ろで見ていれば良い」


こうして城下町の武家屋敷を焼き払い終え小牧山へと戻った。



そして、もうひとつの結婚が翌年ありました。誰かって、兄上の目に入れても痛くない妹の市と浅井長政との結婚です。

ある日、兄上に呼び出されると、


「浅井家との同盟をするため、浅井長政と市との結婚を行う。小十郎そなた無事に市を浅井家に届けよ。」


そう言われ大仕事だと思いながら了承する。兄上から一週間後に出発を申し渡される。

私は小谷城へと向かうのに斉藤の勢力範囲を通過しなければならず、当然同盟をされたらこまる斎藤家に邪魔をされるのは当然である。それに対する策を巡らすことにした。


東美濃の戦いでかなりの損害を受けた信照配下の隊は再編中だが、新兵と古参の連携を経験させるためにも護衛に出すことにした。長槍隊六百、鉄砲隊三百五十、騎馬隊百をすべて出すことに決め、鷲尾や兼松と宇部に謀った。


「という感じで全部だすんだけどそれは囮です。なので美濃勢が来たら木曽川にそい西へ向かい、海津辺りで川を渡り大垣へという予定で進んでくれ。敵がいる間は渡らなくてもいいし、夜襲とかしてもいいけど、損害でそうなら無理はしなくていいです。その間に私と慶次郎とで、市を馬にのせ小谷城へ届ける。城に入れば斎藤勢にも知らせがいくそうすればすんなり通り抜けられ輿入れの品物を届ければよい。」


鷲尾は驚いたように、

「そのような事で大丈夫でございますか。」

私は、

「慶次郎は忍の訓練も受けている、そして百地には間道の案内役と配下に護衛と周辺の偵察を頼んでる。」

そう言われ鷲尾は少し不安な顔をしたが、

「わかりました、そ知らぬ顔で準備し日程通りに進めます。」

私は大きく頷き、

「こちらは三日後に出発する。頼むぞ、」


そうして当日。

清洲の館からお市ねえ様を自分の前に抱くと、兄上からこのときのためにもらい受けた飛燕で出発した。慶次郎も馬にまたがり百地は歩きで先導する。

出発して小高い丘を越えたところに兄上と権六がおり、権六は市を見るとうるうるし始める。

兄上は私にも見せたことがない優しい微笑みで、

「権六がうるさくここで待っていた。市、元気で幸せになれ。」


「兄上、市は長政殿と幸せになります。兄上もお達者でいてくださいね。」


兄上はうなずき


「信照、市を頼むぞ。」


「兄上必ずや届けます、そして権六それ以上泣くな、泣くなら知られてしまうかもしれないから兄上に折檻してもらうぞ、お市姉さまも笑っているし鬼の目にも何とかだな。」

権六は仁王立ちで目をうるませ我慢しており、

「泣いてござらん、市様どうかお幸せに、権六は何時でも思うておりますぞ。」


「権六いつもありがとう、兄上と信照をよろしくお願いします。」


別れを惜しみつつ、出発しました。

間道を走り、百地が用意した宿に泊まりながら三日目に小谷城の正門前に到着した。



私は山の上の城をながめて、


「お市姉さま、慶次郎、何て山の上にある城なんだ、登るのめんどくさそう。」

お市姉さま笑いながら

「信照は相変わらず基本はものぐさなんですね、何時でも寝ていたいの延長線上ですね。」

慶次郎は私を見てあきれながら、

「まあ、苦労するのは私と家臣でしょうな、今回も唐突だし。」

私は手を胸に当て、

「ぐさ、傷ついたどうせどうせこもるの好きだよ帰ったら早速こもってやる。最近日和に阻止されているし、私の夢は家臣に任せて寝てること。それに慶次郎はなにげに喜んでいたはずだけどね。」

