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魔術師一家  作者: 春風
1/2

私の兄弟(妹)

初小説で連載始めました。

あまり文章力はないかとは思いますが、楽しい小説になればなと思います。

良ければ読んで頂けると有難いです!

――この世の中には魔術は存在しない。

誰もが思っている常識だ。

そもそも魔術を使っている所を見たことはないし、

テレビでも取り上げていない。

魔術なんてものは空想上のものであり、存在などしてはいない。



そんなものは表の世界での話。

もちろん魔術が表の世界に出てしまうと、絶対にいい事には使われないだろう。

だから、我が梅月(うめづき)一家も表の世界では魔術を使わずに普通の生活をしていた。

両親は数年前に魔術の事故で亡くなっており、

子供六人だけで家事も仕事も全て行っていた。

もちろんまだ幼かった妹に家事が出来るはずもなく、

そもそも兄弟たちに家事などやらせたらどうなるかわかったもんじゃない為、

私が一番早く帰ってきて、家事をするのがいつもの日課だった。

パート勤務様様ってやつだ。

そして、そんな日常が普通だったのだ。




そう、あれは今から一年前の話。




いつも通りみんなのご飯を用意して待っていた、あの日。

いつもと同じ日常が今日も訪れると思っていた、あの日。

――私を除く五人の兄弟(妹)はいつになっても帰ってこなかった。



一番上の兄はとても心配性で、どこにいくのでも連絡をしなさいとうるさかった。

いくら魔術を使えても、いざとなったら危ないんだからと過保護な兄だった。


二番目の兄は少しヤンキーみたいで、友達にはすごく怖がられてた。

喧嘩も強かったけど、私に被害が行かないように守ってくれてた優しい兄だった。


三番目の兄は優等生でとても頭がよかった。

いつも兄の言うことは的を得ていて、ちゃんと相談に乗ってくれる頼れる兄だった。


五番目の弟は甘えん坊で泣き虫で、いつもみんなに可愛がられてた。

私の後をよく付いて回っていて、可愛い自慢の弟だった。


一番下の妹はいじっぱりでツンデレで、いつも私は心配していた。

寂しがり屋で我儘だけど、私の言うことはちゃんと聞いてくれる大好きな妹だった。



そんな五人がいつまで経っても帰ってこないのだ。

すぐにおかしいと思った。

誰かが連絡を忘れていることはあっても、五人が五人とも連絡すらしないことなど今までなかったのだ。

しかも、見計らったかのように同じ日に消えることなど偶然にしたら出来過ぎている。



私はすぐに学校や会社に事情を説明して休業と休職扱いにしてもらった。

そして、様々な手を使ってみんなを探した。

もちろん魔術も使った。

もしかしたら魔術師同士のいざこざに巻き込まれたのかもしれないと思ったからだ。

私達一家は魔術師の間ではそれなりに名の知れてる一家だ。

可能性はゼロではない。考えたくないけど。



しかし、そこに出てくるのは何度やってもみんなはいないという事実のみで

いくら探しても遺体すら出てこない。

いや、そんなものは一生出てきてくれなくていいのだけれど。



そんな感じで一年間、ずっと足取りを探し続けている。

今日もいつも通り家に帰ってきて、魔術でみんなを探そうと魔術の詠唱をする。

もはやこれが私の日課になってしまっていた。

そろそろ私の精神的なものも限界だから、早く帰ってきてくれないだろうか。

ていうかそろそろ連絡の一本くらい入れてほしいのだけど。

とか考えていた、その時だった。



ゾワリと背筋に嫌な予感が走る。

周りを見渡しても誰もいない。

警戒するには越したことはない。


「・・・なに?誰かいるの?」


声が震えなかっただけ褒めてほしい、と思う。

頑張って絞り出した声は思ったより小さくて、

もう立派な魔術師なのに、すこし恥ずかしくなって苦笑した。



次の瞬間座っていた足元に見慣れない文字の魔法陣が描かれる。




「は!?ちょ、ちょっと待って!!」



見慣れない文字で書かれた魔法陣など、解除のしようがない。

いざという時の為に膨大な魔法陣の勉強をしたことはある。

しかし、その中にはこのような魔法陣など存在していなかった。



とっさに行動が取れない。

何も出来ずにただ茫然と、魔法陣の光に包まれていった。



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