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イジメられていた最強ですが何か?  作者: 千弥 瀧
第5章 人魔戦争編
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69.参戦

 あの巨人のステータスが段々と上がりだしている。

 もともとステータスが高すぎて人族軍も魔人族軍も手こずっていたというのに、更に地力の差が開き今や戦場は地獄絵図となっている。

 両軍ともにいまだ戦えているものはおらず、立っているだけでも精一杯という感じだ。


「これはもうだめだな」


 ステータスの差がすでに連携や数の差で埋められないほど開いている。


「あ、また、一人、飛んで行った」


「どうするのじゃクロ?このままじゃと皆殺しにされるぞ?」


「そ、それは困るっ!は、早くアナたちを助けなくてはっ」


「一人で突っ走っちゃだめだよエマ。行くなら私たちも一緒に」


「そうだな。まだステータス的にはお前らだけでも相手できるだろう」


 今のステータスは大体2000弱。

 スズたちが力を合わせればまだ戦えなくはない。


「それに、鍛えるのにも、丁度、いい」


「んじゃ行ってこい。倒しきれなかったとしてもどうとでもなるから」


 こいつが完全状態になったとしても俺のステータスより断然低い。

 本当は俺がちゃっちゃと倒してもいいんだが、こういう場は生かさないと。

 スズたちはもう普通に鍛錬しても意味ないからな。


「ん」


「よしっ、がんばろぉ」


「妾はクロと見学じゃな。妾が混ざったらすぐ終わってしまうからのう」


「わ、私も行った方がいいのか?」


「当たり前だろ。エマも行ってこい」


「うぅ……。あんな気持ち悪いのと戦うのか」


 まぁ、わからないでもない。肌は変色して所々腐ってて、骨が露出している個所もあるし。

 

「それにしてもスズと美咲。躊躇いもせずあいつと戦おうとしたな。あんな気持ち悪いの相手に。普通の女の子らしい思考じゃないよな」


 美咲は元々躊躇いがないとこがあったが、出会ったころのスズはもうちょっと女の子らしかった。


「なっ、ち、ちがう、のっ!これは……」


「クロ君のためなら火の中水の中戦場の中だよっ」


「ちょっと美咲の愛は重過ぎるぞ」


 俺でも少し引くぐらいだ。

 まぁ思われて悪い気持ちはしないが。


「我も混ざろう。このまま置いて行かれてはたまらんからな」


「ゼロもがんばれよ。最近追いつかれてきてるからな」


「行って、くる」


 そう言ってスズたちは自分の獲物を握って行ってしまう。

 さて、あれ相手にどれだけ頑張れるだろうか。


「なぁロベリア」


「なんじゃ?」


「どれくらい持つと思う?」


「そうじゃなぁ。頑張って1時間かのう」


「そんなに持つか?」


「クロはどう思うのじゃ?」


「……30分かなぁ」


「随分と短いな」


 まぁスズたちも強くなったからな。強くなった。本当に強くなった。

 だが、


「まだまだ人外には程遠いからな」


 あれを倒すなら人の内では無理だろう。

 人をやめ、化け物と呼ばれ、異常と自他共に認められる。

 その域に足せねば、あの巨人には勝てない。

 俺にも届かない。


「ではかけてみるか?」


「かけ?何を掛けるんだ?」


「そうじゃなぁ。だったら負けたほうが勝った者の言うことを聞く。でどうじゃ?」


「まぁいいけど。どういう判定で決めるんだ?」


「戦いが終わった時間が近い方の勝ちでいいじゃろ。もし中間の45分であったのならば……」


「両方の願いを少し叶える。でどうだ?」


「おぉ、それでいいじゃろう」


 楽しみじゃなぁ。そういうロベリアの隣に腰を下ろし、観戦に徹する。


「どれだけ持つかなぁ」

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