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29.別れと目的地

2章完結です

勇者五十嵐が引き取られた後、俺たちはミーシャ達を探すためにギルドに行こうとしていたが声をかけられる。


「クロ!」


「ん?この声………………………………ジンか」


声をかけてきたのは今まで一緒に旅をしていた仲間、ジンだ。


「おいっ。なんだよその間は!まさか声も忘れてたのか!」


「どうでもよかったからな」


「ちょい!」


「嘘だよ。…てかさ、気になったんだが、右腕は?」


クロが言う通りジンの右腕の肘の少し上の辺りから何かに食いちぎられたような跡がある。


「…あはは、ちょいとな。魔物に食われちまった」


「は?」


「クロ…」


「ミーシャか」


ジンの後ろから緑髪の女性、ミーシャが現れる。


「私たち、クロが来る前からここで戦ってたの。その時、襲われそうになってた子供をジンが右腕を犠牲にして助けたの。右腕は完全に食われててその魔物を倒して胃の中を探したけど……出てきたのは腕の原型のない肉塊だったの」


「そうか……」


(シルス、ジンの腕どうにかできるか?)


『できる力は持っています。ですが個人に対しその様な力の使用は制限されています。腕の原型が残っていたのなら接着は可能でしたが』


(わかった)


『申し訳ございません』


(謝る必要はない)


「はははっ。まぁ気にすんな。腕がなくても生きていける!この状態でクロの旅についてくのは無理だろうから俺たちは故郷に帰ることにした。だから、ここでお別れだ」


「別れか…いつか会いに行くよ。お前達の故郷に」


「おう!いつでも来てくれ。歓迎するぞ」


「そうね、お母さん達もきっと歓迎してくれるわ」


「だな。それでクロよ、お前これからどこに行くんだ?」


「そぉさなぁ」


(なぁ、シルス。此処らへんでスズ達の強化をしたいんだが何処かいいとこあるか?)


『そうですね…ここから近くはありませんが魔大陸の奥の島に大迷宮ラージラビリンスがありますよ』


(迷宮か。どんなとこだ?)


『迷宮の名前は【地獄の門(ゲヘナゲート)】。今まで名高い冒険者、英雄などが攻略しようと試みましたが未だ最下層に着くことが出来ていないのですがその階層の多さ言えに地獄につながっているのでは?と言われるほどです。今攻略されている階層で120階です。120階で出てくる魔物は全てSSSランクの魔物です。その事からボスが発見されれば最低でもSSSランク外に制定されると言われています。新ランクですね。ま、異常者のクロ様からすればまぁまぁ楽しめる程度の遊び場なのでわ?』


ちょくちょく棘を挟むな…。


「近くはないがゲヘナゲートって言う迷宮があるらしい。まずはそこを目的地にするかな」


「どうして、迷宮に?」


「スズ達の強化をしようと思ってな。今回みたいな突然強い敵がやってくるかもしれない。そんな時はできる限り守るつもりだが絶対とは言えない。不測の事態が起きて守れない時があるかもしれない。だから自分の身は守れるようにしときたいんだ」


「そう、私も強くなりたい。いつも守られるだけじゃなくて、そばで戦いたい。クロにおいつないのは仕方ないと思う、クロは異常、だから……でも、足手まといで良いから、戦いたい。だからそこで良い」


スズがそういう風に考えてくれていたことに嬉しさが沸き起こる。そしてもう1人の同行人にも意見を問う。


「そっか、ありがと。…ロベリアはそこでいいか?」


「ん?構わぬぞ!妾も強い奴と戦うのは好きじゃからな!それにスズに稽古つけるのならちょうどいいじゃろう!」


「わかった」


「私もそこでいいと思うよ」


「決定だな。てことで目指すは魔大陸を超えたとこにある島だ」


「魔大陸って……現在の戦争相手の本拠地じゃねぇか。大丈夫か?」


「大丈夫さ、きっと」


「心配だが…ま、クロがいるしな。クロみたいな異常者に勝てるやつなんてこんな世界にはいないだろうな」


「否定しなかったら異常者が定着してきたな、おい」


「はははっ。スマンスマン」


「スズちゃんをちゃんと守るのよ?」


「ミーシャ、俺がスズに手を出させるわけないだろ?もしスズに手を出そうとしたやつがいれば国だろうが滅ぼすぞ?」


「クロ君なら本当にやりかねないから怖いのよね。馬鹿な奴が現れない様に祈っておきましょ」


その場で手を組み合わせるミーシャ。


「やりかねないって……確実にやるからな?徹底的に」


口元を三日月に歪めながら言うクロ。さらに強く祈るミーシャ。


「クロ…その表情、ゾクゾクする」


「いい、いいのぉ、鳥肌もんじゃわ」


「クロ君はぁはぁ」


「わからないわ……ねぇジン。最近はああいうのがいいのかな?」


引きつった笑みを浮かべるミーシャ。


「俺に聞くな、わかるわけないだろ。あの笑み怖すぎる」


完全に引いた表情のジン。


「まぁ兎に角最初に目指すのは魔大陸にある魔国シンゲルン」


「ん」


「良いのじゃ」


「頑張らないと!」


「主の側に我あり」


仲間の同意を得てクロは魔国へと歩みを進める。


次回は多分メンバー紹介です。

もしかしたら気が変わってそのまま進めるかもです。

まぁ兎に角これで2章完結、次は3章魔大陸編です。

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