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53.迷宮第120層

戦闘って、難しいですね

 なんだかすごい音がする。多分クロが何かやらかしているのだろう。それより今はこちらに集中しなければ。

 私の目の前には私とうり二つの姿を持つ少女が短剣を握ってこちらに向かってきている。


「ふふふっ。逃げてるだけじゃ終わらないよぉ」

「っ!」


 そう言って私の首めがけて短剣を振ってくる。それを後ろに跳んで避ける。


「仕方、ない…」


 このまま待ってたら多分クロがきてくれる。でも、それじゃクロに甘えることになる。私は甘えるばかりじゃなくて一緒に戦いたい。クロレベルになるのは無理でもクロに守られるだけじゃいやだ!


「ふっ!」


 振りぬかれた偽物の短剣を潜り伸びきった肘を掌底で打ち抜く。偽物の肘が逆に折れ曲がり短剣を取り落とす。そこを狙って首狙い突きを放とうとするが廻し蹴りで防がれる。


「あらぁ。折れちゃったぁ」


 偽物は折れた腕をふらふらさせてふふふっと笑う。まるで痛みを感じていないかのように。いや、実際感じていないのだろう。さっきまで折れてふらふらしていた腕がすでに治っている。


「あはぁ、驚いた?私のもとの体って関節とかないんだぁ。だから関節技は使えないよぉ」


 関節技は使えないと。


「だったら、斬ればいいだけ」


 腰につるした短剣を抜き放ちまずは足を止める。身を低く倒し地を這うように。偽物のアキレス腱を狙い短剣を振るうが半歩足を引かれ避けられる。


「あらぁ、危ない危な、いっ」


 地を這う私の顔めがけて引いた足を振り上げ蹴りを放たれる。


「っっつ!」


 それを身を捻り避ける。そこからいったん距離を置く。


「ふぅ…ふぅ……」


「あらら?つかれちゃったぁ?だったらおねんねしないとねぇ」


 偽物は疲れた様子がない。これも関節と同じく体力は無限ということが考えられる。このまま持久戦に持ち込まれては私は不利だ。ならば……。


「っ…」


 地を踏みしめ一気に偽物の腹部に向け突きを放つ。それを偽物は拾い直した短剣で逸らされる。が、接触した短剣同士の間から途轍もない光が溢れ出す。


「っ、なにをっ!」


 偽物は唐突な閃光に反応できず目を潰されてしまったようだ。そのすきに音をできるだけ立てず近づきアキレス腱を切りつける。


「ぐ、アガァッ」


 やはり斬られることだとダメージを負うようだ。打撃も効くようだが斬撃のほうが良いようだ。 

 アキレス腱を斬られたことによって偽物はまともに動くことはできないだろう。閃光につぶされた瞳を強く瞑り顔を苦渋に染めている。あの閃光は効いたようだ。あれは光属性の魔法。フラッシュだ。ただ光を放つ魔法だ。込める魔力の量で光の強さは変わる。


「く、クソガァ!」


「口調が、崩れてるよ?」


 叫ぶ偽物の背後から心臓のあたりを一突き。


「グハァッ」


 偽物が口から大量の血を吹き出す。


「ぐ、クぞ、がぁ……」


 偽物はそれを最後に地に崩れ落ちた。


「ふぅぅ……」


 終わった。壁の一部がゆっくりと消えるように開く。


 次の部屋のようだ。早くクロに会いたいなぁ。

短くてすみません

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