74.孤独
すいません
今回かなり急いで書いたのでいつも以上に文面が荒いと思います
再生する巨人にスズは勢いよく走りだした。
あの理不尽な再生を見てもスズは諦めていないのだ。
常人の目に映らない速度で駆けだしたスズに対して巨人は……腕を一振り。
大地が大きく窪み、紅く染まった。
何が起こったのか。
それは巨人の一振りでスズが地に叩きつけられたのだ。
その衝撃でスズはどこかの内臓を破裂させ地が出口を求めスズの口から噴き出たのだ。
先ほどまでどうにか互角に戦えていたのというのに、この一瞬で形勢は巨人へと傾いたのだ。
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名前{}偽神
体力{}6666
魔力{}6666
敏捷{}6666
筋力{}6666
能力{}増殖
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「あの巨人のステータスがいきなり上がった……」
「ぬっ、まずいぞクロ!このままではスズが…………っ!」
何かロベリアが言っていたが今はスズのもとに駆けるのが先決だ。
予想外だったな。まだ巨人のステータスは半分を超えた程度だったはずが、一気に上限を超え今は秒単位で増え続けている。
あの異常な再生能力を使った瞬間だった。
(多分何かしらの外部からの干渉だろう。十中八九この巨人を作ったやつ、創造主だろうな)
創造主の干渉により巨人のステータスが跳ね上がった。しかも異常な再生という能力と共に。
結構力を入れて駆けたため瞬間的に巨人の目の前に移動した。
そして血を吐き地に倒れるスズを抱え美咲がいる場所まで距離をとる。
「え……っスズ!クロ君っ」
「すまん美咲。スズを直してやってくれ」
俺は治癒の能力を持っていないためスズを癒してやることはできない。
しかし安全な地を提供することはできる。
「美咲、スズを頼む。すぐにあいつを始末してくるから。それまでこの中にいてくれ」
そういって俺は影で美咲たちをドーム状に囲む。
「任せて。ちゃんと癒して見せるから」
影がスズたちを覆い終わる直前に美咲がそういってくれた。
美咲がそういうなら大丈夫だろう。世界最強の魔術師がそういったのだ。だったらスズが助からないわけがない。
かなりの重傷だったがすぐに健康体へと戻ることだろう。
それまでにあの巨人を消そう。
いまだステータス値を上昇させ続けニタニタ嗤う巨人の眼前に移動する。
今回はかなり本気で駆けた。さっきはロベリアがそばにいたから衝撃が出ない程度に抑えていたのだ。
今側にいる美咲たちは影が覆っているため衝撃を喰らうことはない。
何かが破裂するような音を発し一瞬で眼前へと移動しその腐った顔を殴りつける。
それだけで巨人の顔が消し飛んだ。
ぐらりと揺れる巨人の巨躯。しかしすぐさま巨人の頭が生え倒れかけた体はバランスを保つ。
頭が核ではないのか、それとも元々核が存在しないのか。
次は大体の生物の要となっている心臓を穿つ。
しかし次の瞬間には再生してしまった。
これは……。
全身を一斉に消し飛ばすしかこの巨人を殺す手段はないのかもしれない。
まずは地上に露出している上半身を消し飛ばしてみようか。
いったん距離を取り中腰になり構える。
「フッ!!」
俺の拳が空気膜を纏い振り抜かれる。
その衝撃が巨人の上半身を跡形もなく消し飛ばした。
巨人が生えていた場所には内臓が埋まっていて、巨人には下半身があることがわかる。
断面から細胞が盛り上がり、どんどん上半身ができていく。
数秒もすれば何事もなかったかのように巨人は再生してしまう。
「下半身も同時に殺らねばダメか」
引き抜くか。
巨人の生え際に駆け寄り背骨のあたりに腕を突っ込む。すると指先に何か固いものを感じたのでそれを指がめり込むぐらい力強く握り巨人を一気に引っこ抜く。
大地をめくりあげながら巨人は空を舞う。
少し力を籠めすぎたようだ。
空を舞う巨人に対して狙いを定め拳を振り抜く。
無様に中空で慌てる巨人は振り抜かれた勢いで発生した衝撃波によって跡形もなく消し飛ぶ。
「どうだ?まだ再生するか?」
再生できるような部位が残っていればいいけどな。
世界を静寂が覆い巨人が再生することはない。
あれほど人族や魔族、スズたちを苦しめた腐った巨人を殺すということは俺にすれば蟻を潰すに等しい行為でしかなかったのだ。
この戦いとも言えない後の虚しさ。
苦労して、いや、あまり苦労というほどのことをしたわけではないが、それらを経て手に入れた力をいまだまともに使える相手がいないというのは寂しいものだ。
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