2.ステータス
「皆様。プレートはお持ちになられましたから?そのプレートは“ステータスプレートと言いまして、皆様がお持ちになっていられるだろうと思うスキルやレベル、魔力などを数値にしてそれを視覚化させてご覧になれる様になる魔道具です」
「へぇ、便利なもんがあるんですね」
今会話をしているのはイウランと五十嵐だ。
イウランが言っているのは先ほど白装束達(神者というらしい)が俺ら全員に渡していた金属でできている様なプレートだった。(なんか数が合わないとか言っていたがよく分からなかった)
プレートと一緒に針を渡され何に使うのか分からなかったが、どうやらステータスプレートに血を垂らして情報を読み取り表示させるらしい。
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名前{}井鷹 悠二 Lv.1
年齢{}18
称号{}巻き込まれた者
職業{}学生?
体力{}15/15
魔力{}14/14
敏捷{}17/17
筋力{}20/20
スキル{}言語翻訳 ステータス補正 鑑定 アイテムボックス
属性{}無
魔法{}影を補足する手
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(へぇ、凄く便利だな。巻き込まれた者…?)
「皆様、確認できましたでしょうか?称号の欄に何かの勇者、又は勇者と書いてあるだけかもしれませんが。それが確認でき次第こちらにご報告を願いします」
(え、勇者?何それどこにあんの?おっかしぃなぁ、何処にも勇者なんて書かれてないんだけど)
俺が項目から勇者と言う言葉を探しているうちにどんどん確認が進んでいく。そのうち数人のクラスメイトが俺の隣を歩いた時に聞こえたことに驚愕する。
「なぁ〜、ステータスどうだったよ?俺全部100越えしてたけど。あと属性4つあったぜ」
「あぁ、俺は全部120より上だったぜ。でも属性は3つだったわぁ」
「さっきあの神者さんから聞いたんだけど、この世界でのステータスの平均って10や20なんだってぇ。属性も普通は1つなんだって」
「まじかよ。ハハッ」
「俺らチートじゃん。アハハッ」
(は?なんだって?平均10か20だって?あれぇ?俺思いっきり平均なんだけど)
「む、あと1人確認されてないお方がいるはずなんですが?」
(あ、あとは俺だけ…)
「おいおい、落としてねぇの井鷹じゃねぇ?」
「そーじゃん井鷹ぁ。どぉしたよ?」
「まさかステータスが雑魚だったりなぁ。ヒヒッ」
「オラ、早く行けよ!」
倉山に押されイウランの前にたたらを踏みながら出る。
イウランの何故か鋭い眼光を向ける。
俺はしずしずとイウランにステータスプレートを見せる。
「むぅ。やはり、君は勇者じゃないのだな。それに無属性」
急にイウランの態度が変わる。さっきまではきみではなく貴方様とか言ってたくせに。それに敬語じゃなくなってるしまず目がゴミを見る目だ。
「は、はい。その様です…」
「プッ。ギャハハハハハハ。お、お前だけ勇者じゃねぇのか!グハハハ!」
倉山が腹を抱えて笑い出す。それにつられて他のクラスメイトも笑い出す。
「こ、こらぁ!笑うんじゃありません!」
小梅先生が怒ってくれている。
美咲も流石にこれには悪意を感じ目が鋭くなる。
「別に大丈夫ですよ小梅先生」
なんだか面倒くさい雰囲気になりそうなので俺が止めておく。
「そ、そうですか…」
いじられた方が止めてきたので先生も止む無く落ち着く。
美咲もどうやら大丈夫な様だ。
そしてイウランが俺へ適当にステータスプレートを返してきて話を進める。
「ではこれから国王様に謁見します。この世界では必ず勇者様を召喚すると23名の勇者様が召喚されます。まぁ今回は特例でおまけがついてきた様ですが」
その言葉に小梅先生や美咲がムッとする。
「これから謁見の広間にて行いますがくれぐれも粗相のない様にお願い致します。ではこちらへどうぞ」
そう言って俺たちを案内する。だが、
「イタカ殿でしたかな?君はこちらへ」
「?どうして俺だけ?」
「これから行うのは、国王様と勇者様方の謁見ですからね。貴方がいてはならないのです」
そんなことを言って俺1人別室に放置された。
その時美咲が文句を言っていたがイウランに説得され渋々といった感じに諦めていた。
俺は1人部屋の中でステータスプレートを弄っていた。
このプレートは詳しく知りたい項目があればそれをタップする事で細かい事がわかる様になっている。例えば、
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称号{}巻き込まれた者
異世界召喚で勇者を召喚する際に、なんらかのトラブル、あるいは事故が発生し異世界召喚に巻き込まれた者の事を言う。
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という感じだ。
俺が気になっているのは異世界者補正と無属性、影取りというやつだ。
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スキル{}ステータス補正
異世界から来た者に与えられるスキル。
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属性{}無
魔法属性が無属性である事を表す。闇、光、無は自属性でない限り使用不可。他の5属性は自属性でない場合に限り威力を半減、もしくは倍の魔力を用いて元の威力で使用。そして無属性は無属性以外の魔法は使えない。
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魔法{}影を補足する手
無属性の魔法で相手の影を取る事ができる。取る際は相手の影に触れて、その影をつかむ様に意識し引っ張る。その時一瞬だけ相手は動けなくなる。
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影を補足する手という魔法については使ってみなけりゃわからないと言う判断を下した。名前からは虫取りのように影を集めるみたいな事しか想像できん。
この魔法が本当に使えるのかすごく不安になるのであった。
どうも皆さん千弥です
始めたばっかでまだあまり見られていませんが先日初コメが届いて舞い上がっていました
これからもご指摘やご感想をお待ちしてます!
あ、あと“イジメられていた最強ですが何か?”の略を考えてるんですが何かのいいのあったら教えてくださると有り難いです