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28.勇者騒動後編

どうも千弥です。

今回は前編後編と初めての形式でちょっと早めの更新になりました。

ですが今週の土曜にも出す予定(多分だよ?多分だからね?絶対じゃないからね?)なのでよろしくです。

「ちょっと待てよ!」


そう言って俺の言葉を遮ったのは勇者五十嵐(いがらし)だった。


「井鷹!俺n……美咲を連れて行くとはどう言う事だ!俺は許さないぞ!」


「あ?なんでお前の許しがいるんだよ…てか美咲が付いてこようとしてるだけだろ」


「ぐぅ、う、うるさい!兎に角美咲を連れて行く事は俺が許さない!それでも連れて行くというなら……実力行使d「やめろっ」…如何して止めるんですかガルドさん!」


五十嵐が腰に吊るした剣を抜き放とうとした時、その背後から2mはあるのでは?という大男が現れた。ガルドと呼ばれたその男は五十嵐の肩に手を置き制止している。


「タイチ、やめておけ。実力差がわからないのか?」


「……俺がそいつに負けると?この勇者な俺が、真の勇者な俺が勇者でもない井鷹に負けるはずない!くらえっ!」


五十嵐はガルドの制止を振り切りなかなかのスピードで接近してくる。


「とった!」


そう言いながら剣を振り下ろす。


「ユウくん!危ない!」


美咲がそれを見て飛び出してくるがクロに至ってそんな心配は必要ない。

美咲も先ほどの戦闘を見ていたのだからそれぐらいわかる。だが突然の事であったのと五十嵐が持つ剣の力を考えてこれから広がる惨状を思い浮かべ飛び出したのだ。


クロの前に立ち手を広げ目を瞑りながら来る痛みに備えるがいつまで経ってもその痛みはこなかった。


それを不審に思い恐る恐る目を開く。其処には美咲の額から20cmほどの所に静止している剣があった。


「え、如何して?」


自分の目からも五十嵐が寸止めではなく確実にクロを切りにかかっていた事がわかっていたのに、もしや自分が読み間違えただけでは?と思い五十嵐を見る。其処には驚愕に表情を染めた五十嵐がいた。力を緩めたような気配はなく、やはり寸止めしたようには見えなかった。


「……どうし、俺、え?…聖剣、なんで、傷……は?」


五十嵐は何か理解できないものを見るように目を見開いていた。

それを疑問に思いながら、五十嵐が止めたのではなければ何が止めたのか。それを突き止めるため五十嵐の腕から剣へ、その剣の剣先へと目線を送ると剣先の刃の部分に添えられた指先……指⁉︎


驚きながらもバッ、と振り向けば其処には手を伸ばすクロが。


「え?もしかしてこの指、ユウくん、の?」


「は?それ以外に誰の指だって言うんだ」


クロは切りかかってきた五十嵐を蹴飛ばすつもりでいたが、目の前に美咲が割り込んできた事で蹴る事が出来なくなったため受け止める事にしたのだ。指先で。


「う、うそ。聖剣を……指先で止めるなんて……」


「さっきの戦い見てたんだろ?それならこれぐらい出来るだろう」


「い、いや。それはそうなのかもしれないけど……それ、聖剣なんだよ?」


「へ〜これが聖剣か。何か…残念だな」


「っ、井鷹ぁぁぁぁ!貴様俺の聖剣を愚弄したな!」


五十嵐はクロの言葉を聞いており、クロの言う「残念」が含む意味を理解(指先さえ切れない鈍と馬鹿にされたと思っているが、実は派手すぎて神々しさの欠片も感じない事への残念だったが愚弄したことには変わりない)し激昂する。


