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イジメられていた最強ですが何か?  作者: 千弥 瀧
第5章 人魔戦争編
62/110

58.女神の僕

新章開幕です

ぜひ読んでいってください

 これはクロ一行が魔大陸にやってきて数日たった時間帯の話である。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 勇者たちが召喚された城の一室。そこには白装束の禿げたおっさんが偉そうに高そうな椅子に深く腰かけていた。部屋はそこら中がキンキラキンに光る高そうな備品が所狭しと並べてある。趣味の悪い部屋だ。


 禿のおっさんはこれまた高そうな酒を飲んでいる。

 仕事終わりに一服しているところなのだろう。

 しかしそんなひと時を壊す足音が近づいてきていた。


「イウラン様!緊急報告です!」


「はぁ……、どうした?」


 バンッ、と扉を開けた入ってきたのはイウランの側近の一人だった。

 どうせ今の時期で緊急報告と言ったらクルドからだろう。魔王の討伐成功の報告だろう。


「なんだ、クルドの奴が魔王を殺せたのか?」


「い、いえ。違うんです!」


「ちがう……?それ以外に何の報告が」


「く、クルド様が……、クルド様が殺害されました!」


「…………は?」


 今こいつは何と言ったんだ?


「クルド様が、殺されたんです!」


「な、何を言っている!奴は女神様に加護を授かっているのだぞ!?奴を殺せる奴はそういないはずだ。まさか魔王の小娘か!?だがクルドに聞いていた話じゃ小娘にそんな力はなかったはず……。魔王派にも奴を殺せうる奴はいなかったはずだ。……誰が殺った?」


「そ、それが……黒髪に黒いローブを羽織った青年、だそうです」


「そいつは魔王派なのか?」


「いえ、違います」


「まさか……クルドの配下が裏切ったと?」


「それも違うんです!」


「では、そいつは何者だ!」


 魔王派でもなければクルドの配下でもない。それ以外の派閥などいなかったはずだ。ならばその小僧は何者なんだ……。


「わかりません……」


「わからないだと?」


「魔王派とクルド様派の衝突の寸前に突如として現れたそうです。そしてクルド様と戦闘になったそうですが……、クルド様は防戦一方、どころか手も足も出ず蹂躙され、思い出すのもはばかれる恐ろしい拷問をされた、と。その報告をしに来たものはクルド様の直属の配下でその場にもいたそうなのですが、その怯え様と言ったらただ事ではないと推測されます」


 あのクルドが手も足もです蹂躙された?冗談はよせ。あいつはもともと前魔王の宰相としてそれだけの力を持っていた、しかも加護を受けさらに力は増していたというのに、それを蹂躙できるだけの力をもつものが現れただと?


「そいつはこれからの計画の邪魔になるかもしれないな。速めに潰して起きたいが……、そいつがどこに行ったのかわかっているのか?」


「恐らくは……、大迷宮【地獄の門】に向かったと思われます」


「【地獄の門】か。ク八ッ、まさか自分から死にに行ってくれるとはな!」


 あそこは女神様の住まわれる聖域。女神様のお手を煩わせるのは心苦しいが、我々では荷が重すぎる。その小僧が迷宮で死んでくれれば女神様復活の糧となり、我々の計画を邪魔されることもない。まさに一石二鳥。


「その小僧については放っておけ。それより計画の進行を早め、勇者たちの育成にも力を入れろ。そろそろ、戦争を始める。そのぎりぎりまで力をつけさせろ。行けっ!」


「はっ」


 その言葉を残しイウランの側近は部屋を出ていく。一人部屋に残るイウランはまた椅子に深く腰掛ける。


「あぁ、女神アビス様……、あなた様の忠実なしもべたるこの私めに、どうかあなた様の慈愛を……」


 イウランは恍惚な笑みを浮かべ酒を飲むのだった。











 その女神とやらが無残に敗れ、自分の背後に死神が大鎌を携え近づいてきていることを知らずに。

イウラン覚えてます?

自分も存在は覚えていたんですけど名前は完全に忘れてました

だれ?という方は【1.異世界召喚】をご覧ください

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