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89.誕生

先週投稿しなくてすみません


 自己紹介も終わり、アハドたちとここに来るまでの旅路についての話で盛り上がっているとものすごいスピードで近づいてくる気配を三つ捉えた。


 この気配は美咲にロベリア、ゼロだろう。


 いつの間に話している間に1時間近くたっていたようだ。


「どうかしたのかクロ?」


「あぁ、今残りの三人の仲間がこっちに来ている。多分腐人どもの駆逐が終わったのだと思う」


「駆逐が終わったって……。王都中に散らばったあの数の腐人をこの短時間で殲滅するとか、凄いんだな」


「これでも時間がかかってる方だろう。途中で何か、障害となりえた奴らが出てきたのかもしれないな」


「クロ、迎え行ってくる」


「あぁ、頼む」


 トテトテと講堂から出てロベリアたちを迎えに行くスズ。

 あのスズもこの一時間でリリーたちと仲良くなっていた。

 女三人そろって(主にスズとリリーだが)俺のどこが優しいとかどこが格好いいとかで盛り上がっていた。


 正直その話を傍で聞かされていた俺は痒くて痒くて仕方がなかった。

 そんな俺の様子をアハドやルミナ、カームルがニヨニヨしながら生暖かい目で見てくるのでかなりイラっとした。

 アハドとカームルにはデコピンを食らわせてやり撃沈したが。

 そんな二人の様子を見たルミナはサッと視線をそらし知らんぷりしていたな。


「もう、スズだけクロ君とお話ししてたなんてずるいよ!私たちは頑張って腐人の駆逐してたのに」


「別に、私いなくても、いいかな……って」


「まぁ居なくても余裕だったけどね」


「お疲れ。遅かったな。何かいたのか?」


「ちょっとばかしな。教皇とやらに出くわしてしまってのう。それをミサキが単独で始末しておったら時間がかかってしまったのじゃ」


「私も頑張らないとなぁって思って、結構手ごわくて時間かかっちゃった」


「やはり教会での地位が強さに比例していたのか?」


「そうだな。確かに偉そうな服を着ていた奴ら程力は強かったぞ主よ」


「ゼロもお疲れ」


「この程度で疲れはしない。我が相手しておったのは雑魚ばかりだからな」


 段々と頼もしくなっていく仲間につい頬が緩んでしまう。


 まぁここまで強くなっても敵対する奴らがほとんどいないんだけどな。

 宝の持ち腐れってやつだ。


「腐人の駆逐が済んだならもうここに用はないな」


「行くのか?」


「あぁ、ここに来たのは腐人の駆逐が目的だったからな。終わったならさっさと次の目的地に向かいたい」


「どこに行くんだ?」


「神創国だ」


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「最悪の予想が的中したってことか……こりゃ酷い。まるで地獄だな」


 傍で今回の総指揮官であるデニスさんが呟く。


 デニスさんの呟き通り、俺たちの目の前には地獄が広がっていた。

 本来その地には王国の王都が存在していたはずだ。


 俺たちが魔大陸に向かう前には明るい雰囲気に包まれていたというのに、今は人の気配が全くせず、至る所で腐った死体が散らばっていた。

 建物もほとんどが崩れ瓦礫の山と化している。町の中心に立っていた荘厳な城も、既にその姿を失っていた。


 その死体のほとんどが神官服を着ており、今回の戦争で突然現れた、というより変化した元聖職者の腐人のようだ。


 所々に一般人や兵士の死体も混じっていたがそれはごく一部のようだ。


「誰かが、腐人を殺し回ったのか?」


 腐人の死体が散らばっていることから何者かが腐人を退治していたのだと予測できる。

 その何者かはかなりの強者なのだろう。

 でなければ俺たちでさえ苦労した腐人をこうも一方的に殺すことは難しいはずだ。


 理不尽なまでに殺しつくされている腐人。

 その様子を見て俺の頭の中にある一人の男の後ろ姿がちらついた。


「………………ギリッ」


 無意識に奥歯を噛みしめながら俺たちは廃墟寸前の町を進む。


 そのとき、何かに呼ばれた気がした。


「デニスさん。ちょっと俺、向こう側行ってきます」


「あ?急にどうしたんだ?」


「すいません、すぐ戻ってきますから」


 デニスさんにそれだけ伝えて列から外れ呼ばれたほうへと進む。


 この世界にやってきてから人外並みとなったステータスを駆使し、瓦礫の街を進む。


 何か、強い何かに呼ばれ、只管ひたすらそこへと向かう。


「ここらへんか?」


 感覚的にこの辺りのはずなんだが。


 俺がたどり着いたのはまだ残っていた建物の壁に陽を遮られた薄暗い路地だ。


 その中心には大きな凹みがあり何かが勢いよく落ちてきたような跡があった。

 その跡には頭部を潰され両足を失った腐人の姿があった。


 あの跡は何者かによる攻撃痕なのだろう。


「―――ッ」


 その跡の周辺を眺めているとキラリとした反射光を見つけた。


 その場にしゃがみ目を凝らす。

 するとそこには漆黒の水滴型の宝石が落ちていた。指先に乗る程度の小さな宝石だ。

 その宝石に、なぜか心惹かれる。


 俺と同じ存在(・・・・)の様な気がしてならないのだ。


 それにゆっくりと手を伸ばし、チョンと指先が触れた。


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「ヒヒッ」


「ヒヒヒヒッ………………」


最後終わり方が変ですがミスではありません


ついに年明けますね

【イジメですか】の投稿を始めてそろそろ2年経とうとしてるんですねぇ

この二年間あっという間に過ぎていきました

この二年間更新を続けられたのは読んでくださる皆様がいたおかげです

ありがとうございました

また来年もかんばっていきますのでこれからも【イジメですか】をよろしくお願いいたします


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