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9.5.sideスズ

今回はスズsideで今までのお話です

私の名前はスズラン。年は14で身長147㎝、白髪で赤眼をしている。この白髪と赤眼をしているものは禁忌と呼ばれていて皆の嫌われ者。私も同じで 最初はお父さんとお母さんが庇っていてくれたけど、私が12歳の時2人で薬草取りに出かけて魔物に食い殺されたらしい。


それで今まで私の事を守っていくれていた2人がいなくなったことによって、私は村を追い出されてしまった。


12歳の私は村を追い出されて、家にあったお金を持って近くの町まで逃げた。町まで行けばお父さんやお母さんみたいに接してくれる人がいるかもしれないと思っていたが、町の皆は侮蔑の目で見てきて私は本当に居場所が無いことを思い知った。


それからは生きてくため、冒険者になり雑用などの仕事をこなし徐々に体力とお金を貯めて、防具と武器を揃えて魔物と戦えるように頑張った。


1年経ってレベルもそこそこ上がりゴブリンぐらいなら1人で2、3匹相手に出来るようになり旅に出ることにした。


旅をしながらの生活は案外気楽だった。1人でいれて誰も侮蔑の籠った視線を向けなくて、男の大人たちからの暴力に怯えなくて良い。夜に魔物の襲撃に注意をしなくちゃいけないのは少し大変だが、街にいるのより良かったのでそれからは旅を中心に過ごしていった。


旅を始めて1年経って、既に夜の警戒にも慣れて薄暗い中今夜の寝床に丁度良い場所を探していると、何か鋭い気配を感じた。野生の獣の様な気配で、魔物とは少し違う知性の様な何かを感じて動物がいるのかもと思い、短剣を片手に持ち何時でも奇襲に応えられる様にして近ずく。


相手もこちらに気づいている様だ。

少しすると急に、気配から鋭さが少し治まる。


もしかしたら人なのかもと思い声をかけてみる。


「…だれか、いるの?」


すると男の大人より少し高い声が返ってきた。


「あぁ、俺が1人いる」


と、なんだか面白い返事をしてきて悪い人では無いのかもと警戒を少し緩める。


魔物じゃなかったことに安堵し「よかった」と声を漏らした。

それから男の人が灯りをつけてくれないかと言うのでランプに火を付ける。


男の人は170㎝ぐらいで、線は細く中の上っといったぐらいの少し鋭いを感じる顔立ちをした青年だった。


その人はステータスプレートを持っていたが、壊れて名前が表示されていたとこが文字化けしていて、更に記憶喪失だという。レベルは29と若いのに凄く高い。多分色んな厳しい場面を生き残ったから、こんな鋭い気配なのだろうと思った。


それにこの人は私の髪や目を見ても何も言わなかった。その事を不思議に思いつい「どうしてクロ(クロというのは、男の人が名前が無いと不便だからつけてくれと言ったので、全身黒の格好からクロとつけた)は禁忌の私を嫌わない?」と聞いてしまった。


そしたらクロは、

「だってそれってアルビノだろ?それ病気だからな。嫌うも何もねぇだろ。病気なんだから仕方がないだろ」

と、凄くびっくりする様な事をさも当たり前の様に言ってきた。


そのあとクロが『ねっと』がなんたらとか言って「ネットってなんだ?」とか言って考え事を始めてすぐ「まぁいいか」と考える事をやめていた。やっぱ凄く謎の多い人だと私は思ったが、「普通に綺麗でいいと思うけどな。その白髪と赤眼」と、言って笑うクロを見て胸の奥がドキってなった。


生まれて始めて親以外の人にこの白髪と赤眼を綺麗と言われて嬉しかったからだろうとその時は思っていたが、多分私はその時のクロの笑顔に惚れたんだと思う。


その次の日に街を目指して歩いていたのだが、5時間歩いて一度も道にたどり着かずクロに迷った事を言った。怒られると思ったが、クロは苦笑いしながら優しく頭を撫でてくれ許してくれた。


クロに撫でられると不安だった気持ちがどこかに飛んでいき、一瞬で嬉しくなってしまう。


それから少しするとクロが顔を上げ、近くに人がいると言い出した。

私には気配なんてなかったが、昨日聞いてたクロの魔法のおかげなのだろう。


クロは無属性魔法で影を操ったり出来るらしい。他に動物などから影を奪いそれを操ることができ、今回はその魔法で見つけたらしい。クロの魔法はすごいと思う。


クロに先導され走っていると前の方に2人の男女とオークが見えた。丁度男の人が吹き飛ばされ女の人が殺されそうになったとき、そのオークをクロが蹴飛ばした。オークを蹴飛ばすなんてやっぱクロは凄い。


