46.迷宮第37層
短いです
すいません
それと遅れてすいません
迷宮第37層。そこには黒くぼろいローブを羽織った男と全身鎧の高身長の人型がいた。皆さんもわかっていると思うがクロとゼロだ。
力試しをするために階層を降りていたのだ。2、3階層だけだともしものことがあった場合スズや美咲たちを巻き込んでしまうかもしれないから適当にいっぱい降りてみたのだ。現在何階層にいるのかもクロ達はわかっていない。
「さて、結構降りてきたしここらへんで大丈夫か」
「そうだな。ここなら主の嫁たちに影響もないだろう」
「おい、嫁たちってのは何だよ」
「お、そうだったな。嫁候補たちだったな。わかっておるわかっておる」
「絶対わかってないな……」
ゼロは全身鎧のため表情なんか見えないのだがニヨニヨしているのが雰囲気から丸わかりだ。そんなゼロは早く力試しをしようと持っている剣をぶんぶんと振り回している。
「まずはゼロの本気を見てみたいな。それにゼロのステータスでどこまでの威力があるのかわからないし。俺がはじめっから力を振り回して迷宮がぶっ壊れたりしてもらっちゃかまわんからな」
それもそうだな。とゼロは言う。
「さて、まずは簡単な素振りから始めるか」
ゼロは正面に剣を構える。そして頭上に剣を振り上げ短く息を吐きながら振り下ろす。
「フッ」
ブゥンッ。鋭い音をさせながら振り下ろされる剣。その風圧で剣先にあった丘が裂ける。
「……ぅおいっ。剣振るだけで丘が裂けるってどういうことだよ」
ゼロは俺のそんなつぶやきも聞こえていないようで振り下ろして剣先を斜めに振り上げる。今度は力強く踏み込む。踏み込んだ地面はえぐれ蜘蛛の巣状にひび割れる。
「ッ!」
またも空気を切り裂く。ついでとばかりに丘のてっぺんを消し飛ばす。
「すごい威力だな」
その後もゼロは剣を振り続ける。地形を変えていきながら。
零は夢中になっているようで時々こちらにも斬撃が飛んでくる。
「完全に俺のこと忘れているな……仕方ないな」
クロは時々飛んで来る斬撃を避けながらゼロへと近づく。
「ふ、ふふふっ…楽しいなぁ……」
「さっさと目を覚ませ、っよ!」
ゼロの背後に近づいたクロはおもっきし手加減して頭をはたく。それだけでゼロの頭は吹っ飛ぶ。
「!?あたまがっ。何が起こって……」
「あほ。夢中になりすぎだ」
「え…ってなんだこれは」
ゼロは初めてあたりの状態に気付いたようだ。
「全部お前がやったんだろうが」
「……そういえば、本気で剣を振るのが楽しくて周りのことなんか気にしてなかったな」
「時々俺のほうにも飛んでくるしよ」
ゼロはすまなそうに謝ってくる。
「まぁいいさ。今度は俺の番だな」
「主、くれぐれも我のようになてくれるなよ」
「大丈夫さ……多分」
「おいっ」
後ろから文句を言って来るが無視だ。
「初めての力試し……あぁ、楽しみだ」
そう言って笑うクロを見てゼロは本気で逃げ始める。
「ヒャッハー!」




