94.試練に挑戦
気が付くといつの間にか総合評価が3000にいきそう
びっくりしました
クロの姿が消えてから、私たちは広場でこれからどうするかを話し合っていた。
「やっぱり、あの扉が怪しい、よね」
「だね。あの中どうなってるんだろう」
「さぁのぅ。あ主たちは何か知っておらんのか?」
ロベリアの問いにお爺さんは小さく頭を振る。
「申し訳ない。私たちに伝えられているのは先ほど話したことだけなのです」
「ふむ、情報はなしか」
「どう、する?今のところ、一番の手掛かり、あの扉、だよね?」
「どうしよう?でも行くならそれなりの準備した方がいいよね?」
確かに。あの中がどうなっているかはわからないし、もしかしたら長期的な捜索になるかもしれない。
何かしらの準備はした方がいい。特に保存食。今まではクロのアイテムボックスがあったからよかったけど、今そのクロがいないから。
「じゃ、とにかく準備始めようか」
「そうじゃな」
「なにが、いるかな?」
「保存食は必要だろうな。食べ物は殆ど主のアイテムボックスの中に入っておるからな」
「そうだね。他には……———」
「あ、あのっ!」
ミサキたちと必要なものについて議論しているとお爺さんが話しかけてきた。
「どう、したの?」
「そ、そんなに落ち着いていてもよいのでしょうか?あなた方のお仲間が消えたのですよ?」
あぁ、そういうことか。
確かにクロが消えたのは心配だけど、
「クロ、だもん、ね?」
「そうそう。クロ君だしね」
「クロじゃからな」
「主だしな」
「え?」
あのクロならどんな状況だってどうにでもして見せるだろう。
異常者で最強で、何でもありの理不尽の権化ともいえるクロだから。
「心配だけど、きっと大丈夫」
それにあのクロが私たちを、私を置いてどこかに行くなんて有り得ないから。
「だから、とにかく、準備を始めよう」
「そうだね」
「まずは保存食の調達からじゃな。妾やゼロはなくても問題ないが、最低でもスズとミサキの1ヶ月分の食料は欲しいのぅ」
「早速、お買い物、いこ」
「じゃな」
世界樹の中ってどうなってるんだろう。
すこし、楽しみだな。
世界樹が現れて騒然とする境界を出る。
「遠くから見ると世界樹の大きさがよくわかるね」
「ん、確かに」
広場で見上げた世界樹も大きく見えたが、離れたところから見るとより大きく見える。
町の中でも有数の大きさを誇る教会が小さく見えるのだ。
「あれだね、ハイぺリオンよりも断然大きいね。デビルズタワーと同じくらい太いかも」
「ハイ、ペリオン?デビルズ、タワー?」
「あぁ、私たちの世界に合ったものでね。ハイペリオンはとっても大きな樹なんだけど、それでも直径4mくらいでこの世界樹には敵わないな」
「デビルズタワーも樹なのか?名前からして邪悪そうじゃが」
「デビルズタワーは樹じゃないんだけど、木の切り株みたいなでっかい岩のことなんだ。直径100m以上あって、丁度この世界樹みたいに大きいの」
「ほぉ、そのようなものがミサキたちの世界にはあるのか」
「こっちにも似たものありそうだけどね」
「大きな樹か。我も見たことがあるが、ここまで大きくはなかったな」
クロの世界か。行けるなら行ってみたい。そしてクロのご両親にご挨拶できたらいいな。
などなど他愛もない話をしながら準備を着々と進めた。
「では、皆さまご武運を」
「いって、きます」
今、世界樹の試練に挑戦する。




