68.偽神
「何が起こってんだ?」
「わかんない。クロ、あの巨人に、心当たりは?」
「俺にあんな気持ちの悪い巨人の知り合いなんて……ん?あの巨人どっかで見たことあるような……」
全く何が起こっているのやら。人族と魔人族の両軍が対面したら影竜を数十対召喚して相手をさせようかと思っていたが、突然現れた腐った女の巨人によって戦場は俺が望んだように人族軍と魔人族軍の共闘へ。
俺の役割を取られて少し不機嫌だ。
「しかし謎だな」
「だねぇ。というかあの巨人、迷宮のあれに似てない?」
美咲がそんなことを言うことで思い出したが、そういや確かに、
「似てるなぁ。所々腐ったり変色したりしてるけど」
「でもあ奴はクロが殺しておったじゃろ?」
「あぁ、確かにとどめを刺したはずだが……」
あの時、ボロボロにしてグシャグシャのグチョグチョにして、アイツの影を喰ったはず……、
「あ」
「どうした、の?」
「そういや影は喰ったが止めはさしていなかった」
俺の能力は影を喰って相手のステータスを奪うだけで、相手を殺すことはできない。
「いやぁうっかりうっかり」
「それでもおかしくない?」
「そうじゃな。力を失ったアビスがこのような状況になっているのはおかしい」
「だ、だったらクロ殿がちゃんと食うことができなかったとか……」
「いや、食い残しとかはないはずだ。だからこれはアビスが起こしたことじゃない」
「つまり、アビス以外の何者か、それも神に干渉できる程の力を持つ者の仕業ということじゃな」
そんな奴限られてくる。相手はユニットを超えた存在か、もともと存在する神か。
「創造主ぐらいじゃろう。妾とアビス以外に神がいたなど聞いたこともないからのう」
「でも犯人が創造主だという証拠もないからな」
こういうのに詳しい奴がロベリアだが、ロベリアもわからないらしいし。他に聞ける奴なんて……聞ける?
「……わ、忘れてた。シルス?」
『………』
「お、おぉい」
『……』
「クロ?どうしたの、一人で喋って」
「あぁ、前にも言ったことなかったか?俺のサポーター」
「聞いた、ことない」
ん?言ってなかったか。
「サポーター。それは神やそれに近い存在に創造主から与えられる存在じゃよ。わからないことがあればサポーターに聞くことができるのじゃ。いわば説明書や辞書みたいなもじゃな。ついでに言えば妾も持っておるぞ」
「やっぱロベリアも持ってるんだな」
俺やロベリア以外はよくわからないといった顔をしているが、まぁこのことはそこまで知る必要もないからな。
「ま、それより。なぁシルス。そろそろ返事をしてほしいんだが」
『……なんでしょうか主様』
「な、なんかよそよそしくないか?」
『いえ、そんなことはありませんよ主様』
「呼び方もなんか違うし。しばらく呼ばなかったこと怒ってるのか?」
『そんなことありません。私は一サポーターにして主様の道具にすぎません。主様が必要なとき以外、私の存在意義はありませんし』
「いや怒ってるよな?」
『怒っていませんし』
絶対怒ってる。というか何故にサポーターに感情があるんだろうか。ロベリアのサポーターもこんな感じなのだろうか?
「忘れてたことは謝るよ。それより今は少し聞きたいことがあります」
『……なんでしょうか』
まだ不機嫌っぽいが質問をしたことで少し嬉しそうだ。
「あの巨人って創造主の差し金かわかるか?」
『……確かに、創造主様の力がほんの少し、感じ取ることができます。それともう一つ。これはアビスの力ですね』
やはり創造主か。いったい何の目的があってこんなことをしているんだろうな。創造主は。
「全くわからん。が、今はどうでもいいか。まずはこっちをどうにかしないとな」
人族軍と魔人軍の共闘は勇者という足手まといのせいで本当の戦いをできていない。連携をしようという時に勇者が何も考えずに大技を出し、ダメージを与えられず、ダメージを入れられるというところで、勇者がミスを犯しそちらの対処へと。
「ま、勇者がいなくともユニットだけであれを殺すことはできないだろ。ステータスがあれじゃぁなぁ」
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名前{}偽神
体力{}6666(666)
魔力{}6666(666)
敏捷{}6666(666)
筋力{}6666(666)
能力{}増殖
見活性化状態{}ステータス1/10に減少中
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久しぶりにいろいろな設定が出してみました
シルスの場面ちょっと強引すぎるかもしれませんが気にしないでいただけると嬉しデス