そう恨めしそうに見ると、

「ぜんぜん喜んでない襲撃も無くつまらんぞ、それに信照は今と昔となんにも変わらないからな、そうですよねお市殿。」

そう言いながら皆で笑っていると、呼び出しておいた浅井家当主浅井長政が信じられないような顔で正門に走ってきた。


長政も美男子であり、ほっそりとした顔つきだが目筋はしっかりしている。


私は馬を降りてお市ねえ様を馬から下ろすと長政が、

「お市様でしょうか、信じられません。木曽川を挟んでにらみ合いをしていると知らせがあったばかりで援軍を出すか評定を開いていた所です。」


お市ねえ様が長政に、

「御初に御目にかかります。織田市と申します。長政様には末長く宜しくお願い申し上げます。」

嬉しそうに挨拶をして私が、

「浅井長政殿、はじめてお目にかかる。織田家家臣、織田小十郎信照と申します。上総介信長の名代としてお市ねえ様を護衛してまいりました。」


そう言うと長政は再度驚き、

「これは織田信照殿でしたか、危険なところをありがとうございます。しかし木曽川の事はどの様なことなんですか」

私は笑いながら、

「いえいえ、お市ねえ様のためです。木曽川に止めておかれているのは輿入れの品物です。」

長政はほっとした顔になり思い出したように、


「ここでは何ですから本殿へ。」

登るのを遠慮したかった山道を慶次郎に足で蹴られながらお市姉さまの輿について登り、いくつかの曲輪を抜け山ノ上へと到着する。一人で大汗をかきながら後ろを振り返ると湖面が美しく光輝いている琵琶湖が見えて思わず見とれてしまう。


慶次郎も私が後ろを向いて動かないので同じように私がみ見ているものを見て同じように動かなくなる。

「ご到着でございます。」

そう声が上がってようやく現実に引き戻され、慶次郎と笑顔で頷き本殿へと走って上がった。


中に入りお市ねえ様は花嫁の準備のため長政と奥へと向かい、私は慶次郎と大広間へ入る。

大広間では当主の父久政と家臣が待っており、ひいきめにみても好意的とは取れない眼差しであった。


久政が、

「織田信照殿がわざわざ長政の嫁となるお市の方を尾張より届けていただいたそうで、浅井家を代表し感謝します。」


そして家臣筆頭であろう武将がこちらを見て、


「遠藤直経と申す。遠路はるばるお越しいただきありがとうございます。我らは朝倉殿に多大なる恩があります。織田は朝倉とは中が悪くこの同盟当方には利がないと思われますがいかがお考えでしょうか。」

そう言われ予想以上の敵意にどうしようかと他の浅井家の家臣を見ていると、立派な正装をした長政が入ってくるなり、

「直経、失礼であろう。控えい」

そう言い、長政殿がしかりつけたが、直経どこふく風である。


「浅井どの不満があれば早急に同盟を解消した方がいいと思います。直経殿、織田家と朝倉家とは中が悪いと言われるが、織田家は何とも思いませんし特に気にしてはいません。しかしながら朝倉家は共に斯波家の元重臣として、並び立ち尾張を統一した織田家を気にくわないと一方的に言い立てているだけですが、ご存知でありましょうか。」


そう言うと直経は怒りをそのまま私に向け、

「それはそうだが主家の斯波を追い出したことによる統一ではないか、それを怒っているのだ浅倉家は」

私は感情を殺して無表情になると、

「それについても、浅倉家も同じように幕府に訴えられ、それをごまかすため一時的に足利の名持つものを傀儡として国主に据えています。それの方が悪辣ではないでしょうか。」

そう言われうろたえはじめた

「そんなことまで知らぬ、とにかく我々に利がないということだ。」

私は淡々と、

「利はあります。もう少し時間はかかりますが、織田家が美濃を攻略すれば自ずと次は浅井家の宿敵六角を攻めます。これはかなりの利ではないでしょうか。」

それでも直経は、

「いつとれるかもわからないことを言われてもこまる、とにかく反対だ」

頑固で古い考え方に凝り固まって浅井の面々に私は失望し私のこの対応が将来あの裏切りに結び付くのかとも思え表情には出さなかったが軽蔑のまなざしを向けてしまう。怒りのため発言できずにいると長政が、


「これは当主たるわしがきめたことだ、異論があるなら使者ではなく私に言え、わかったな」


そう言うと侍女がお市姉さまを連れて入ってくる。

その姿にあらためて見とれてしまい長政の前に座ると式が始まり、先程の気持ちとは裏腹にこの幸せの結末を思いだしながら幸せを願った。


式が終わると鷲尾が到着するのを小谷城下で待つことになり、暇なので浅井の領内を長政に断ると見学をする。

色々な所を見学と言うなの地形の情報を集めていく。行くところ行くところ監視がついていたが慶次郎共々気にせず馬で移動していった。


そして1週間程で、お市が小谷城についてることが斎藤勢にも伝わり、鷲尾に率いられたお祝いの品を持った我が隊が到着して引き渡すと、尾張へ戻ることになり小谷城に上がるとお市ねえ様に別れの挨拶をする。

