66.アナ・エレべリア
先に言い訳させてください
最近休みの日が忙しいんです!
先週投稿しなくてすみませんでした
巨人が現れてからすでに数十分経っている。
戦場はいまだ乱戦状態。巨人の叫びに呼応するように体を腐らせ始めた自軍の兵に戦場をかき乱される。奴らはクルド一派とつながりを疑われていた奴らだ。
この現象は自軍だけではなく人族側でも起こっているようだ。ここから観測できるだけで奴らのほうでは協会関係の人間に起こっているようだ。
やはりクルドと人族の協会は何かしらのつながりがあるようだ。それがこの現象にどうつながるのかはわからないが。
「これは、どういうことなのですか姫様……」
これがクロ様がしていることなのでしょうか。しかし、これは……。
「ですが今は信じるかもしれませんね」
魔王エマ・S・ハイアットのお傍付きにして魔王軍第一元帥アナ・エレべリア。
「必ずや姫様のお役に立って見せます」
そのために、まずは現状を理解することにしよう。
まずこの人が腐敗し敵対行動をとる現象を『腐人化』と仮称しよう。
腐人化のもっとも厄介な要点はうつるということだ。初めに腐人化した数は十数人。一応クルドの手が届いていなそうなやつを選んだが、甘かったようだ。
腐人化は腐人化したやつに噛まれると腐りだす。それ以外の攻撃、例えば剣、例えば爪、例えば弓などでは腐らない。
しかし、この噛みつきは死体にも効果を表す。まぁ体が腐っているのだ。生きているのか死んでいるのかなど関係ないのだろう。
「この現象を腐人化と仮称。腐人化したものを腐人とする。腐人化したものは敵とおもいなさい」
「し、しかしっ。仲間を殺すなど……」
「別に殺す必要はありません」
「で、ではどうすれば」
「殺さずに時間を稼いでいただければ結構です。しかし、まだ腐人化していないものの危機の場合は迷わず殺しなさい。でなければ……」
次は自分の番かもしれないのですよ?
言葉にはしてないが雰囲気から感じ取ったのだろう。無意識に背を伸ばしている。
「腐人の噛みつきには十分気を付けてください。奴らの噛みつきには腐人化させる効果があるようです」
「はっ。それで、あの巨人はどうしますか?」
「そうですね、私たちだけであの巨人の相手はきついでしょう。だから、まずは人族の出方を伺いましょう」
人族側に対話する気があるというならば、協力することもいとわない。というか是非とも協力したい。そうすれば姫様たちの役にも立ちます。
「さて、人族はどうするのでしょうか」
人族の軍もおおよそ私たちと同じような作戦に出ている。
腐人の対応はできているがやはり巨人の相手はまだできないようだ。それはこちらも同じ。一軍じゃあの巨人まで手を回せない。そのことを向こうの対象も理解しているはず。
敵将デニス・ヴィルソンはよく頭が回る。それに協会に毒されておらず、王族崇拝もしていない。デニスは兵としては優秀だが王国の中ではちょっとした問題児と言われいている。
「敵将がデニスでよかったです。彼ならば話を聞いてくれるでしょう」
そう考えてデニスのほうを見ると丁度目が合った、様な気がした。
『対話を申し込む。この場を打開するために共戦したい』
ただ光る魔法でそう信号を送る。人族が使う一般的な信号なため意味は伝わっているはずだ。
『聞き入れよう。西方向にある丘で待つ』
すこしまつと魔人族の信号でそう返事が来た。
「さすがデニス・ヴィルソンです。話がよくわかる」
これならこの状況の打開策も出てくるだろう。
「イリヤ!」
私の直轄の部下を呼ぶ。
「はっ」
「この場を少し任せます」
「了解しました。警護はお付けしますか?」
「いりません」
私はそう言って戦場を離れる。
デニス・ヴィルソン。はたして噂道理の問題児なのか、はたまた王国の飼い犬なのか。
今回の主役はアナさんです。
アナさんは怯えるだけのメイドじゃないのですよ
次回、ついに魔人族と人族の夢のコラボが!?




