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21.アウトサイダー

どーもです

ブックマーク100件超えて嬉しくてはしゃいだ千弥です


ちょっとした宣伝なのですがまた他の話を投稿しました

名前は「面白おかしくを座右の銘にしている異常者が異世界で最強の問題児になるまで」ですのでよかったらみてください

滅びの領域にある山の頂上。そこには禍々《まがまが》しい雰囲気を放つ洞窟があった。


「なんか嫌な感じすんだよなぁ。なんかいんのかな」


「い、いないから、なにもいないから。はやく、か、帰る」


「中に入ってもないのにわからねぇだろ」


スズを連れて洞窟の中に入っていく。

洞窟の中は石レンガでできておりそこら中苔やヒビだらけだ。かなり昔のものだということが分かる。


道は一本しかないから迷うことはない。他に罠などがあったがクロには効かない。発動した後に気づいたとしても被害が出る前に対策できるスピードを持っているためどんな罠が来ても効きやしない。


そのまままっすぐ進むと途轍とてつもなく開けて空間に出た。そこは所々に光る苔が生え瀧が流れ中心には巨大な水晶が突きたっている物凄く幻想的な空間である。その中で1番目を惹き付けるのは巨大な水晶だろう。紫がかり50mはある天井にまで届いている。それだけでも目を惹きつけるには十分だが更に惹き付けるのは原因があった。


透き通る紫水晶の中に浮かんでいる金色の長髪をした少女だ。和風のドレスのようなものを着て眠るように目を閉じている。


(なぜか、なぜかあれに惹きつけられる。なにか、あの少女をどうにかしないと……)


ゆっくりと近づく。


「誰、なのかな。く、クロ。近づいて、大丈夫、なの?」


「わからないが…あいつをどうにかしないといけない気がするんだ」


「む、それは、どう言う、こと?」


「あ、あぁ、別に違うんだ。あいつに特別な感情は感じてないよ。そう言うんじゃなくてな、なにかをしたほうがいい気がするんだ」


紫水晶の中に浮かぶ少女は死んだように穏やかで、だが生きているように鮮やかで、なのに禍々《まがま》しさを含む不思議な雰囲気を放っている。


紫水晶に触れる。


その瞬間、体の中を何かが駆け巡る。


(嫌だ、嫌いだ、にくい、ねたましい、羨ましい、うざい、五月蝿うるさい、気持ち悪い、殺したい、殴りたい、壊したい、不味い、怖い、悔しい、苦しい、うらむ、恨み、欲しい、殺す、壊す、消す、殴る、殺す、殺す、殺す、殺す、憎い、殺す、殺す、殺す、妬ましい、殺す、殺す、殺す、殺す、怖い、殺す、殺す、殺す、殺す、嫌い、殺す、殺す、殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺)


「うがぁっ!」


紫水晶から手を離す。


「クロ!だ、大丈夫⁉︎どうした、の?」


「はぁはぁはぁはぁ……。なんだ…今のは……」


何かが体の中を。いや、心の中を駆け巡った瞬間、周りのすべてを呪うほど憎んだ。スズの事さえ憎く思ってしまった。


(今のは、多分負の感情だな。無数の負の感情がこの水晶にあつまっているんだ。だが何故そんなものが此処に、それにその中にいるんだあいつはなんなんだ……)


ピシッ


「?なんだ今の音」


何かにひびが入ったような音がした。


「く、クロ……あれ」


スズの方を向くとスズが紫水晶に向け指をさしていた。その指が指している場所に目線を向ける。そこには小さな、小指ほどのひびが入っていた。


そしてその罅からは先ほど感じたものと同じような雰囲気を放つものが滲み出ていた。


ビシビシピシッ!


先ほどの小さな罅が広がりどんどんと大きくなっていく。


「クロ……これ、まずく、ない?」


「拙い、かもな」


ビシャン!


遂に紫水晶が砕け散った。紫水晶があった場所には先ほどの少女が浮いていた。ただ、先ほどとは違いとじられていた目は開き青い瞳と赤黒い目が覗いていて、口元には薄っすらと笑みが浮かんでいた。


『フ、フキキケキャキャキャキキャ、ケケケキキキャキケキキャキャキャ。コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワスコワス。ゼンブメチャクチャニスル!』


その笑みの浮かぶ口からは少女のような女性のような、少年のような男性のような、太いような細いような、小さいような大きいようなと人が出すことが出来ないような音声が漏れ出てきた。その音声からは途轍もなく深い憎悪が感じられた。


『キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!コロス!』


少女は声に狂気を乗せクロに殴りかかる。その速度はスズでは完全に捉えることが出来ぬほどの速さでありクロがギリギリ視認できる速度であった。その事からこの少女はクロをも勝るステータスを持っていることが分かる。


「なっ、まずっ」


少女の拳がクロに触れる瞬間、


【ステータス値が限界を超えました。これより存在の再構成に取り掛かります。規定通りユニット()からオブサーバー(観測者)への再構成に取り掛かります。フェイル。原因詮索。ユニットNo.007865247189.タイプBの存在が規定の数値を遥かに凌駕していた事が原因と確定。存在の再構成先を捜索。フェイル。ユニットNo.007865247189.タイプBに当てはまる構成先の存在を発見することが出来ませんでした。存在の再構成先を形成に変更。ユニットNo.007865247189.タイプBに会う存在を形成します。形成案No.1、ワンダラー(放浪者)。フェイル。形成案No.2、クリエイター(創造者)。フェイル。形成案No.3、アウトサイダー(部外者)。セクサス。存在の再構成先をアウトサイダーに設定。これよりユニットNo.007865247189.タイプBの存在をアウトサイダーに再構成します。】


そんな声が頭に響きクロは闇へと落ちていった。

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