4.冒険者と登録
リーブル王国王都を出て既に3日経っていた。
王都から一番近い街、メルドまで6日かかる。それまで野宿だが、一ヶ月前まで技術の発展している日本で暮らしていて、その後に王都で暮らしていたから野宿にはかなり抵抗があったが、今まで倉山達にイジメられていた俺にはすごく広々とでき楽しめている。はっきりいって王都よりも暮らしやすい!
今でも襲ってくる魔物をキャラバンが雇った警護をしている冒険者と一緒に倒したり、あの使えない魔法をどう使えば良いかを考えたりと色々やる事があり暇にはならない。
警護をしている冒険者達、アハドさん、ルミナさん、カームルさん、リリースさんと一緒に魔物討伐しているうちにレベルが上がり今は6まで上がってる。
ちなみにアハドさんは男、20代後半、剣士職で武器は片手剣と盾、魔法属性は火らしい。ルミナさんは女、20代前半、支援職で杖と護身用にナイフを一本、魔法属性は水。カームルさんは男、30代前半、盾職で盾と短剣、属性は土。リリースさんは女、10代後半、盗賊職で短剣を二本投げナイフを三本、属性は見てないからわからない。
4人は同じ村出身だそうで性格はすごく優しい。俺が魔物と戦ってみたいと言うと快く了承してくれ更にサポートに徹して時には守ってくれたりもした。そのおかげで今は魔物と一対一でやっても楽に勝てる。
「本当アハドさん達には感謝ですよ。お陰で強くなれたし」
「いやいや。俺たちは少しアドバイスしただけだからな。ユージの飲み込みが早いからここまでになったんだよ。初めは一対一は無理そうだと思ってたけどまさかこんなに早く闘えるようになるとはね。警護手伝ってもらったから報酬も分けないとね」
「俺がこんなはやく強くなれたのもアハドさん達の教え方がうまいからですよ。あと報酬はいいですよ。手伝ったというより足を引っ張っ手た感じだし、それに魔物との戦い方を教えてもらえたんでそれで十分っす」
「ユウは欲ってものを持たないと。いつか誰かに騙されるぜ〜」
そんなことを言ってリリが笑う。
「リリーは逆に欲が強すぎなのよ。この前もそれで失敗したの忘れたの?ちょっとはユージ君を見習うべきよ」
と、ルミナさんが言えば、
「ハハハハッ!リリースは欲に素直だからな!まぁそのお陰で助かったことも多々あるわけだ!リリースらしくて良いではないか!ハハハッ」
と、カームルさんが豪快に笑ってる。
このパーティーはしっかりとした編成でパーティー仲も悪くなく理想のパーティーと言って良いだろう。確か冒険者達の間ではそれなりの信頼度を得ているという。
そんな話をしながら残り3日の旅も順調に進んでメルドに到着。
アハドさん達が「是非うちに来ないか?」と誘ってくれたが俺は気長にいろんなとこに行きたいから、メルドを中心に依頼をこなしているアハドさん達とは行くことができない。だから旅を終えもしこっちに戻るとしたらその時はお願いすることになっている。
リリとは歳が近くかなり仲良くなれて俺と別れる時拗ねてたりした。
この旅が終われば自分たちと一緒に来るもんだと思ってたらしい。地球にいた頃の俺はほとんどみんなに嫌われていたから、ここまで好かれていることがすごく嬉しかったりする。
アハドさん達と別れた俺はまず冒険者ギルドに行って冒険者登録することにした。
ギルドは木造建築で中は居酒屋も兼ねていて今も冒険者風の男や女達が飲んでいる。入った時にすごく視線を感じたが多分見ないかをだからだろう。
「いらっしゃいませぇ。あら、初めて見る顔ですね。私マヤと申します。宜しくお願いします」
「はい、俺は悠二です。よろしくです」
「ではどのようご用でしょうか?」
「冒険者になりたいんですが」
今俺は普通に話しているが内心すごく興奮していたりする。だってこの受付さん、うさ耳が生えてるんだぜ!やべぇ獣人だよ!ケモミミキタァァ!
「はい、わかりました。ステータスプレートはお持ちですか?」
「はい、持ってますけど」
「ではお貸しください」
受付さんは俺のステータスプレートを持っておくに行ってしまった。
しばらくすると受付さんが戻ってきた。
「はい、冒険者登録完了しました。こちらのステータスプレート職業の欄に冒険者と表示しております。冒険者にはランクがありそのランクを示すのがこのステータスプレートの色です。種類は黄緑色、緑色、水色、青色、桃色、赤色、紫色、白色、鼠色、黒色となり黄緑が一番下で黒が一番上になります。この色は10レベルずつで色が勝手に変わっていきます。今は9レベルですので黄緑色になります。その色に合わせ依頼を受けていただきたいので依頼版にはランクと同じ色になっており自分のランクと同じ依頼版から依頼を受けるようにしてください。これで一応説明は終わりですが何か質問はありますか?」
「いや、ありません」
「ではこれで終わりです。何かわからないことがあればいつでも言ってください」
冒険者になった俺はマヤさんと別れ今日泊まる宿を探しに行く。
明日は何か依頼を受けるため今日はぐっすり休むことにした。