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49.迷宮第37層

先週投稿しなくてすみません


「うらぁぁぁっ!」


 あ、また魔物が吹っ飛んでいったよ。

 あ、大きな岩が吹き飛んだぁ。


「す、スズ、しっかりするのじゃ!現実逃避しても現実は変わらないぞ!」


「だ、だって。丘が、消し飛んでる……」


「ちょっと実際に見てみると迫力がすごいわね」


 あ、また丘が吹き飛んだ。


「と、とにかく。どうやってクロ君を止めるかだよね」


「クロ、今の状態だったら、名前呼んでも、気づかなそう」


「じゃな、どうするか」


 むぅ。


「クロが満足するまで待ったほうが楽じゃないかな?」


「それはやめといたほうがいいじゃろうな。クロの力がだんだんと増している。このままいけば迷宮を片手間に吹っ飛ばすほどの力で暴れだすじゃろうな」


 世界が、滅亡する……。


「はやく、止めないとっ」


「いまは大体400~500というところじゃろうな」


「何が?」


「ステータスじゃよ。妾のステータスは5000越え。今のクロなら止めれるが、そのせいでヒートアップされても困るからのう。クロを刺激しないように止めねばならぬ」


 改めてロベリアとの差を感じる。私のステータスは約三百。迷宮に入ってから相当上がったというのに差は縮まらない。


「そうだねぇ。だったらロベリアには囮をやってもらおうか。その間に私たちがクロに接近する。触れれるほど近くに接近できたらその先はスズの出番だね!それまでは私が必ず守り切って見せるから」


「私が……?」


「彼氏を止めるのは彼女の役目でしょう?」


 そうだ。私はクロの彼女だ。クロを止めるのは私の役目!


「いこうっ」


「うんっ」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ロベリアが走る。地面を爆ぜさせながら目にも止まらぬスピードで。


「クロや。こっちじゃこっち」


 クロの視界の端っこをうろつきながらクロの気を引く。


「ぅらぁぁっ!」


「うおっ!?」


 クロが腕を振るった際の衝撃を間一髪裂ける。


「ロベリア、よくあれを、避けるね……」


「だね。さっ、スズ。私たちの仕事を始めようか」


 私たちの仕事は、ロベリアがクロの気を引いている間に視界からクロへと接近すること。

 

「飛来物は私に任せて!絶対にスズに届かせないから」


「ん、任せる」


 ミサキを信じ任せる。ここまでミサキと二人で頑張ってきた。だからコンビネーションもバッチリ。


「GO!」


 ミサキの合図に同時で走り出す。


「しっ、はっ、やぁっ!」


 クロの衝撃波で飛んでくる物は全てミサキが叩き落してくれる。私はただ走るだけ。


 クロまでの距離約30m。私が本気で走れば一瞬で接近することが可能。だけどそれは飛来物を気にしなければの場合。私のスピードも相まって飛来物にぶつかればかなりのダメージ。だからペースはできるだけ落とす。なおかつその場で出せる全力疾走。


 あと、10m……っ、クロが振り向いたっ。


「はぁぁぁぁっ!」


 こちらに向けて腕を振りぬく。それだけで嵐が可愛く見えるような強風が襲ってくる。


「きゃぁぁっ」


「スズっ」


 とっさにミサキが私を受け止めてくれたおかげで吹き飛ばなくて済んだ。


「もう、一回!」


 さっきは急ぎすぎた故にクロに気づかれてはならないという条件を忘れ特攻してしまった。次は、飛来物を気にしながらできるだけ速く。且つ隠密行動。


「疾っ」


 できるだけ足音を立てずに、速く、もっと速く。正確に、飛来物はミサキがどうにかしてくれるはず。だったら私は最低限の警戒だけ。速く、静かに、正確に!


 後、10m


 後、7m


 後、5m


 後、3m


 後、1m


 手が、届い……、


「うん、かなり強くなっているな」


「え?」


 そこには微笑みを浮かべるクロがいた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「あ、れ……?」


「ん?どうした?」


 あ、れ。あれれ?


「く、クロ?」


「どうした?」


「いや、私、クロを、止めよう、と」


「止める?なんで」


 おいかしいな?


「だって、クロが暴走して」


「暴走?何のことだ」


「暴れて…」


「力試ししてただけだ」


「私たちが、近づいても、止まらなかった……」


「スズたちがどれだけ強くなったか知りたくて」


 じゃ、じゃぁ。私たちが頑張ってたの、無駄……。


「あは、あはは」


「お、おい?どうしたスズ?」


 もう疲れた……。

ついに一周年ですよ

イジメですか一周年記念ですよ!

こんなに続けられるとは思っていませんでした

これも皆読者様のおかげです

ありがとうございます

これからもよろしければ読んでいってください

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