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イジメられていた最強ですが何か?  作者: 千弥 瀧
第5章 人魔戦争編
76/110

72.白狐の九尾

先週投稿しなくてすみません

 ん?


「なんかスズの動きがおかしいな…………」


「そうか?まぁ先ほどまでよりいい動きをするようになっておるが」


「いや、スズがそのいい動きをすることがおかしいんだよ」


 現在腐った巨人から少し離れた場所で巨人とスズたちが戦っているところを観戦していたのだが、巨人がスズたちを圧倒し始めたころからスズの様子がおかしくなり始めた。


 目前の戦いに集中しているはずなのに、どこか違うところを見ているような違和感。

 それからだ。スズの動きがどこか野生染みてきたのだ。


 スズの戦いは基本的に冷静に判断し、思考し、現状にとって有利になる選択をする。

 しかしそれでは限界があるのだ。

 何もかもを一時思考し、それから判断する。それだと一瞬だが必ずラグが発生するのだ。

 そのラグが積もれば積もるほど、彼我の動きに差が生じる。


 それがスズが人外の領域に至れない理由だ。

 人外の戦いに思考なんて不要。思考している時間すら生死にかかわるのだ。

 

 それが今、変わっているのだ。今まで変わりのなかった戦闘スタイル。これは他人から教えられても変われない。だから自分で気づけるまで教えないことにしていたのだが、今それに気づいたのか?


 しかし様子の変わりようが急すぎる。何か外的要因か?そんなものあったかな…………あ、そう言えば文字化けしたスキルがあったな。

 確か最後に見たのは迷宮200層目の時だったか。


 あの時のステータスっていえば確か……、


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前{}スズラン Lv.521


種族{}獣人孤族


年齢{}15


称号{}魔物殺し 異端の物 嫌われ者 人斬り 精神強者 魔物の敵 


職業{}冒険者


体力{}1556/1556

魔力{}1741/1741

敏捷{}1844

筋力{}1601


スキル{}白狐の恩恵 ??????


属性{}火 水 光

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 だったな。

 スキルの欄は今まで『白狐の恩恵』しかなかったんだけどあの時見たら『??????』が増えてたんだよな。

 他に要因と言えそうなものはないしなぁ。

 やっぱスキルか。


 ここからでも鑑定は使えるしな。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前{}スズラン Lv.521


種族{}獣人孤族


年齢{}15


称号{}魔物殺し 異端の物 嫌われ者 人斬り 精神強者 魔物の敵 


職業{}冒険者


体力{}1556/1556

魔力{}1741/1741

敏捷{}1844

筋力{}1601


スキル{}白狐の恩恵 白狐九尾憑依


属性{}火 水 光

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


 あぁ、やっぱり。今までクエスチョンマークになっていたところが変わっている。

 『白狐九尾憑依』か。これが文字通りの意味なら白狐が憑依するって感じか?


 白狐九尾と白狐の九尾。

 昔ジンとミーシャから聞いた白狐の九尾テウメと関係ないとは言えないよな。

 やっぱり禁忌とテウメは関係があったのかもな。しかもスズはテウメと同じく狐だし。


 そんな思考をしながらスズを観察する。

 まただ、また変わった。スズの動きがどんどん人間離れしだして動物のような、本能のまま動いているって感じだ。

 今まで考えて動いていた分、思考を捨てた今のスズはさらに早い。思考が本当のステータスの動きを阻害していたからだ。


「そういえばそうじゃな。スズにしては珍しい戦い方をする」


「獣っぽいな。スズのステータスに新しいスキルが増えていた。『白狐九尾憑依』ってやつなんだが、何か知っているか?」


「白狐九尾か。おそらくテウメの事だと考えて妥当じゃろうな」


「やっぱりテウメのことで間違いないよな」


「名前から考えてテウメがスズに憑依するということで間違いないじゃろうが……格と存在が違う魂がスズに宿ってどれだけの影響があるかわからぬぞ」


 アビスを封印したときにもいたロベリアが言うなら間違いないだろう。

 そして今、『白狐九尾憑依』でテウメがスズに憑依しようとしている。


「まぁスズが決めたのなら俺が文句を言うことはないだろう」


 今はスズに任せるとしよう。

 何やら変わろうと努力しているみたいだしな。今俺が手を出すわけにはいかないだろう。

 それにもう手遅れのようだし。


 スズの体が輝きだす。

 スキルが発動したのだろう。

 眩しく輝くスズのシルエットが変形しだした。二足歩行から四足歩行へ、指は縮み握っていた短剣は体に同化し前足の肘のあたりから生えてきた。そして皮膚はふさふさと真っ白な毛げ覆われ、今まで一本だった尾がさらに八本増え九本に。


 光が収まり中から現れたのは、九尾の白狐だ。


「第二ラウンド、かな」


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