「信照、長政殿は私を大切にしてくれています。安心して兄上の手伝いをお願いしますね。兄上は突拍子もないことを時にはして皆を困惑させてしまいますが信照が間を取り持ってください宜しくお願いします。」

そう言われ私は泣きたくなるのを我慢しながら、

「お市姉さま、ありがとうございます。兄上は私が言わずともわかっております。それとお市ねえ様、これから何があろうと生きることを諦めないでください。これが私からのお願いです。」

そう言うと頷き、

「信照の言葉心にとめましょう。」

そう言って別れを済ませ長政に帰還の挨拶をした。

「信照殿、感謝をいくら伝えても足りない程、信長殿に宜しく伝えてくだされ。」


「ありがとうございます。浅井家との関係が長く続くことを切に願います。」


そう言って別れようとすると直経が家臣とともに広間に入ってくると私の荷物がつまった箱を置くと、

「殿、信照殿は我が領地を調べそれを持ち出そうとしております。ここにある箱の中に入っておりますればあらためることをお許しください。」

そう強弁に長政に言う。

長政は直経がした暴挙と言っていい行動に声も出せず私を見る。私は、

「御勝手に開ければ良いでしょう。ただし貴方が言っている物が出てこなければ責任をとって貰います。」

そう言うと直経は、

「殿、信照殿が良いと言っておりますのでごめん」

そう言いながら太い紐で開かないようにしっかり閉めていたが、それを直経は乱暴に切ると箱を倒してぶちまける。


中には着替えや購入した名産品などのおみあげなどが出てきて、直経はお目当ての雑記帳を手に取り、

「これが証拠にございます。」

そう言いながら見えるようにめくる。長政はそれをまじまじと見ており、私は顔を赤くするしかない。

「直経、これのどこが証拠なのだ。」

そう言われ直経は中身を見て次々めくっていき最後までめくるとそれを投げ捨て箱のなかをあさっていく。

しかし雑記帳は出てくるものの中身は慶次郎曰く、「下手の横好き」という絵が書いてあり、内容は草木花、動物等であり地図などの類いはなく、疑いが晴れたことより、自分が書いた絵をまじまじと見られたことの方が恥ずかしかった。


長政は私を見ると、

「家臣のしたことは私の責任であります。如何様にも申し付けてください。罪は受けましょう。」

そう言うと長政から責任を一切言われない直経は、

「こんなはずでは、こんなはずでは。そうだこうなる事を見越して隠したな信照。」

そう言うと長政が顔を真っ赤にして、

「直経、良いと言うまで別室で謹慎申し付ける。連れていけ。」

そう言うと直経はうなだれ連れていかれていった。


長政は改めて謝罪をしてきたので、

「気にしないでください。領内を歩いて疑われることをした私も責任があります。直経を責めなさいませんように。」

そう言うと長政は律儀にも何度も謝罪してきて、

「それでは何か希望があれば言ってください。このままかえすわけにもいきませぬ。」

私は少しだけ考えるふりをして、

「わかりました。それでは国友村の鉄砲の生産数の5割を優先的に売って頂ければ助かります。」

そう言うと長政は頷き、

「わかりました。国友で生産される鉄砲の半分を優先的に売るということですね。」


そう言うと証書を書いて私に渡してくれた。箱をかたずけ終わると尾張へと出発をする。

直経の言っていたことは実は本当のことだが、すでに情報を記入したものは百地に岩倉へと持っていかせていたので手元にはなかっただけであり、こうなる事を予想していただけであった。


尾張へ戻るときに国友村へよる。


公方が鉄砲の作成を命令して二十年以上たっており、生産も月で五十丁を越えるほどの生産の規模であり年々規模もましてきているので長政の証書を見せて買い取る事を伝え、合わせて希望者に岩倉へ移り住むことを進めよい感触を得られ帰国をした。

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