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99.イガラシタイチ

どうも皆さん。千弥瀧です。

新作についてのご報告です。

明日の0時から『不屈で不滅で、何とか異世界で生きてます』という新作を投稿し始めます。良ければ読んでいってください。


 胸から突き出た赤い左手。

 血を吐く創造主。


 その背からこちらを覗く黒い人型。


 悍ましい感情を靄のように纏っているためそいつの本体は見えない。

 唯一見えるのは血に濡れた左腕だけ。


 気配もごちゃごちゃしていて全く読めない。まるで何百という人がその人型の中に詰まっているかのような。

 しかしなんだろうか。俺の感じたことのある気配がいくつか混ざっているような気がする。

 それにあの負の感情も。ノイズのような声も。なぜか既視感がある。


「あひゃひゃぁ……っ」


「ぐっ、こ、こいつ……は……!」


「創造主!」


 流石創造主。胸を貫かれているというのにまだ全然余裕はありそうだ。


「ひゃはっ!」


 人型は嗤いながら貫いたままの左腕を振るい創造主を投げ飛ばす。

 致命傷にも見える傷を負っていながらそれを感じさせない動きで着地する。


「まずいよ、あれ。まさかあそこまで負の感情と調和するなんて……」


「あいつのこと知ってるのか?」


「クロ君も知ってる人間だった奴だよ。彼の名前はイガラシタイチ君」


「あれが、五十嵐?」


「それだけじゃないみたい。クラヤマシンドウ君、イケモトタツヤ君、ニシヤマコウスケ君もいるみたいだね(・・・・・・・)


 あの黒い人型が五十嵐?てか倉山とか池本とか、西山もいるってどういうこと?


「その他にもいろいろ混じってる。この世界の住人も結構取り込まれてるね」


「そう言えば確かに、あの四人の気配を感じる」


 少し希薄だが確かに感じるその気配。


「どうなってるんだよ……」


「クロ君。君、あの黒い雫型の結晶まだ持ってる?」


「黒い雫型の結晶……って、何の事だ?」


「やっぱり忘れているんだ。あれだよ。ロベリアちゃんの負の感情」


 負の感情……雫型の結晶……黒い……って、あぁ。


「あの封じ込めた結晶。すっかり忘れてたわ。そういやあれどこにやったか。アイテムボックスには入れてなかったはずだけど……」


 本当にどこやったんだっけ。


「あれね。クロ君が王都で腐人相手に暴れてるときに落としちゃってたんだ。それをイガラシタイチ君が拾っちゃって。イガラシ君が内に秘めてた暗い感情と干渉し、融合したんだ」


「あれと?」


 俺も一度あの負の感情に触れたことがあるが、数舜干渉しただけで脳が弾けるかと思ったぞ。

 そんなものと五十嵐は融合したのか?


「イガラシ君の心の奥底にあった本性と負の感情とのシンクロ率が高かった。それに、クロ君を殺せるならとその力を受け入れたことも関係しているんだろうね」


「……なんでお前はそんなに詳しいんだ?」


「あ、あはは。イガラシ君が力を手に入れてクロ君と戦ってくれればクロ君がより強くなるための糧になるかなぁ……って、観察してたからね……。まさかあそこまで力を得るとは思ってなかったよ。途中でクロ君に気がとられて観察するのをやめてたのが仇になっちゃったなぁ、あはは」


 あははじゃねぇよ。

 そんな凡ミスであんな化け物が生まれるとか。


 俺も化け物とか異常者とかちょくちょく言われているけど、目の前のあれには負けるぞ。


 呆れて文句を言おうかと思ったが、あちらさんは既に戦う気というか、殺す気満々だな。創造主に負けないくらいの殺気を放っている。

 両手を地に着け獣のように構える人型、五十嵐。


「大丈夫か?胸に穴開いてるけど」


「ははっ、ボクは創造主だよ?神様だよ?これくらいなんともないさ」


「その割には結構血を吐いてたけど」


「体のベースは人間だからねぇ。ちょっと痛いけど、戦う分には問題ないよ」


「そうか」


「クロ君こそ大丈夫?すっごいボロボロだけど」


「お前がやったんだろうが。まぁ大丈夫だ」


 結構痛いけど。まだ全然動ける。


 俺は影で刀を作り出し、創造主は例の十字架上の剣を生み出す。


 敵は創造主並みの強さを持っているだろう。

 感じる気配がそれだけ強大だ。


 正直創造主にも勝てない俺だけでは勝てないだろう。

 でも今回は創造主が味方だ。


 仲間としてはこれほど頼もしい相手はいない。


 望んで得た相手ではないが、強い相手と戦える。

 創造主が言うにはまだ俺は強くなれるらしい。


 ならこいつには俺の糧になって貰おう。


 まだ見えない強さの限界。

 それを見るために、


「死んでくれ!」








クライマックス

盛り上げるのなかなか大変ですね

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