その後クロはオークから影を取ってとどめを刺していた。

クロはその助けた男女、ジンとミーシャに街までの案内を頼んでいて、また落ち込んだ私を撫でてくれる。


その様子を見ていたジンとミーシャがからかってきて私が赤くなっているのにクロは普通に受け止めていた。


そんなこんなで丸一日歩いてリーバルと言う街に辿り着いた。

その時、自分の白髪についてもしかしたらクロに迷惑をかけるかもしれないと思っていたが、クロが魔法で影を操作し私の白髪に固定して黒く染めてくれた。本当にクロの魔法は何でもできて凄い!


クロの髪とお揃いの色になった事に嬉しくてついはしゃいでしまった。


それからギルドに行ってクロのカードを再発行してもらったがクロの名前が『クロ』になってて本当の名前がわからなかった。


その後ジンとミーシャが部屋をとってる宿に泊まる事にしたのだが、まさかの相部屋になってしまった。嬉しいのだが凄く緊張する。


部屋の確認をした後お風呂に入る事になて、その時ジンとミーシャが何かこそこそしていたがクロも気にしていなかったので私も気にせず脱衣時に入った。


「ねぇスズちゃん。ここのお風呂って隣の男湯と繋がってるんどよね」


ってよくわからない事を言ってきた。


「そうなの?」


「そうなの。だから隣の話し声が聞こえるんだよね。そこでジンがクロ君にスズちゃんの事をどう思ってみるか聞いて、それをこっちにいながら聞くって作戦立てたんだけど…聞いてみる?」


「にゃ!なんでそんなことを⁉︎」


「どう?聞いてみたくない?」


正直凄く聞いてみたかった。でももしバレたら嫌われるかもしれない。でもやっぱり好奇心には勝てなかった。


「う、うぅ…。聞いてみたい…」


「よし!じゃぁ作戦開始ね!話が聞こえる様に静かにね!」


そして湯船に浸かりながら話を聞いていたのだが凄く恥ずかしかった。それに結局バレてたし。でも可愛いとか言われたのは嬉しかったけど私がクロの事好きだって事に気付かれてたのにはビックリしたし凄く恥ずかしく嬉しくもあった。


クロたちが先に上がって私たちが出た時は宿におらず、リアに「酒飲みに行ってくる」と伝言を頼んでいた。


私とミーシャは食堂で水を飲みながらリアと色々お話をしていた。

1時間後、クロたちが帰ってきてそれぞれ自分の部屋に戻っていった。


私もクロと部屋に戻って緊張しながらも武器の手入れをしていた。

するとクロがこちらに真面目な顔をして見てきたのでどうしたのかと手を止める。


「なぁスズ」


「なに?」


「ちょっと話があってな」


「話?」


ここまで真面目の顔をしたクロは初めてで緊張する。


「あぁ。俺たちさ、まだ出会って2日しか経ってないからこんなこと言っても軽いかもしれないけど。俺はスズの事を好きになった。スズの白い髪も赤い目もスズ自身が俺は大好きだ。まだ出会ってから日が経ってないのにこんなことを言う奴だが、俺の言葉を信じてついてきて欲しい。俺と、俺と付き合ってくれないか?」


そのクロの口から出てきた言葉に驚いた。その次にはその意味を理解して心の奥底から何か熱いものが溢れ出してくる。目が潤み出してクロの顔が歪んでよく見えなくて、真面目なクロの表情が見えなくなったことを少し残念に、でもそれ以上の嬉しさから自然に返事ができた。


「んっ!」


それを引き金になり、嬉しさが溢れ出してクロに飛びつきそのまま押し倒す。そして恥ずかしさはあったが、やはり自然にキスをしてそのまま夜を過ごしていった。



禁忌として産まれてきて親が死に、村を追い出されて、街でも嫌われて、ずっとこのままだと思ってた。

でもクロに会えてからたった2、3日でここまで変わった。クロは初対面でも私のこと嫌わなかったし、クロのおかげで皆から嫌われなくなった。凄く嬉しかった。


「…ありがと…クロ、大好きだよ…」

今までの話の内容と誤字、一部の登場人物の名前と設定を変更しました。

白澤光輝→五十嵐汰一

神崎龍二→神崎宗二

などです



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