クロの指先を切り裂こうと力をさらに込めるがまるで切れそうにない指先へ焦りを感じる。


「ぐああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎」


「そろそろ邪魔だ」


クロはその言葉を言い終わると美咲をどかし聖剣を取り上げる。


「くっ!それをかえゼバァッハ!」


クロは聖剣を取り返そうと無防備に近ずいてくる五十嵐の頭部に蹴りを放つ。

五十嵐は10m程吹っ飛ぶと顔面から着地し綺麗な鯱鉾しゃちほこを描きながら滑走する。


「お、おい!た、汰一大丈夫か!」


「た、汰一くん⁉︎」


「あーったく。言わんこっちゃねぇ。大丈夫かタイチ?」


飛んで行った汰一を神崎、北上が急いで追いかけ、ガルドはゆったりと歩きながら安否を尋ねる。


「ユウくん…容赦ないね」


「なんだビビったか?」


「んーん!いつも通りのユウくんだなって懐かしく思ったの」


「ちょ、ちょっと美咲!これのどこが地球にいた時の井鷹だって言うのよ!どう見たって正反対でしょ!」


五十嵐を追いかけて行った北上からツッコミが入る。


「何言ってるのかな薫は?ユウくんは昔っからこんな感じで容赦がなくて冷酷無比な魔王様だよ?うぅ、かっこよかったなユウくん……中学生になってからは段々外にださなくなっていたけど」


「う、嘘でしょ。私が覚えてる井鷹と美咲の覚えてる井鷹は別人なんじゃ?」


「北上……俺もそれ思った」


美咲との会話に呆然とする北上の意見に神崎が同意する。


「ダメだなこりゃ。完全に伸びてやがる。まぁ半日もすれば起きるだろう。おい、ソウジ、この馬鹿を宿屋に運んでやれ」


五十嵐の様子を見ていたガルドが神崎に五十嵐を宿まで運ぶように命令する。


「あ、あぁ。わかったよガルドさん。北上、行くぞ。山城はどうするんだ?」


「ごめんね神崎くん。私ユウくんに着いてくから」


「美咲!本当に井鷹について行っちゃうの⁉︎」


「うん。ごめんね薫。私、ユウくんに着いてく」


「美咲、考え直しましょ!私たちと一緒に王城へ帰りましょう!」


「ごめん。私もう決めたから」


「美咲…」


北上は知っている。こうなった美咲はもう何も変えないことを。


「わかったわ…」


「ごめんね。王様達によろしく言っておいて」


「わかった、…いってらっしゃい」


「行ってきます!」


それを最後に北上達は街へと戻って行った。それを見た冒険者達も仲間をつれ戻っていく。


去って行く北上達の背から振り返った美咲の瞳は潤んだように輝いていた。


「泣きそうになるぐらいなら一緒に王城へ行けばいいじゃないか」


「うるさいよユウくん!約束破るようなユウくんは見張る必要があります!」


「何言ってんだよ」


「……もうユウくんと離れたくないんだよ」


「……ついてくるなら1つ条件がある。此処での俺の名前はクロだ」


「でもユウくんって名前は大事だし……」


「別に名前を捨てる訳ではない。地球に帰ったらどうせ悠二に戻るんだ。だからリベアではスズの付けてくれたクロを大事にしたいんだ」


「………わかった。じゃぁ改めまして、今日から一緒に旅をすることになった山城美咲、ミサキ・ヤマジョウです。よろしくねっ、スズ、ロベリア…クロくん!」


俺の仲間が禁忌、邪神、勇者とびっくり箱のようになっていく。


「のぉ主よ」


「うおぉっ」


「……我の事忘れておったの?」


「……忘れるわけないだろ」


「じゃぁその間はなんなのだ!」


……この日「無視なのか⁉︎」「うるせぇぞ」「うっ」


気を取り直し、俺の旅仲間に禁忌、邪神、魔族、勇者と個性豊か「クロ」


「どうした?」


「……ミーシャ達のこと忘れてる」


「あ」


この日異常者のパーティーが、禁忌、邪神、魔族、勇者、一般人×2と異常者に相応しい異常なメンバーとなった。

神崎と北上、初めの方から出てるのに何気初喋り

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