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8.リーバルと少女

今までのステータスとジールの名前がなんか違和感があったのでをジンにしました

 俺たちはジンとミーシャに案内されながら街を目指していた。


「クロ、さっきオークと戦っていた時、私Lv.UPした。戦ってないのにどうして?」


「あ〜、多分白狐の恩恵っていうスキルのおかげだろう」


「白狐の恩恵?私そんなスキル持ってない」


「なら最近覚えたんだろ。取得条件が、禁忌を認めたときに習得できるらしい。パーティー内の者が得た経験値の1/4を得られるのと、パーティー内の者の得られる経験値が少し上がるらしい。結構凄いスキルだな」


「という事はさっきLv.UPしたのはクロのおかげ。ありがと」


「いや、それぐらいいいさ。自分の仲間が強くなるってのはいいことだしな」


「スズランってそんなスキル持ってんだな!すげぇな」


「本当。戦わなくても強くなれるじゃない」


「それでも戦う。クロの役に立ちたい」


「愛されてんなおい!」


 ジルが笑いながら肘で突いてくる。


「ハハッ、羨ましいか!」


「な!あ、愛してなんか、別に…」


 スズが湯気を立てながら俯いた。めっさ照れてる可愛い。


「ふふふ、よかったじゃないスズ。クロ君嬉しそうよ」


「うぅ…」


 そんなどうでもいいような話をし、途中途中休憩をはさみながら歩いて行くと高さ4メートルくらいの外壁が見えてきた。


「お、ついたようだな」


「あぁ、あれが今俺たちが宿をとってる街、リーバルだ!」


 街からは賑やかな声が聞こえてくる。


「活気のある街だな」


 俺が目をキラキラさせながら街を見てると隣でスズが暗い顔をしているのに気がついた。


「どうしたスズ?」


「私禁忌だから街でものけ者。隠そうとしてもこの白髪が目立つ」


「あーそれなら大丈夫だ。考えがある」


「考え?なにをするの?」


「俺の魔法を使うんだ。影を操作してスズの髪に固定する。そしたらスズの髪の色が黒になるって事」


「そんなことできるの?」


「まぁ見てろ」


 影操作をする。俺の影の一部を移動させスズの髪に固定する。


「どうだ?ちゃんと黒髪になってるな。お揃いだ」


「ほ、んとだ。ちゃんと黒髪になってる!クロとお揃い!」


 ふふふ、とスズが嬉しそうに笑っている。


「これで大丈夫だ。黒髪似合ってるな」


「んっ!ありがと!」


 スズが笑顔で礼を言ってくる。


「いいって事よ」


「おーい、早くしろ…ってなんでスズランの髪黒くなってんだ⁉︎」


「本当!それにしてもスズは黒髪も似合ってるわねぇ」


「俺の魔法でちょっとな。ま、そんな事はいいからさっさと街に入って宿を…って俺金持ってなかったな」


「だったらさっき倒したオークの魔石売ればいいじゃなか」


「あぁ、そうだったな。それ売りゃぁ宿代にもなるか」


「んじゃ、まず最初の目的地はギルドだな!さぁ早く行こうぜ!」


 ジンがそういって街の中を進んでいき俺たちは後を追う。


 リーバルにある冒険者ギルドは木造の酒場のような場所だ。


「いらっしゃいませ〜。どのようなご用でしょうか?」


 受付嬢がにこやかに微笑みながら尋ねてくる。


「魔石を買い取って貰いたいんだが」


 魔石とは魔物の核である石のことを言う。


「はい、わかりました。では魔石とギルドカードを出してください」


 ギルドカードとはステータスプレートの事であり、ギルドカードと呼ばれている。


「ん?このギルドカードは少々文字化けしていて壊れているようですがどうします?新しいものと交換致しますか?」


「そうだな、それは金がかかるのか?」


「はい、金貨1枚、10000ミルになります」


「そうだな。今金がないからその魔石を売った金がどれくらいになるかで決めよう」


