14.戦いの後
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辺りが静まる。風が吹く音が聞こえる。
目の前に首輪をしたサイクロプスの死体がある。
「っつ!」
あぁ、クラクラする。なにしてたっけ。あぁ、そういやスズを殴ったサイクロプス殺してたんだった。忘れて……ってそうだよ!スズは⁉︎ジンやミーシャは⁉︎
さっきまでのことを思い出してみんなを探す。少し離れた所にジンとミーシャを見つけ、まだ崩れていない建物の中に寝かせる。
ジンとミーシャの容態は身体中に擦り傷を作り4、5本骨が折れていて気を失っていた。
ジンとミーシャに買っておいた回復薬を飲ませてすぐにスズを探しに行く。
スズは少し離れた所に転がっていた。
「スズ!おいっ、大丈夫か⁉︎」
スズは息をしており死んではいなかった。だがこっちはジンとミーシャ達より少しひどく、5、6本骨が折れて結構出血していた。
スズにも回復薬を飲ませ出血している所にも回復薬をふりかけゆっくりジンとミーシャがいる家にい運ぶ。
その後は村の中を漁って清潔な布や包帯と布団、まだ食える食料を取ってきた。
俺は回復魔法が使えないので回復薬になる薬草を影達にとってこさせそれをすり潰し、傷口へ塗り包帯を巻く。骨折した腕や足はそこらへんに落ちていた木の棒と一緒に腕へと巻きつけ出血しているとこは清潔な布にすり潰した薬草を塗って包帯で押さえておく。
ジン、ミーシャ、スズを布団に寝かせたら、火をおこし村で見つけてきた食料を調理し食べる。
その日は朝まで火が消えないようにして魔物が来ても直ぐに動けるようにしてずっと起きていた。
朝になると家の中から物音がしたので魔物かも知れないと警戒しながら急いで家に入る。
そこには布団から起きぼーっとしたジンがいた。
「つっ、ジン!起きたのか、大丈夫か?どこか痛いとこはないか?これ分かるか?水いるか?」
起きたジンへと駆け寄り人差し指を立てジンに見せたり、アイテムボックスから水を取り出したりする。
するとジンは今の状況がわかったのか顔が冴えてくる。
「あ、あぁ。大丈夫だ。いや、身体中痛いから大丈夫じゃないのか。まぁいいか、いまどうゆう状態なんだ?あいつは?サイクロプスは?それとスズランとミーシャは無事なのか⁉︎」
と、痛がりながらも聞いてきた。
「あぁ。ミーシャもスズランも無事とは言いにくいほど怪我をしているが命に別条はない。サイクロプスは死んだよ。それで今はあの村にある家の中だ」
「そうか。ミーシャは無事か、よかった…。それとサイクロプスは死んだのか。クロが殺ったのか?」
「あぁ。俺が殺ったと思う」
「なんでそんな微妙な言い方なんだ?」
「いや、その時はスズやジン、ミーシャがやられて頭に血が上ってたからうろ覚えなんだ。でも確かに奴は死んでるよ」
「そっか。それにしてもよくあいつを殺せたな。あいつを殺したんだからかなりレベルとか上がってるだろ」
「そういやステータス見てなかったな」
俺は自分のステータの確認をする。
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名前{}クロ Lv.36
年齢{}18
称号{}巻き込まれた者 格上殺し 魔物殺し 記憶を失いし者 影使い 恐怖に慣れし者 痛みに慣れし者 壁を超えた者
職業{}冒険者
体力{}120/120
魔力{}110/110
敏捷{}124
筋力{}95
スキル{}言語翻訳 ステータス補正 鑑定 アイテムボックス 限界突破
属性{}無
魔法{}影《を補足する手 影の使用者影の収集者 影召喚自影召喚
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ステータスやレベルは全然変わってないな。でも称号とスキルに新しいのが増えている。
「どいだったよ?」
「ステータスもレベルも変わってなかったけど称号とスキルに1つ増えてた」
「へぇ。んじゃサイクロプスに勝てたのってそのスキルのおかげか?」
「たぶんな」
「どんな効果なんだ?」
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スキル{}限界突破
ステータスが2倍になる。だがその代わりステータスとレベルは上昇しない。
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「スゲェな。ステータス2倍って」
「デメリットはステータスとレベルが上がらないってとこだな」
「まぁそれがあったおかげで俺らは生きれたんだしよ。サンキューなクロ」
「いや、礼を言う必要はない。パーティ仲間を守るのは当たり前だ。それに本当だったらリーダーが仲間を守らなきゃいけないのにな」
「守ってくれたじゃねぇか。まだミーシャの親父さんとお袋さんにいわねぇといけねぇ事が残ってんだ。クロのおかげで俺とミーシャは生きる事ができた本当にありがとうな」
「いや、もぉいいって」
そんな話をしているとジンの隣で寝ていたミーシャが起きてきた。
「う、うぅ」
「大丈夫かミーシャ?」
「ん、ジン?つっ、ジン!」
ミーシャがジンに抱きつく。
「あ、ばか!そんなことしたら…」
「「っつ!いったぁぁぁぁい!」」
「言わんこっちゃねぇ」
「つつつ、あぁ私生きてるんだ。それにジンも…よかった…」
「あぁ、クロがあのサイクロプスを殺してくれたおかげで俺たちは生き残れた」
「そうなんだ。ありがとうクロ君」
「いや、もう礼はいいよ。さっき人にも言われたからな。それより体はどうだ?」
「そうね、全身痛いけどまぁ大丈夫だと思うわ」
「後はスズが起きたらヒールを頼もう。それまではこの村の家で過ごす。食料は2、3日はもつ」
「そうか。んじゃそれまでゆっくり身体を休めるか」
「そうね。正直身体を起こすのも辛いしね。ゆっくりするわ」
「あぁ、見張りは任せろ」
「すまん頼んだ」
その日ジンとミーシャは疲れをほぐすためじっくりと寝た。
その夜、見張りをしているとまた家の中から物音がした。
「ジンかミーシャでも起きたかな」
何かあったのかもしれないと家の中に入る。
すると中には頭に包帯を巻いたスズが起きていた。
「ん?あ、クロ、おはよ」
その声を聞くと自然と涙がこぼれた。
「?」
「あぁぁ、スズ…。よかった…、本当によかった」
俺はスズに近づき優しく、そして強く抱きしめる。
「クロ、少しいたい」
「ごめん…本当にごめん…守れなくて…、ごめんな…」
俺はそれから暫く、スズを抱きしめながら泣いた。