80.再結成
「はぁ、そんなことになってんのか」
「相変わらずクロ君たちは騒動に好かれてるわね」
「そんなもんに好かれても嬉しくないぞ」
「そりゃそうだろ」
ジンたちに向かい入れられた俺たちはジンとミーシャの家で今回起きた騒動の話をしていた。
そう、ジンとミーシャの家だ。あの二人は同棲している、というか結婚したようだ。めでたいめでたい。ジンとミーシャの結婚したという話を聞いた時、スズたちが何かを訴えるような視線を送ってきたが、今は無視だ。
本来この話はあまりしてはいけないのだがジンたちなら信用できる。
「しかしこんなところにまで来ているとわな」
「初めは突然のことに驚いて手こずったが、慣れれば問題ないな。少し強い魔物って程度だ。ただ戦えるのが俺とミーシャしかいないからな」
「ふむ……」
このまま放っておくのはジンとミーシャの負担になりかねないな。狩っとくか?
「あいつらを狩る気なら俺たちもつれてけよ?この村の問題なんだからな」
「そうだよクロ君。私達にも手伝わせて。それに久しぶりにクロ君たちと戦ってみたいし」
「……お前らはエスパーか何かか」
自然に人の内心を読んできやがった。
「まぁ一緒に行くのは構わないが、もし俺たちのいない間に奴らが襲ってきたらどうするんだ?」
「あ……」
「……どうしよう」
「私たちが残っていようか?」
「いいのか美咲?」
「せっかく再開できたんだし、クロ君たちで行ってきて」
「妾たちはこの村の守りをしておくのじゃ」
美咲たちもこういってくれていることだし。
「んじゃ早速行くか?」
「そうだな。準備ならすぐに終わるし、村の連中にも連絡しておく」
「そうか。じゃぁ10分後に村の入り口でいいか?」
「了解」
「わかったわ」
ジンとミーシャは早速部屋を出て準備をしに行く。
「さて、先に入り口で待ってるか。スズ」
「ん。ミサキたち、後は、お願い」
「任せて」
「楽しんでくるのじゃぞ?」
美咲たちに見送られながら村の入口へと向かう。
「楽しみ、だね?」
「あぁ、数か月ぶりだもんな」
今の俺たちを見せつけてやろう。
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入り口で待つこと数分。村の奥から武器を携えた二人がやってきた。懐かしの大剣と杖。ジンとミーシャの武器だ。
防具もあのころから変わっていない。ただ、ジンの右腕が喪失していることだけが、あの頃との違いだ。
「ジン。その腕、どうだ?」
「あ?あぁ、大丈夫だ。俺は元々左利きだからな。それにステータスもクロ達の御蔭が上がってるしな。片腕だけでも鍛えたマッチョより力は上だぞ?」
「そうか」
その状態で戦えるのか不安だったが、大丈夫そうだ。片腕でジンと同等の背丈はある大剣を振り回している。振られた大剣の軌跡に歪みがなく、スピードも問題ない。
「あれからこっちで狩りとかしてリハビリしてたんだ。今じゃ結構元通りだぞ」
「ジンったらね?早く戦えるように暇があったら大剣振り回してるのよ?」
「仕方ないだろ?今まで戦いっぱなしだったんだ。急に戦わないなんてできるわけがない」
わかる。それはとてもわかる。急に戦いをやめるなんてできないぞ。
「よし、準備もできたようだし。行くか?」
「ん」
「あぁ!」
「おぉ!」
しばらくこんな感じのが続くと思います