「はい、わかりました。ではまずお名前をお伺っても宜しいですか?」


「クロだ」


「クロさんですね。では魔石の鑑定をしてきますので少々お待ちください」


 受付嬢はそういって奥に引っ込んでいった。

 その時ちょうどジン達が戻ってきた。


「どうだった魔石の値段?」


「いやまだだ。今ちょうど鑑定しに行ったとこだ」


 その話をしていると受付嬢が戻ってきた。


「お待たせしました。こちらの魔石は金貨2枚と銀貨5枚で25000ミルになります」


 ここの通貨はすべて硬貨で

 鉄貨.10ミル

 銅貨.100ミル

 銀貨.1000ミル

 金貨.10000ミル

 白金貨.100000ミル

 ミスリル硬貨.1000000ミル

 と、なっていて、庶民は白金貨やミスリル硬貨など一生見る事のないぐらいのものだ。


「それでカードの方はどう致しますか?」


「そうだな。ま、ちょうど金があるから今のうちにしとくか」


「では再発行のため10000ミルとカードを頂きますね」


 それらを受け取った受付嬢はまた奥に入っていったが今度はすぐ戻ってきた。


「こちらが再発行したカードです」


 そのカードは青色で内容は


 □□□□□□□□□□□□□□□□□□

 名前{}クロ Lv.34


 年齢{}18


 称号{}巻き込まれた者 格上殺し 魔物殺し 記憶を失いし者 影使い 恐怖に慣れし者 痛みに慣れし者


 職業{}冒険者


 体力{}100/100

 魔力{}95/95

 敏捷{}102

 筋力{}88


 スキル{}言語翻訳 ステータス補正 鑑定 アイテムボックス


 属性{}無


 魔法{}影を補足する手シャドーハント 影の使用者シャドーユーザー 影の収集者シャドーコレクター 影召喚サモンシャドー 自影召喚サモンアバター

 □□□□□□□□□□□□□□□□□□


 やっぱ結構上がってやがる。

 体力と敏捷にしてはすでに100切ってやがる。

 それに名前がクロになってて元の名前が分からんがまぁいいか。


「ありがと。んじゃ宿探しに行くか」


「だったら俺らが部屋とってる宿にしろよ。あそこ結構サービスいいからな」


「んじゃそうするか。スズもいいか?」


「んっ」


「んじゃそこに案内頼むわ」


 ジンに案内されて着いたのが宿屋『啄木鳥の住処」という店だ。

 中は机が数個置いてありちらほらと食事を取っている奴がいるから1階は食堂なのだろう。カウンターに15歳ぐらいの少女がいてそっちに向かっていく。


「あ、お帰りなさいジンさん、ミーシャさん」


 少女がジンとミーシャに気づき挨拶をする。


「や、リアちゃんただいま」


「ただいまリアちゃん」


 どうやらその少女はリアというらしい。


「はい。で、そちらの方は?」


「俺はクロ、こっちはスズランだ。宿を探しててジンに教えてもらったんだ」


「そうですか。ですが2人部屋が1つしか空いてませんがそれでも宜しいですか?」


「いいかスズ?」


「…2人部屋、クロと一緒に…。大丈夫」


 スズが少し顔を赤くしながら答える。


「んじゃその2人部屋を頼む」


「わかりました。お食事は朝昼晩と3食あり時間は7〜9時、11〜1時、7〜9時になります。お風呂は夜7〜8時まで、シャワーが各部屋にあり、別料金ですがお湯を買って貰えればシャワーが使えますので。それと宿代ですが一泊4000ミルになります。宜しいですか?」


「あぁそれでいい。さっきも言ったが改めて、俺はクロ。呼び方は好きにしてくれればいい」


「私はスズラン。スズでいい」


「はい、私はリアリィ。リアって呼んでください」


「わかった。リア、これから少しの間よろしくな」


「よろしくリア」


「はいっ」


 リアは元気に微笑んだ。

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